SAND STORM

朝ぼらけ

2015年1月20日

[旅行記] 小田原 弐(石垣山一夜城) – 平成二十六年十二月

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◇石垣山一夜城

石垣山一夜城は小さな社がある所が登り口だ。ここに来るまでの看板も目立つものではなく、高速道路への登り口などが絡んで見つけづらい。

北条氏が来る前からこの地にある、登ってすぐの海蔵寺の入り口には不許葷酒入山門(葷酒(くんしゅ)すなわち生臭いものや酒を寺に持ち込むな)と曹洞宗の禁制が建てられている。

そこからはえげつないぐらい急な坂で、普段から自転車で峠越えなどをしている人が、自分に合った自転車で登らないととても乗ったままでは登れない傾斜が延々2km、比高にして250m近くあるというとんでもない坂道だった。小田原城から見た時はある程度ゆるい傾斜の比高100mほどと思っていたが登れば登るほどその過ちを思い知らされる。

道自体はhiking courseに指定されていて、途中、参陣武将の看板や、妙な宗教による石碑などがあるが、大半はみかん畑で、みかん農家により使われている山だ。

登る途中やたら車が通って、観光客としか思えない老人たちが車ですいすい登りながら、苦労して自転車を押して登っているこちらに何度も道を訪ねてきて煩わしいことこの上ないと思っていたが(言っておくが、要所にわかりやすく城への道であることが示された実質一本道でだ)、ようやく城まで登ると、広い駐車場とヨロイヅカファームというrestaurantだか何だかよくわからないものが造られて観光地化されていた。どうもここを目当てに老人たちが押し寄せてきているらしい。

店は休業中で、手前を人が通る度に

「これ以上近づくと警察に通報します」
「これ以上近づくと警察に通報します」
「これ以上近づくと警察に通報します」
「これ以上近づくと警察に通報します」
「これ以上近づくと警察に通報します」
「これ以上近づくと警察に通報します」
「これ以上近づくと警察に通報します」
「これ以上近づくと警察に通報します」
「これ以上近づくと警察に通報します」
「これ以上近づくと警察に通報します」

と十回ぐらい拡声器でがなりたてるのでうるさくて仕方がない。しかも、果樹園に抜ける際誰でも入る10mぐらい離れた領域にまで反応するので、警告しっぱなしだ。聞いているだけだとウンザリさせられるだけなので、豆腐屋で買ったがんもどきを食べながら、それに引っかかる人間を観察して過ごした。大豆と油という栄養はこういう時、意外と美味い。でも塩が足りない。砂糖は菓子やら飲み物やらで補給が簡単だが、塩は携帯しておくべきかもしれない。

がんもどきを食べ終わって、城に入ることにする。一夜城(説明看板)は関東で初めて本格的な石垣で構築された城なのだが、石垣のほとんどは関東大震災で崩れてしまっている。関東の史跡を訪れると、この関東大震災でやられたというのが結構ある。中でも小田原は震源が目の前だったので大きな被害を受けたようだ。

二の丸はこんな山の上ではやり過ぎなほど綺麗に庭園化されていて、遠くには往時に秀吉が見下ろしたであろう小田原城がしっかりと見えている。こんな所に大要塞を築かれて、四方を囲まれたら籠城する側は絶望する他なかっただろう。

本丸跡は、いかにも観光地化された二の丸などと違って昔の風情を残して心地よい。ここから裏手方面が山城としては見どころが多い。

たっぷり山城を味わってから下に降りてよく見ると、ヨロイヅカ方面にはない地元民が置いた自動販売機があったり、下手隣には密教の修行場があったりと、もともとはかなり混沌とした領域だ。

ここからの下りは、坂が急過ぎて当然自転車に乗って下ることはできず、かと言って歩くのも面倒なので、手で自転車を走らせながら駆けって下りた。これでもかなり速度がついて危ないぐらいだ。


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