SAND STORM

朝ぼらけ

2013年12月1日

日本ゲーム博物館(旧ピンボール博物館)訪問記 平成二十五年十一月

Filed under: 未分類 — Tags: — sajin @ 01:05

平成二十五年(2013)十一月に訪問した。現在は昭和レトロ館 ワンモアタイムが運営する日本ゲーム博物館(JAPAN GAME MUSEUM)ということのようだ。旧ピンボール博物館時代のsite開館は金/土/日のみで他の平日は開いていない。※2014AD現在、土・日・祝に変更。運営状況が変化することが多いので、要事前確認。この記事は、あくまで2013ADに訪問した際のもの。

[到達手段]

まずJR名古屋駅南口を出ると右手目の前に名鉄名古屋駅があるが、両者の間にある道路を右の方に見れば名鉄側の建物に名鉄バスセンターの看板が見えるはずだ。これの二階から上がbus乗り場になる。名古屋駅周辺は目の前にPRADAや高級料理しか見当たらない泡沫経済時代と勘違いしたようなとても使い辛い場所。JRのcoin lockerは南口西周辺のは埋まっていて反対方面まで行かないと使うことができなかった。名鉄バスセンターは暖房付きの休憩所、さらに同じ階に上質なhot dog類の食事と持ち帰り可能な店があるので、そこで食事ないし、後の食糧を確保しておくといい。博物館自体は近くに店などまったくない山間にあるので食事のことはちゃんと考えておく必要がある。

bus自体は観光用のゆったりとして広いもので、かつこの路線は観光客以外ほとんど乗らないのでとても空いている。

busは名古屋の都心から栄というbusiness街を抜けて、山間部へと走っていく。風景は変化に富んでいるので飽きさせない。途中中央自動車道に入り所要時間は50~60分ほど(朝夕の都心部混雑時は長くなる)、料金は850円とそれなりにかかる。本数は一時間に一~二本ぐらいだろうが、時間帯にもよるのでよく確認した方がいい。特に帰りは五時の便を逃すとtaxi以外帰る手段はなくなる。

停留所の選択肢は二つあり、手前の今井丸山もしくは奥のリトルワールド手前の成沢口だが、成沢口までの道は歩道がなく危険なので、お勧めは今井丸山だ。料金もこちらが安い。

高架道路は数年前まで有料だった尾張パークウェイ。谷の奥の見えなくなっている辺りが博物館で距離は500mもないぐらいか。両側を低い山に挟まれた谷で、典型的な日本の田園地帯

二車線の道路沿いを歩くより、向こうの山際の旧道を行けば、旧い日本の家屋が多くある風情ある道行きになる。車も通らないし昔の風情を楽しむならこちらがいい。

[博物館入場]

駐車場と隣接するDog Resort。休日にはcartを使ったraceなども行われている。家族で来た場合、子供をそれらもしくは近くのリトルワールドに封じ込めて、自身はひたすらpinballに耽るという戦術も可能。

店主は三十歳ぐらいの男性で、博物館自体を始めたのは先代。料金は細かくは忘れたが、一時間・三時間・一日それぞれの券を販売機で買い、首に掛けておく。一日券は三千円。施設維持の寄附も兼ねて一日券にしておくべきだろう。

[pinball部屋]

最初は右の部屋のpinballを見て回った。Gottliebの古い台から、SEGAの初期もの、Bally,Williamsと1960?~1990年代までが揃い踏みだ。すべてが動く訳ではないが、古いものも大半は遊ぶことができる。恐らく誰もがどこかで見かけたことがある名作と、こういう所でなければ絶対に見ることのない古典作品を両手に花で遊ぶことができる。

信じられないだろうがこれらUSAの古典機と日本のSEGAの初期物はほぼすべて稼働する。flipperの緩さからplay継続は難しいが、面白さと貴重な体験の両面でこれらが一番だった。特に野球を題材にしたGottliebのBIG HITは最高。

