SAND STORM

朝ぼらけ

2012年5月27日

焼損したHDDの基盤を取り替えてdataを吸い出した

Filed under: 未分類 — Tags: — sajin @ 22:47

[経緯 – Scythe製電源による焼損事故]

新しいdesktop PCを組もうとScythe(サイズ) 超力2を買って新品のM/BとHDDを繋ぐと、最初BIOS時にHDDは見えており一回だけWindowsが起動しかけたものの途中で停止。以後、resetして再起動を試してもBIOS類の読み込みから先へは進まないのでもろもろの接続などを確認しつつ何度も試している内にHDD四本が死亡し、しまいにはM/Bまで焼損するという電源不良による焼損事故があった。

同じ電気socketでそれ以前も事故以後も複数のPCや他の機器を使用し続けていて何の異常も起きておらずsocketはまったく正常。また時間をかけて順次partsが破壊されていったという経緯から雷など一過性の電流異常が原因でもない。様々な調査を繰り返しても原因は超力2以外にありえず、Scytheも問い合わせ時は電源不良によるHDDとM/Bの破損だろうとしてその分の弁償もするといっていたが、実際にモノを送ると「こちらの検査では何の異常もでなかった」と称して電源代金のみの返済しか行わなかった。

[基盤入れ替えによるdata復旧の可能性]

今回同型HDDの基盤を入れ替えれば基盤破損のみならdataを吸い出せるという情報を見、Western DigitalのHDDは同型を複数買っていたので星型のscrew driver(torx(トルクス),hexlobe driver(ヘクスローブドライバ)など呼び名多数)を手に入れて基盤入れ替えによる吸出しを試みた。torxはT8が該当し、Western Digitalの最近のものはすべてこれのようだ。Seagateのも幾つか試してみたが、T8のものとT6の両方があった。

破壊されたHDDの基盤を取り外してみると案の定焼け焦げがある。こんな焼損を次々引き起こす不良品を調べて「異常は確認できなかった」というのだからScytheの検証能力はよほどお粗末か、こういうことは認めない企業であるかのどちらかだろう。どちらにせよロクな企業ではない。

#この件における態度を見て電源の様な重要なpartsの選択においてScytheを選ぶことはありえなくなった。また、どのmakerのものであれ新しく入手した電源は、破損しても構わないまたは被害を最小限に抑えられる環境で一日程度は試験運用することを鉄則とするようになった。

もうひとつ焼損した1.5TB model WD15EARSと基盤が同形状なので用意したWD20EARSの別(旧)revision。こちらはぱっと見目立つ焼け焦げは見えないが、同じ原因で回路がやられていることに変わりない。

[結果]

基盤交換したHDDを早速繋いでみたが、一枚目の写真のWD20EARS同士は製造年月日はもとよりR/Nまで同じで何の問題もなくdataを取り出せた。やられたのは基盤だけでdiscや読み取り機構の方は損傷していないようだ。とは言え基盤が足りないこともあるし、どこかやられているかもしれないので、このHDDは吸い出し後廃棄する他ないだろう。

二枚目の写真は基盤こそ同じ形状で取替可能であるものの、WD15EARSとWD20EARSの取り替えになり、これはまったく認識されない。こちらについては仕方ない、死ぬほど重要なdataではないので廃棄するしかないか・・・と思ったが改めてHDDを総点検すると同型同R/Nのものがあった。正常動作し、無事dataを取り出せた。

[注意点]

基盤形状が違うので同型以外のHDD基盤の流用は無理。接続や制御chipなど形状以外の問題もあるからたとえ同じmakerのものであっても同型・同じrevision以外は不可能と考えた方がいい。基盤の交換そのものは簡単でネジを外して入れ替え締め直せばすむので、道具さえあれば誰でもできる。その道具となる星型driverであるtorx(トルクス)は完全にsizeが一致しないと機能しないようにできているのでsizeがあうものを入手しなければならない。

交換自体は簡単ですが、問題はファームウェアと呼ばれる初期動作を制御するデータが一致するかどうかです。

通常ファームウェアは基板上のフラッシュメモリに記録されていますが、コスト削減のためフラッシュメモリは最低限の容量しかないため、最近の肥大化したファームウェアは入り切りません。ですので一般的にファームウェアは基板上のフラッシュメモリと、ディスク上のトラック0エリア内の両方に書き込まれております。
つまり、HDD自身の起動の初期段階に必要な最低限の部分だけがフラッシュメモリーに書き込まれており、残りのデータは0エリアに書き込まれているわけです。

フラッシュメモリーに書き込まれている最低限のデータとは

1.スピンドルモータの回転開始及び規定の回転数にあげるまでの制御情報
2.VCM(ボイスコイルモータ)に電流を流し、ヘッド(アーム)を動かし、サーボ情報から位置情報を検出、規定の場所まで移動する
3.PC側のIDEコントローラとの通信を開始する
4.その他 そのロットのヘッド固有のパラメータ等

などです。

HDDに電源が投入されると、これらの情報に基づきヘッドがトラック0位置まで移動し、ファームウェアの残りの部分を読み込みます。全ての情報を読み終わるとHDDとして起動、PC側からのアクセス待ちの状態となります。これが正常な状態ですが、基盤が交換されファームウェアの内容が異なっていると誤った情報を元に起動を開始様してしまいます。開始位置などの位置情報、ヘッド固有の情報等が異なるため当然残りのファームウェアが読み出せません。

この状態の場合は通常は起動しないだけで済むとされていますが、本来メーカーでも想定されていない事態ですので組み合わせによっては何が起きるか分かりません。

以上のことから基盤の交換の際には同じメーカー、同じ型番であることは当然として、このファームウェアも一致していなければHDDは起動しないということが分かると思います。

HDDの基盤交換について | HDDを修復する方法を解説するサイト

よく調べると条件はもっと厳しいようだ。firmwareがdiscの先頭部分に書き込まれており、それが異なるだけで読み込めなくなるので製造時期が異なるだけでも使えないことがある。

最新のHDDの多くは、基盤を交換するだけでは正常に動作するようになりません。
IBM及び日立のドライブなどを含む最近のHDDは、基盤のROMに記録されたAdaptives(適合値)と呼ばれるユニークなパラメーターを、HDA(ハードディスクアッセンブリ)側のパラメータと一致させる必要があります。

Adaptives(適合値)が一致しないPCBを安易に交換した場合、ハードディスクは互換しない基盤をロックしてしまい、あらゆるPCBを受け付けない状態になってしまいます。
こうなった場合、ハードディスクは正常に動作しないばかりか、その後適切な修理、修復措置を実施した場合にも、データを復旧できなくなってしまうことがあります。

ハードディスク[HDD]の基盤交換について | データ復旧センター 蘇れ!データ復元

また旧IBM/Hitachi製は適合しない基盤を取り付けると使い物にならなくなる。製造業者によって異なるので駄目元で試してみねばわからない点が多い。より復旧困難な状態にしてしまうこともあるのでdata確保を最重視するなら専門業者に任せるべきだろう。


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