SAND STORM

朝ぼらけ

2015年6月5日

[旅行記] 東京(上野 他) – 平成二十五年十二月

Filed under: 未分類 — Tags: — sajin @ 02:44

◇上野

上野は地方から上京したら、まず着く駅という印象だったのだが、それは東北方面からの話で西の方からは関係なかった。

隣にある公園はかなり広く、動物園やら美術館やらと繋がっていて、まさに憩いの広場だ。東京で土が露出した場所が多く、猥雑さがないのは珍しいので休むのにいい。

ぶらっと一周すると年末で美術館の類は閉まっていた。公園の外れで休んでいると鴉がうろついたり、何か漁ったり、柵に飛び乗ってみたりと利口に振舞っている。首都では獣もこれほど利口になるものだ。

アメ横は馴れないせいもあるが使い辛い感じだった。昔ながらの魚や乾物、軍物はわかるのだが、今風の服屋・靴屋が多い。また屋台風中華料理の店舗やらTurkのケバブ屋など歴史のなさそうな外人の店も多い。

その後何度か行ったが、建物の中の方まで探索すると昔の市場の勢いが残る面白い場所である。特に服飾系は特色があっていい。

◇秋葉原

秋葉原にはこの時初めて来たが、それまで「秋葉原に行く必要性」なるものをまったく感じたことがなかった。

昼に一度、夜に一度通して見たが、外国人がやたらと多く、電気街なのか観光街なのかオタク街なのか、何やらよくわからん場所になっていて、一体性がない。余力があれば色々見ておくかと思ったが、凄く疲れる街だ。

◇中野ブロードウェイ

滝山城に行くついでに見ておくかと中野ブロードウェイに寄る。

複層のarcadeで一階だけは通り道になっているので人通りが多い。元旦なので上の方の階はどこもしまっている

そんな中、台車で有名な中野TRFは相変わらず格闘gameに励んでいる。格闘gameはちょっとやるという訳にはいかないし、この時は他に目的があったので見物だけして去った。

◇Edvard Munch

帰宅する日、時間に余裕があったので上野の西洋美術館を訪ねるとClaude Monet(モネ)とEdvard Munch(ムンク)の版画展をやっていた。迷わずMunchの方に入る。

Munchは叫びだけがやたらと取り上げられて、陰鬱な絵描きとの印象だったが、そんな狭いものではなかった。特に朝日を全身に浴びて立つ男の絵が印象的だ。生の力に輝いている。Munchは生者の死を描くのと同じぐらい生者の生を強烈に描いていた。

“オメガは毛皮のすり切れたハイエナの詩人に出会った。その愛の言葉は陳腐で、オメガの心には触れないがオメガはその柔らかく小さな手で月桂冠を織り、その小さな優しい作り物をハイエナのしかめ面した顔に近づけオメガはハイエナに冠を与えた”

『Alpha and Omega(アルファとオメガ)』

関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~ エドヴァルド・ムンク版画展 【国立西洋美術館】

Munchの絵で面白いのは隅に描かれた落書きのようなものだ。Madonna左下の小男、夫妻右端の女、一階の冬季作業者右上の家。落書きそのものなのだが、あれほど単純な線でなんともいえない愛着のあるものになっている。全体にMunchの絵はこんな単純な線で絵というのは成り立つのか、こんなに意味をもつのかという驚きと発見を与えてくれた。

Edvard Munch – Paintings,Biography,Quotes of Edvard Munch

◇火の帰路

帰りの列車に乗っていると途中不自然な場所で止まる。ちょっとした交通処理か何かと思ったが、なぜかやたらと長く停車し続ける。二十分、三十分と待っても進まないので、いくらなんでも長いと思ったら、沿線で火事が起こっているという放送が流れた。山火事でも起きたかのと思ったが、ノロノロと進みだした後、消防隊員が集まっている所を見たら草むらを焼いた程度のボヤであった。山が派手に燃えている脇をすり抜けるのかと想像したがなんということはない。

◇豊潤な血

東京で感じるのは、日本でここだけが血が余っているということだ。大阪・名古屋といった都市圏も他にあることはあるが、根本的に異なっている。東京は嘗ての上海租界の様な一種の外国、異界といった方がしっくりくる。日本全国どこもかしこも似たような無価値で枯れた場になっていく中で、東京だけが狂い咲いている、そんな所か。血の余りと狂い咲きが、国外からも多くの人を呼び寄せる。自分がいた年末年始の都内は制度は日本だが、何人の場なのかわからないそんな空間になっていた。


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