SEGAの祭MIKOSHIは残念ながら体験はできなかった。恐らく交換品の少なさから稼働させるのは難しいのだろう。

WilliamsのFlash (1979)はSolid State初期の作品。

急流下りを題材としたWhite Water ,Guns N’ Rosesなどpinball好きなら誰もが見たことのある80~90年代の名機が揃い踏みだ。あまり興味がわかなかったのと、かなり使われていて消耗が激しいのでやらなかったが、Indiana Jonesなど主に1990年代ものもある。

The Internet Pinball Machine DatabaseのSolid State(現代的な電子制御)物のbest 10に入るものはほぼすべて揃っている。

Tales of the Arabian Nights (1996)は魔法石、laneの表現などすべてが蠱惑的でいい(写真)。この他にもキレのいいAttack from Mars (1995)も楽しかった。Adams Familyのみ不稼働。

◇左部屋のElectro-Mechanical games(エレメカ)

frontを挟んで隣の部屋が、大型筐体、Electro-Mechanical Game(いわゆるエレメカ)でまったく見たことがないものが揃っている。大型筐体のせいでかなりこちらはやかましく、よくも悪くもゲーセンの雰囲気だ。

medalを使った競馬ものなどmedal絡みが多い。medalは雑然と排出口にたまっているのでそれを使う。ある意味夢のような環境ではある。

写真に取り損ねたが、digital化以前の射撃モノが数台あり、曜日を限って稼働させているようだ。そちらはかなり貴重なものだろう。

またこちらの部屋にもpinballが五台ほどあり、Terminator,Star WarsやSuper Mario Bros.(gottlieb製)のpinballなどが設置してある。ほぼ全機play可能。

またこの部屋は大型筐体がとても多い。SEGAのOut Run,SEGA Rally,TAITO ChaseH.Q.などraceものを除いては見たことがないものばかりだった。

このTHE警察官というのが気になったが、時間がなかったのでplayせず。

ここの弱点として、table筐体はほぼSpace Invader系ばかり、汎用筐体はStreet Fighter II’の改造版(Rainbowの派生板のようだった)ともうひとつBubble Bobble派生のものがあるだけで、通常往年の”ゲーセン”で想像するshooterやside scroll actionなど汎用筐体のgameはないに等しい。

◇二階の不稼働pinball置き場

二階は恐らく修理不能なかなり旧いpinball台が縦に並べて置かれていて独特の空間を形成している。

写真1,写真2,写真3

宇宙に夢を見ていた時期の台や音が綺麗に見える人が描いたとおぼしきbackglassなどが時代を感じさせる。

今では絶対につくられない十九世紀末から二十世紀初頭ぐらいの感性の表現。gottliebのものは西部劇や初期のSci-Fiなど古典色が強く、独特の魅力がある。

一階のpinballでも思ったが、野球とpinballの相性は抜群に良い。なぜ野球を題材にしたpinballがsolid stateになってから見かけないのか不思議だ。

◇Jukebox

jukebox 1,jukebox 2

二階は色んなものがあるがjukeboxが多いのも特徴。当時の酒場などにあったものだろうが、既に映画などでしか見ることのない現代的な古物だ。

古色蒼然とした1960辺りのjukebox群。

◇想像を絶するantique(アンティーク)群

二階で驚くのは、juke box、縦に置かれている可動しないpinballの古典機群だけでなく、日本の戦前の大きな時計類、欧米の1700ADにまで遡る時計類、juke boxの原型(オルゴール切替器?)、日本の江戸時代の様々な時計、極めつけは江戸時代以前の慶長時計まであることだ。昭和を遥かにさかのぼっている。

