SAND STORM

朝ぼらけ

2014年5月3日

[旅行記] 大阪 漆 (帰路) – 平成二十六年四月 漆

Filed under: 未分類 — Tags: , — sajin @ 16:45

◇山の神仏展

よく晴れていたが、昨日歩きすぎて疲れていたので遠出はせず、動物園の脇を抜けて近くの美術館に行ってみる。

天王寺の西隣にある西成からもよく見えるが、最近できた日本一の超高層建築物というあべのハルカス(official,Wikipedia)は、建物のせいか塔と違って動物園前駅周辺と対比的で違和感が強いものの、写真映えはいい。

やっているのは山の神仏展(大阪市立美術館 – 山の神仏-吉野・熊野・高野)で、奈良南方の吉野の山々、真言宗の総本山高野山、熊野那智の三つの領域の神仏混淆の宗教像を集めて展示している。

至福!傑作仏像写真館・25選+α | 文芸ジャンキーパラダイス – 神仏展に展示してあるものは無いが、大体こういうものなので参考に。展示品はもちろん撮影不可だった。

奈良時代から平安初期ぐらい(基督紀元の年が三桁)の仏像は、明らかに東洋人を元にしたものではなく、印度亜大陸の長身細身の優雅な姿であり、服飾も何とも言えない艶めかしいもので、大体今のジャニーズであるとか、細身の男性modelのそれに近い。こういうのを見ると、当時から日本人はeroticなfigureに萌えていたのではないだろうか、と思う。

蔵王権現立像(Google Image)の取る姿勢や仏像が手に持つ仏具などは、今の中二病的な感性と同等のもので、こういった呪術的なものを求める心が普遍的なものであることを物語る。それと千手観音とか頭の上にやたらと小さな頭をつけた十一面立像とか、仏教ってやたらと盛るのが好きだ。数字なんかも劫(43億2000万年。Wikipedia)が多い。

圧倒的に迫力があるのは吉野のそれで、仏陀の悟りなど関係ないと、神仏を完全融合させて呪力の追求を最重要眼目とした役行者の凄まじさ、それが生み出した修験道の力こそ、日本仏教最高の産物だろう。

檀特山 小松寺 | 役小角(役行者)

後の二つは高野山と熊野(那智など)だが、ただ大きいだけが売りだとか、素人臭い造作が多く、宗教的な威力を感じるものは少なかった。また、これは日本の古美術の悪い点だが、絵画修復が行われないので、剥げと黒ずみでなにが描かれているのかほとんどわからないものも多い。原本は原本でそのままにするということでもいいけど、その隣にそれを元に修復したものを展示するとかいうことはできないのだろうか?

地下で同時に行われていたのが、地元大阪市民から公募したものを展示した日本南画院展で、こちらはすべて水墨画。その大半は失われた日本の風景やら外国の写実的な風景描写。元々水墨画はその抽象性がよかった訳で、写実的にすればするほどわざわざ絵に描かなくてもいいようなものになってしまう。中にちらほら、昔の諸星大二郎を思い起こさせるような、仏像や巫女の集会を描いたものがあり、それらの宗教画は素晴らしかった。人のこころが力を感じるものをそのまま描いてくれてこそ絵だ。

◇集会

朝からやたらと騒がしいので、何をやっているのかと思ったら、左翼の政治宣伝と祭りを一体化したようなことをやっている。Islam圏の国に行くと、野外に設置された拡声器から宗教なのか政治なのか音楽なのかよくわからないものが大音量で流されているが、あれに近いものを感じる。

◇帰路

さびれた鉄道の地方路線といっても二種類あり、そもそも自動車化が進む前の昔ですら採算が成り立たないのを田中角栄辺りが、無理矢理つくってしまった路線と、本来は地方都市同士を結ぶ主要路線だったのだが、関係都市や周辺が衰退するのと同時に、自動車化があまりにも進められて誰も鉄道を使わなくなったが故にさびれてしまっているものがある。今回通ったのは後者で、大阪から直接主要目的駅に行くことはできず、途中三度乗り換えることになった。

その最後の乗り換え駅上月駅で、地方路線ではよくあることだが、一時間近く待たねばならなくなり、暇なので駅に併設された土産物屋を見て回る。ここは地元の農産物を直接売ったり、それを加工したice creamや味噌煮込みうどんを出す喫茶店もやっていて、活気がある。試しに一つ豆乳soft creamを頼んでぶらつきながら食べてみると、典型的な素材と水の良さが出た美味さで、あまりに美味しいのでもう一つ頼んで、売店で買った饅頭を珈琲のつまみにしながら食べたが、こちらも美味しかった。

途中、やたらと河川工事・護岸工事が行われて新しくなっているので、おかしいなと思ったが、この地域は近年台風で大規模な水害に見舞われ、それがこういった中身のある町おこしに繋がっているようだ。「災い転じて福となす」とはこの事だろう。

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