SAND STORM

朝ぼらけ

2012年1月2日

Pinball Dreams

Filed under: 未分類 — Tags: — sajin @ 14:31

Released: 1992
Platform: Amiga/DOS
Developer: Digital Illusions CE (Sweden)
Publisher: 21st Century Entertainment Ltd.
Engine: Pinball Dreams

Official: Pinball Dreaming @ cowboy rodeo (remake)
Forum: Pinball Dreaming Forum / GOG 
Wiki: Wikipedia

Manual: http://www.lemonamiga.com/games/docs.php?id=1216

後にBattlefield,Mirrors Edgeなどを作るDICEによるPinball game。

◇Demosceneから発生したDigital Illusion CE

ComputerがPersonal Computerとなり一般にも普及するようになってから、欧米ではPCの限定された性能でいかに格好よく見せるかを競う芸術活動demoscene(Wikipedia)が盛んになった。特に北欧はその本場であり、例えばMax PayneをつくるRemedyなどはdemoscene出身で、DICEを結成するmemberもThe Silents(TSL)として多くの作品を発表していた。

同時期にTSLが出したdemoの一つ

Pinball DreamsはそのDICEによる最初期の製品として当初Amigaでreleaseされ、Spider SoftwareによりDOSに移植された。以後、DICE自身もFantasies,Illusionsといった続編を出したが、移植を担当したSpider Softwareや様々なdeveloperがこのengineを使ってvideo pinballを作成していくことになる。

後の256色同時発色を可能とするAGA(Amiga Advanced Graphics Architecture) chipsetが必要なPinball Illusionsからはdigital matrixを使った見た目にも派手なものになるが、初作のこれはscoreと文字表示程度で、demoも見ることはできない。ただBGMなどからdemoscene特有の臭いは感じ取れる。

[入手]

GOGでPinball GOLD Packとしてseries五本が一括販売されており、また2009ADにCowboy Rodeoによりiphone向けにremakeされ、Macにも移植されている。


F5でmenuを呼び出して色々設定できる。台の角度を変えて表示するといったものまであるが機能しないようだ。

[key setting]

CTRL=flipper
Enter=forward nudge
Space=plunger(開始時のバネ引き)

で、他のseriesがSpace=上nudge、Down arrow=plungerなので統一性がない。

・nudge keyの入れ替え

mapper.txtを開き、

key_enter “key 13”
key_space “key 32”

の数値部分を入れ替えて、以下のようにすればEnter=plunger,Space=nudgeになる。

key_enter “key 32”
key_space “key 13”

またkey 13=forward nudge,key 32=plungerといった関係ではないので、他のseriesと同じ操作体系にするなら以下の組み合わせにする。

key_enter “key 32”
key_space “key 274”
key_down “key 13”

このmapper.txtで弄ってもAlt+Enterでfullscreen切り替えは影響されないので、その点は心配しなくていい。

[Trouble]

DOSBoxの描画ではfullscreen時、menuは正常表示されるものの、game play時にaspectが狂う。これは避けられない。

dosboxDREAMS1.confを開き、

fullscreen=false

aspect=true

と設定し、

windowresolution=

を適宜数値設定してplayする。


[Graphics]

視点: topviewのみ。自動で上下scroll。

昔のgameなので4:3以外の表示はできない。質感としては8bitと16bitの狭間で、台の描写は悪くない。flipperとballの描写は安っぽいというか8bit的で単色だが、慣れれば問題ない水準。

[Sound]

効果音はそれほどでもないが、musicはかなり上質で気分を盛り上げてくれる。

[挙動]

基本的にはかなり現実的な挙動。球速は遅く、もさっとした感じでキレがない。ただし、慣れた後の具合は良く、癖として楽しめる。

nudge: 上方のみ左右無し。使うと接地状態でのみ 非現実的なほどではないがふわっとかなり上の方に浮く。outlaneに落ちた時のflipper下からの救済が楽にできるほど。

×flipper際の操作が効かない

モワッとした動きでflipperを這わすだけで浮きが生じる為、端の方で弾こうとしてもヌルッと滑ったようになってdrainすることがままある。

××nudgeが完全接地状態でしか効かない

上方nudgeは少しでも隙間があると働かない。

[台]

