SAND STORM

朝ぼらけ

2009年10月19日

AD&DからD&D3.5Eの変更点

Filed under: 未分類 — Tags: , — sajin @ 16:12

※実物のrulebookではなくcomputer RPGでAD&D準拠game群から3.5E準拠game(Temple of Elemental Evil)への変更なので注意。とりあえず気づいた範囲なので逐次修正・増加していく。


◇Editionの変遷

1974ADに最初のDungeons & Dragons(Wikipedia)がreleaseされ、1977ADに初代Dungeons & Dragonsからさまざまなruleを付け加え複雑化したAdvanced Dungeons & Dragonsが生まれた。

2つは別物として扱われそれぞれ発展を続け、AD&Dの方は1989ADに2nd Edition、1995ADには修正版が出され非公式にAD&D2.5と呼ばれた。

(つまりAD&D初版=1.0、第二版=2.0、修正版=2.5。元のD&Dはまったく別にversion upを重ねClassic D&Dと呼ばれる)

Editions of Dungeons & Dragons @ Wikipedia

国府TRPG保存会 – 日本での発売履歴。

1999ADに、game史上最も悪質な著作権管理(Dungeonと名乗ったZorkを再改名させたり、”ビホルダー”使用へのclaim、fan communityへの訴訟など)をやっていたTSRの経営難によりWizards of the Coastに権利が移ったことで、Dungeons & Dragons 3rd Editionとして再出発を図ることになった。3rd EditionはAD&D系の3版という意味だがAdvancedは取り除かれ単なるD&D3eとなった。それとほぼ同時にD&D Classicもversion upを停止し、この改名版に一本化された。しかし、2010ADに再度Dungeons & Dragons Essentialsとしてこの路線が復活するなどAD&Dのような大量のruleやvariantがないclassicへの需要に応えている。

AD&D系とはいっても、3.0では根幹部分から大きな整理が行われており、AD&Dに比べればかなりわかり易いものになっている。そういったわかり易さの意義を含めて原点であるD&Dに戻したのだろう。

現在は3.0に改良・追加を施した3.5が主流。


◇3.0からはOpenSourceのd20system(1d20±修正≧難易度で成功)と呼ばれるものが基本となっており、ACは高い方が良いなど判定の仕方が変わって簡便なものに統一された。

参考:Dungeons & Dragons(3rd Edition)概説

◇戦闘Round

1Round = 1分

1Round = 6秒

Buldar’s Gate2ではturn制をrealtime制にするために、すでに6秒に改造してあった。

ToEEでは、戦闘時行動力というものがあって、基本的に足の速い遅いが行動力の大小になる。行動力が半分を切ると攻撃・呪文などが行えなくなるので、その点で足の速いbarbarianなどは有利、足の遅いHalflingは不利。

◇Initiative(主導権)

AD&D party全体→Initiativeを取った側が一度に行動する

D&D3.5e 個々のcharacterごとに判定し行動

これもBG2では個々判定になっていた。

◇種族最大Lv制限

AD&DではLv制限・兼職などcharacter成長の根幹部分に数多くの欠点があり、しかもそれを変えないまま次々とruleを継ぎ足したため、同じcharacterを引き継いでの長期playなどを考えると頭が痛くなるのを通り越してやってられないgameであった。D&D3eからはこのLV部分にメスが入っており、ようやくまともなものになっている。

AD&D 種族ごとに最大Lvに制限あり (最低Lv5ほどから最大でも10程度)

D&D3.5e 一切なし

◇兼職

AD&D

Multi class(兼業)

・人間外種族のみ
・classごとの制限を同時に受ける
・種族ごとの最大Lv制限も受ける
・経験点も分割され成長が遅れる
・character製作時に選択、以後固定

Dual class(転職)

・人間のみ
・条件として非常に高い能力値が求められる
・転職した時点でLvは1に下がる
・転職後、転職前のLvに達しないと前職の能力を使えない

D&D3e 種族関係無しに後から自由に付け足せる

・level Upに必要な経験値は合計Lvのそれを求められる
・人間/Half-Elf以外はLv差が開くと、種族適性職以外を上げる際penaltyを受ける

猫のたまり場 バルダーズ・ゲート クラス

◇経験値

classic D&D

経験値=新たに獲得した金貨

AD&D

敵を倒すことによって得られる経験値は少量で、経験値稼ぎはquestをこなすのが主

D&D3.5e

敵を倒すことにより得られる経験値が多く、Lv Upは敵を倒して行うのが主。questから得られる経験値は少ない。(ToEEのみか?しかし敵を倒した際の獲得経験値が多いのは確か)

◇能力値

・STR18などが極端に特別な意味をもつことはなくなった。累積bonusの追加のみ
・一定Lvに上がるごとに能力値を増やすことができる

◇skill systemの導入

3eからはこれまでの職業付随のみだった特殊能力に加えて、大胆なskill systemの導入が行われている。

・feat (特技。主に戦闘・呪文関係の強化)

