SAND STORM

朝ぼらけ

2015年7月7日

[旅行記] 久留里 – 平成二十七年六月

Filed under: 未分類 — Tags: — sajin @ 16:09

地方路線の久留里線で久留里駅に到着する。途中、乗り換えで千葉駅構内を通ると内部を大改装中だった。

田舎の駅はほとんどそうだが、coin lockerがない。歩いて登城するので荷物を置かないととても移動できないため近くを探すと、浄土宗の寺院正源寺があった。ここを訪ねて荷物を置かせてもらえないかと頼んだ所、快く置かせてもらった。

ここはこれから登る久留里城の主要城主であった里見氏と縁が深い寺で、古い時代から新しいものまで、可愛げのある石像が多い。

間違えて道を下り小櫃川を渡りかけたが、数少ないgraffitiが土地にあっていた。

昔はそれなりに栄えていたのであろうという跡をちらほら見ながら城に向かって歩いて行くと、所々に銘水が湧いていて誰でも自由に飲むことができるよう整えてある。歩きだと水に困らないというのはそれだけで有り難いものだ。ここの水は毒気がなくmineralなどが豊富な透明感のある味がする。

近くに見える山は久留里城の一番古い部分で、里見氏の前の武田氏がここに築いたという。中腹に真勝寺があり、ここに降りる予定だったのだが・・・

しばらく川沿いの道を歩くとこの銘水に着く。一休みして左の集落に折れるとすぐ城への登城看板があった。ここは二の丸が資料館として整備されているため、山上まで道路が通っており、山を隧道で穿って駐車場を設けている(Google Map)。その隧道の手前に本来の山に登る古道があり、直感的にそちらを登ることにした。

雰囲気のある山道を登るとすぐ神明社に着いた。いつも通り願をかけてから裏手を上がると、左が古城、右が久留里城である。右へ行くと、すぐに削平された広い曲輪がいくつも現れ、湿気った火薬庫を抜けると、

左に車道を見下ろす尾根上の道に出る。ここは見晴らしもよく気持ちいい。やはりこちらを登って正解だった。下に見える平地も城の外郭で、大手門古戦場が臨める。右端の山際の道が来た道で、その上が駅である。

登りきると資料館があり、ここは里見氏や江戸時代の藩主黒田氏の武具や文書を展示していて、状態はかなり良い。それだけでなく民俗資料も充実しており、特にこの地で生まれた上総掘りという少人数で井戸を掘る画期的な工法の説明には感心した。通常想像する井戸掘りとは違い、特殊な器具で狭い穴を開けて水を吹き出させるという工法なのだ。

上総堀り~伝統的井戸掘り工法 1/4

資料館から更に奥に行くと本丸には擬似天守閣が建てられている。偽物ではあるのだが、山城の跡に興味などない大半の一般人は、こういうわかりやすいものがないと失望させてしまう。それにしても、資料館・本丸ともに結構人が来ており、平日にも関わらず何組もここまで来ていた。

この本丸から裏が山城好きには熱い場所である。本丸を削平しきらずに残した土塁状の場所に上がると、丹生廟碑があり、そこからどんどん山城の構築が現れる。この城の特徴はほぼ全面が著しい急斜面に囲まれていることで、崖に近いほどの斜面がここまで取り巻いている城はそうない。加えて、本丸周辺だけでなく、同じ山系の支尾根をことごとく開発し尽くしている。駅に近い古城はその末端の一部で、他もすべて城砦化してある。

急斜面を堪能して一旦資料館に帰り休んでいると、おばちゃんに話しかけられ、遠方から来た山城好きということで館員の詳しい人に説明してもらった。規模の大きさから言って関東有数でまだ調査しきれていないこと、細かな発掘・調査などによる伝承との整合性、その他諸々・・・

一度神明社まで下って、古城部分に挑む。こちらは綱が張ってあって全く整備されていない訳ではないが、基本的に山のため、所どころ苦労しながら進む。しかし、ちゃんと方角を確認しながら進まなかったせいで、真勝寺でなく関係ない谷に出てしまった。末端まで城跡があるのが災いした。

登る時も茸の多い山だと思っていたが、基本的に雨の多い場所で、敵が攻めてきた時に霧に覆われて姿が見えなくなり、引き返していったという伝承もあるという。

仕方なくとぼとぼ歩いて帰るが、その御蔭で久留里の旧市街を見ることになる。歩いていて目立つのはやはり上総掘りで掘った井戸だ。本当にそこかしこから水が湧いている。

1~2km歩いて浄源寺まで帰り、置いていた荷物を拾って、住職に礼を言って駅へ向かう。

地方路線は一時間に一本あるかないかなので、次の便まで駅前の喜楽飯店というのに入って食事することにした。店はやたら奥の方にあるのだが、店内はまさに「昭和」。中華その他といった感じの品揃えで、拉麺や餃子を食べながら店員と話をしていると小学生の娘が帰って遊んでいる。


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