一見行灯にも見える奇怪な時計が並ぶ。たしか右端のものは灰を使ったものだった。

和洋を問わない錚々たる収集品だ。

写真1 写真2

蓄音機やら古典radio playerやら音楽がらみのものが多い。

ここまで風格のあるorganもそうないと思う。

西部劇の時代にでも迷い込んだかのようだ。実際、ほとんどのものが1700~1899などといった年代。

これぞ古典jukebox。巨大な切り替え式orgel(オルゴール)とでもいう代物。

館主と話をした所、この手のantique類は先代が集めた物で、その本質的価値にも関わらず、大きすぎて置き場所がないことや、こういった明治大正的な古物を趣味とする世代そのものがいなくなってきていることにより鑑定などに出しても市場価値はほとんどなく、Family Computerなどのgameの方が余程高く取引されるという。「整理処分しようかと思っている」とも言っていたので、見ておきたい人は早めに行った方がいいだろう。またその際にはこれらに価値があることをちゃんと話をしておいてもらいたい。これほどの収集品を触れるほど間近に見ることができるのは稀有だ。

今回行きそびれたが、近くに博物館明治村(Wikipedia)という明治~昭和の建物をそのまま移築しているtheme parkがある、この手の趣味の人には堪らないだろう。自分も次回行く予定があれば必ず訪れようと思っている。

ただし、明治村とpinball博物館は距離的には近いもののbusの路線が違うので、bus利用だと両者を同時に探訪するのは辛い。栄まで戻って乗り換えるか、犬山駅まで行って岐阜バスコミュニティという別会社が運営する路線に乗り替えねばならない。時間と足に余裕があれば入鹿池で下りて歩くという手もあり、手間と金額を考えれば散策がてらにそうでもした方が早いかもしれない。

路線図ドットコム/愛知県/犬山地区バス路線図

結局この博物館は一階のpinball部屋、”ゲーセン”を再現したためにやかましいエレメカ・大型筐体部屋、そして二階の落ち着いたantiqueと三つの異なる場所がある。一つだけだと飽きは早いだろうが、息抜きがてらに見ることのできるこれら静的収集品と組み合わせることで長居する価値が何倍にもなった。

[食事]

食事が許されているのはfront前のtable筐体(二つありどちらもSpace Invader系)だけで、店内にあるのは日清のcup noodle自販機のみ。飲み物は古い自販機の瓶入りCoca-Cola(190ml)数種ないし、店主にいうと百円でinstant coffee(美味くはない)。ここの問題は食が弱いことで、近くに外食や雑貨屋・convenience store(コンビニ)などもないから事前準備が必須。

[帰り]

bus停は北東の成沢口の方が普通に歩いて十分と近いらしいが、今井丸山も早めに歩いて十分ぐらいなのでほとんど変わらない。夕刻になると隣で音楽教室が開催され、隣室のarcade game機の音と混じって混沌とした空間になってきた。それでもひたすらpinballと古物鑑賞で半日潰して十七時十分ほど前にようやく退館する。

busの帰りの時刻表は店主に頼めばもらうことができる。最終は17:05で、それ以前も一時間置き。最終便を逃すとtaxiにでも来てもらうしかないから終便の時刻だけは気をつけねばならない。

なんにせよ、実機のpinball台そのものが珍しくなった今となっては、行くしかない場所だ。色んな楽しみ方ができるので訪問の際は活用してもらいたい。


[Link]

【JGMレポート 1】日本ゲーム博物館へ行ってみた −レトロ・想い出・色褪せぬ楽しさ (フォトレポート有)
【JGMレポート 2】日本ゲーム博物館館長 辻哲朗氏インタビュー(前編) − JGMの背景とスタンス
【JGMレポート 3】日本ゲーム博物館館長 辻哲朗氏インタビュー(後編) − 現状、今後、そして愛情

館長へのinterviewはその人物・能力の凄さと、運営の苦労、博物館でplayする際気をつけてほしいことなどを語っているのでぜひ読むべき。他の人では絶対に真似できない博物館だということがわかる。

日本ゲーム博物館館長 辻哲朗氏インタビュー - 現実への架け橋としてのゲーム | Gamers Geographic

同じYasuda Nobuyukiによるinterview。

基盤大好きによる動画での紹介。ただし、館長が語っているようにどのようなものを展示するかどうかが大きく変遷しており、同じgenreでも展示物がどんどん変わる。

EM game機

antiqueと倉庫。館長と造詣の深い人間が実物相手に語ってるので面白い。


関連記事

No Comments »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment


sand-storm.net