SAND STORM

朝ぼらけ

2015年1月21日

[旅行記] 小田原 参(小田原文学館) – 平成二十六年十二月

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◇西海子小路と小田原文学館

昔は金持ちの別荘が並んでいて、今もその風情が残る西海子小路(さいかちこうじ)にある小田原文学館へ向かう。

小田原市 | 西海子小路と文学館


入ってすぐの洋館は、田中光顕伯爵の別邸を改造して、小田原ゆかりの文学者の資料などを入れたものだ。戦前は、北原白秋、川崎長太郎、谷崎潤一郎、坂口安吾、北村透谷、辻潤など著名な文学者が小田原の土地を愛して創作の場にここを選んだという歴史がある。

もっとも開発規制が行なわれている訳ではないので、西海子小路含め周辺には品のある屋敷とはいえない家も多い。品格と歴史ある別荘街という特殊な景観を保つのは、隔離でもしない限り難しいだろう。

二階の展示室で、自殺した北村透谷への対応や辻潤の戯言にしばし感じ入った後、三階の応接間で陽にあたりながら、無茶な山登りの疲れを癒やす。本と時間があればここで何時間でも過ごしていたい、そんな気分にさせられる。

北村透谷辻潤 | 青空文庫
辻潤の餓死

名残惜しいが洋館を出て奥の白秋童謡館(公式)へと抜ける。

童謡館も同じ田中光顕の別邸だが、こちらは和風で、中は白秋の童謡を中心に改造してある。

「からたちの花」

からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。

からたちのとげはいたいよ。
青い青い針のとげだよ。

からたちは畑の垣根よ。
いつもいつもとほる道だよ。
 
からたちも秋はみのるよ。
まろいまろい金のたまだよ。
 
からたちのそばで泣いたよ。
みんなみんなやさしかつたよ。
 
からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。

白秋は「ペチカ」や「あめふり」など誰もが聞いたことのある童謡を作詞しているが、そもそも言語感覚が違うのだろう。まっすぐ過ぎて真似はできない。

◇夕食

もっと文学館周りでゆっくりしたかったのだが、時間がないので自転車を返すことを優先する。

夕飯ぐらいは食べてから横浜へ行こうと駅周辺を歩いたが、これといった店がなかったり、あっても夕方前でまだ営業していない(だから17時も回らずに返却させるのは駄目なのだ)。仕方ないので、駅から数百米離れている青物町商店街まで抜けて、鳥かつ楼で小田原丼を食べた。

鯵(アジ)のタタキにワカメ、かいわれ大根、山芋、梅などをぶっかけた丼本体は一見地元の食材を無理に組み合わせたようにも見えるが、タレの効いた鯵自体は鮪(マグロ)などと違って油っこくなく、そこに山芋・ワカメのどろっとした感じが絡み、梅とかいわれがさっぱりした感じを出している。あさりの味噌汁と茶碗蒸し、saladも丼に合っており、名物としてたまに食べるには、特徴があってかなりいいものと感じた。少なくとも名古屋で食べた三千円するひつまぶしより良い。

ちなみに小田原丼というのは、明確な型が決まっている訳ではなく、鯵(アジ)を使った丼ものの料理を各店が漆塗りの椀で出すというもののようだ。元々この店が始めたのが最初で、昼は通常の小田原丼(千円)を、夕方からは千八百円で小田原丼プレミアム(この名前はどうかと思うが・・・)を出している。

小田原、丼対決 / 考証 紅蜻蛉団

◇教訓

小田原での最大の教訓は、「自転車貸出所の爺さんが適当なことをフカしまくるから気をつけろ」、これに尽きる。後は、西尾でも思ったが、自転車があると想定外に色んな所に行けてしまうため、時間が足りなくなるということだなぁ。


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