二刀流・得意武器・回避強化・呪文効果延長/拡大などとにかく種類が多く、同じ戦士・魔法使いであっても個性化ができる

・skill (技能。主に非戦闘時における開錠・探索・交渉など具体的な行為)

各skillに該当する行動はfeatのように無いとできないものではなく、どのcharacterでも行うことはできる。要はその行為を行う時につくbonus。この値をcharacter製作時とLv Up時に選択追加する。

◇種族

Human: featを多く獲得でき、multi classに有利。multi class penaltyなし

Half-Elf: 人間にskill bonusを加え、feat追加をなくしたもの。multi class penaltyなし

Elf: multi class penalty Wizard除外

Gnome: multi class penalty Bard除外

Halfling: 足が遅い(他30、Halflingのみ20)、代わりに図体が小さいので戦闘時他のcharacterが入れない/通れない隙間に入り込んで移動や攻撃を行うことができる。multi class penalty Rogue除外

Half-Orc: multi class penalty barbarian除外

適性が無いとmulti classでそれぞれの職のLv差が2以上離れた時Lv Upに必要な経験値が増える(適性のみ除外)。

◇職業

Specialist Mageなど職業内の特化職は廃止されskillの選択がそれを代行する。

Fighter
・featを多く獲得できるので個性的な戦士に育て上げられる

Barbarian
・足が速い
・怒りによる一時的攻撃強化
・本能的な感知/回避能力

Monk
・特殊武器(手裏剣など)
・格闘戦用のさまざまな特殊能力

Rogue
・Backstab=Stealth Attackは機会が拡大
・戦闘中にStealth modeに入ることはできない
・感知・危険回避などさまざまな特殊能力
・ToEEにおいては罠を仕掛けることも鍵をかけることもできない

Paladin
・武器:軍用 全鎧/盾 獲得
・Lawful Goodのみ
・独自体系呪文(僧侶呪文の簡易版)

Cleric
・単純武器、全鎧、盾featを獲得
・刃物規制なし
・信仰する神ごとに定められた武器を得意武器として使うことができる
・通常の呪文の他に、信仰により限られた範囲の追加呪文を唱えられる

Druid
・独自の呪文体系(回復/支援、自然災害系の攻撃)
・特殊能力を使うには非金属防具のみ

Bard
・武器:軽 鎧:軽/中 盾
・独自の呪文体系(僧侶・魔法使い両方の非攻撃呪文を足したもの)
・覚える必要はなく規定回数まで自由に何回でも使える
・歌唱によりさまざまな支援効果を与えることができる

Wizard
・専門領域はfeatで選ぶことになる
・1Lv上がるごとに2つしか呪文を覚えられない
・scrollから呪文を得られる

Sorcerer
・Wizardと同じ呪文体系
・知性ではなく魅力が重要
・呪文を覚えら得る数は少ないが、唱えられる回数が多い
・一々覚える呪文を選ぶ必要はなく、すべて規定回数まで何度でも使える
・scrollから呪文を得ることはできない、Lv Up時の増加数も少なく使える範囲は非常に狭い

Ranger
・独自呪文体系(動物関係・能力強化)
・長期間有効な足早の呪文有り
・弓のspecialistになるか二刀流のspecialistになるか途中で選べる

◇武器・防具

武器 – 単純武器/軍用武器/特殊武器
防具 – 軽/中/重
という区分けがあり、featが無いと使えなかったりpenaltyを受ける

装備ごとに呪文の失敗率が設定してあり、それらは合計されて呪文詠唱失敗の確立になる。

◇道具製作

featで武器防具製作/portion製作/scroll製作を獲得すれば魔法の物品を簡単につくることができる。経験値と多額のgoldが必要。

◇装備制限

・どの種類のものを装備できるかはfeatできまる
・職業ごとにそれに相応しいfeatが与えられる(Fighterなら全武器/重装備、Thiefなら軽量鎧など)
・職業による装備制限は無いが、職業能力への制限はある

◇攻撃選択肢

・Simple Attack 通常攻撃。最初から接敵している状態だとそのcharacterの可能な複数回攻撃をすべて叩き込む。移動→攻撃だと1回のみ。

・Full Attack 複数回攻撃能力を持つcharacterが1回ごとにバラバラの対象に攻撃できる。全回数できる訳ではなく、回数が失われることも多い。

・Charge Attack 直線移動+攻撃

・Coup de Grace 止めを刺す(Trollなどに使用)

・Trip Attack
成功すると相手をうずくまらせる(Prone)
失敗するとこっちがProne状態になることあり
Prone状態になると攻撃を格段に喰らい易くなるだけでなく、立ち上がる際AoOにかかる