・全台plunger有り

・下端にmatrix display、scoreと文字表示のみ。

・全台flipper間の中央下方に常設のstopperである細いpost。これは以後のseriesすべてに共通。

・Slinghsotは明確に押されないと反応しない

◇Ignition

Sci-Fi世界で宇宙へ向けて飛び立つ宇宙船が主題。

Bumper,揃うと役になるlampなど、配置も仕掛けも基本的でわかりやすい。外連味のある仕掛けや派手な変化はないが、よく出来た標準的な台で、playerのskillが試される。

◇Steel Wheel

西部劇時代の鉄道が主題。

全体に配置のbalanceがよく、理不尽な死に方をすることが少ない。そしてplayerが選択的に関わっていくことができる。

遊び易く面白い台。

◇Beat Box

Hip-hopが題材。まず描写が汚い上に安っぽい、musicもあまりよくない。

構造は上下のbalanceが悪く、下半分はほとんど何もない一方、上半分は大きなlaneで区切られている。そのlaneはお互いに仕掛けを隠してしまっており、入れても面白い結果になることは少ない。

気分転換程度にしか使えない台。

◇Nightmare

墓場が舞台で、playerを嘲弄するような笑い声が響く。このgameの癖の多い挙動を知り尽くした上で挑まないと不快度が高い。

plungerで弾いた時の脱出口が台の中間辺りにあるのを始め、上部構造に行くのがとても難しい。下半分はある程度仕組みがわからないとsudden deathになりやすい仕掛けや構造になっているが、分かってしまえば続けてplayするのは四台の中で一番楽。

[批評]

基本的に球が視認できる程度の遅さで動くのでplayし易い。以後のseriesでは球速がかなり速くなるので、初代は誰でもplayし易いつくりになっている。しかし、運頼みから抜けてevent達成やhi-scoreを目指して詰めてplayしようとすると、不快な要因にぶち当たってしまう。原因はnudgeだ。

このseriesのnudgeはすべて上方向にしか効かないので軌道調整を行うことが一切できないのはもちろん、下側が完全に接触している時以外はどれだけ隙間が狭かろうと全く反応しない。これと金属球らしからぬフワつきのせいでflipperを這わせるだけで微妙な浮きを生じることとの相性が最悪で、僅かに浮いているだけでもnudgeが効かなくなる。これによってflipper間の移動、outerlaneからの救済他、あらゆるnudgeを活用する技に不確定性がつきまとうことになる。stopperこそあるものの、ふわついた挙動と接地時上方にしか効かないnudgeの為に、意図しない形でdrainしやすい。

またflipperから僅かに浮きが生じた時の軌道のズレがどう働くかが読み辛く、ここでこの操作を間違えたから次はこうすればいい、flipperの撃つ位置をもう少し変えれば確実にあの場所に送り込めるといった調整がやりにくい。

[総評]: 2D Pinball video gameの最優良seriesの劈頭を飾るに相応しい出来

手に入れた当初は古臭い昔のgameという感じだったのだが、ある程度癖を掴んでいく内にその良さが実感できてきた。8bit~16bit PC時代の懐かしさというか、昨今の3D化されたものと異なる手作りの良さがある。これは開発のDICEがdemosceneで腕を鳴らした実力派集団というのもあるだろう。初代Pinball Dreamsのそれは一から手作りしたが故の2D game独特の良さがあり、Pinball video ganeの中でもかなり好きな部類だ。

早すぎない球の移動が生み出す独特の面白味、良質な台、これを元にseriesが展開するだけの魅力は確実にあり、むしろ挙動に関しては下手に球が軽くなって高速化した以後のものより、初代が一番いいと思う。

問題はやはりnudge。これさえちゃんとしていれば問題ないのだが、やり込もうとするとどうしても思い通りにいかない。やり込みに値する魅力はあるのに、やり込もうとすると問題にぶつかってしまうという困ったgame。game engineが変わらないためか、このseriesは最後までこのnudgeに悩まされることになる。

pinball video gameは台のつくりや見た目だけでなく、架空であるが故にその挙動まで含めて独自性が表現される。Pinball Dreamsのそれは欠点はあるものの、独自の魅力がありplayを続け攻略を行うに値する。Pinballが好きなら外せない作品だろう。


[Link]

Hardcore Gaming 101: 21st Century Pinball – Pinball Dreamのeditorを使って作られた作品を網羅している。

What’s demoscene and History of japanese demoscene.  @ DEMOSCNENE.JP – 盛り上がらなかった数少ない日本のdemosceneの歴史。

Tokyo Demo Fest 2012 – 簡単な紹介と日本のdemoparty。


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