・強打(要feat)

・足払い(要feat)

・回転攻撃(要多重feat)

周囲の敵すべてに攻撃。効果は薄い。

◇戦闘中の防御/待機選択肢

・Totaly Deffence (防御に集中)

・Ready for Approach 相手が攻撃範囲に入ってきたら攻撃

・Ready for counterSpell 火の呪文を氷の呪文でかき消すなど相手が呪文を唱えたら対抗呪文を持っている場合自動的に唱えて無意味化させる

◇攻撃mode

・防御的攻撃

・非致死性攻撃 – HP<非致死damageになったら気絶する

・防御重視呪文詠唱 相手からの攻撃を躱す+呪文詠唱失敗の確立が高まる

◇HP0=死亡ではない

HPが0になると昏倒し、無意識(unconscious)状態になる。この状態で手当てされないと出血を続け次第にHPが減っていく。こうしてHPがどんどん減って-10になると死に至る。

昏倒から死亡までの間に、他のcharacterがHeal技能を使って成功すれば、安定(Stabilized)状態になり死亡はしない。

◇機会攻撃 (Attack of Opportunity = AoO)

D&D3系において戦闘時最も大きな変更がこれで、敵の近接攻撃範囲内で

・その敵を無視して移動
・呪文詠唱
・射撃

などを行うと相手から自動的に攻撃を受ける。ZOCに近い仕様。AoOは以下の特徴を持つ。

・1Roundに1characterにつき1回まで可
・これを避ける為に移動に5feet-Stepという距離をとって移動するoptionがある
・skillのTumbleでこれを回避できる
・機会攻撃に攻撃範囲の広い槍などが組み合わさると大きな威力を発揮する

M’s RPG – 3版の戦闘rule

◇士気

AD&D

細かな数値による士気判定→逃亡

D&D3.5e

呪文による状態変化のみ
Afraid:Controlは効くが、接敵させると勝手に離れることが多い
Turn Undeadによるcoward:硬直
Turn Undeadによるturn:逃亡

Bardの詠唱によるInspire courageは状態とはまた別の効果

◇毒

AD&D

かかったまま放置すると死ぬ致死毒。Delay Poisonで遅らせないと早期に死亡。

毒は種類が複数あり、多くはAD&Dほどの致命的な威力を持たない。

◇麻痺

AD&D

麻痺状態などで攻撃などを食らうと即死

麻痺/意識喪失などに陥っても一発でやられない。AC-4のみ。

◇呪文

・Hold Personはかかっても一撃で倒せるような絶対的な意味を持たない。Saving Throwに成功すれば意図的に解除も可能
・Inflict Wounds系はUndeadのHPを回復できる。逆にCure Woundsをかけるとdamageを与えてしまう
・Lightning Boltは壁で反射しない
・Lightの呪文は見られない (明かりを考えなくていいToEEの仕様か?)

◇Turn Undead

信仰によってはUndeadを支配下に置くRrebuke Undeadが可能。これによって支配下に入ったUndeadは死なない限り永久に従う。damageはInflict Woundsで回復可。


[感想]

まず、欠陥建築の基礎の上に不合理な建て増しが続けられ肥大しきったruleが整理されたのは大きい。特にようやく解決されたLv制限/multi class周りは長期のcampaignが前提となるcomputerでやる際には福音といってもいいぐらいだ。

それにしても経験値の獲得に典型的に表れているが、あくまでも戦術戦闘が中心にあるgameという印象を受けた。TRPG、すなわち卓を挟んでの会話を楽しみながら役割を演技するより、戦闘用にcharacterを構築し、dungeon攻略と戦闘を繰り返して経験値/itemを稼ぎ、さらに戦闘用にcharacterを強化するといったCRPGがやっていること(classic D&D的といってもいい)を中心に据えたcomputer RPG向きなgameになっている。

これを実際にTRPGとしてやりたいか?と言われたら。まず遠慮しておくというのが感想。膨大なruleという障害を超えてわざわざRPGで複雑怪奇な戦術戦闘なんかやりたいとは思わない。TRPGをやるなら、やりたいのは会話/機知/戦略/振る舞いといった全人的なroleplayであって膨大なruleに囲まれた戦術戦闘ではない。

昔から思っていたが、D&Dは世界でもっともPopularだとか、代表的TRPGだとか言う割りにあまりに偏向したmaniacな物であるということ。少なくとも一般に広く遊ばれるような物では無いと思う。


[Link]

d20 system Reference Document

TRPG博物館 第一回 D&D(R)

M’s RPG Page – 詳細な解説/比較/研究 3rd Edition,3eと3.5eの違い

ダンジョンズ&ドラゴンズへの道 – 3.0e時の変化

ホビージャパン D&D公式ルールブック


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