SAND STORM

朝ぼらけ

2016年4月8日

[旅行記] 群馬 伍 (木部) – 平成二十七年十二月

Filed under: 未分類 — Tags: , — sajin @ 20:33

倉賀野から烏川を渡り木部へ向かう。遠くには山名城が見える。

田園地帯を抜けて上越新幹線の下をくぐると墓が見えた。かつて木部氏の館と城であった曹洞宗心洞寺の墓地である。

◇心洞寺

寺の山門の左右は土塁になっているが、これは嘗ての城館のそれがそのまま残ったもので、畑の部分は昔は堀だったのだろう。

寺内には木部氏夫妻の墓がある。木部氏は源範頼から派生した吉見氏が能登に移って、その能登からさらに石見に分派したものがこちらに来たらしい(石見吉見氏の出自その2)。戦国時代の当主木部範虎は武田信玄の上野進出に対抗して闘い続けた長野業政の四女を娶っており、範虎は武田方に寝返って家を存続させたため、その妻が榛名湖で入水した哀しい伝承がある。今も遠い榛名湖畔には木部神社(御沼龗[オカミ]神社)が建っている。

木部館 ~ 木部姫龍伝説 | 武蔵の五遁、あっちへこっちへ – 木部城の縄張り、館と北城の位置がわかる地図。

東京新聞:悲劇の身投げ…諸説今に 榛名湖(群馬県高崎市):おそろし 謎めき 北関東の怪談・奇譚

木部町に代々伝わる鞍 ( 群馬県 ) – 南八幡地域の歴史、史跡、行事等を紹介しています

群馬県榛名湖の龗神社 おかみ神社 | 関東以北の龗神社

上毛の史跡 木部神社(高崎市)

木部氏だけでなく、脇にはこの地に残ったかつての家臣須川家が供に墓を並べていた。その地で土地の名前を名字にするような領主一族は大概戦乱に巻き込まれたり、時代が替わる際に責任を取らされてその地から消える場合が多いが、家臣の一族は直接責任を取らされる訳ではないので帰農してそのまま住み続けていることが多い。ここもその一つという訳だ。

墓を離れて寺内を見て回る。曹洞宗の寺は昔の支那(China)の禅寺の様式をそのまま引き継いでいるためか、一般的な仏教寺院の印象と異なる彩色された立派な山門や籠を備えることが多い。

寺の内部も墓地化されていて、最近はこういった丸く磨いた珍妙な墓が流行っているようだ。

と、見物していると突如鶏が数羽現れた。

赤褐色の羽をした鶏で(Rhode Island Redか?)、特にこちらを恐れる様子もなく、自分の服をつついたり、無視して墓をうろつきまわったりするので自分もついていく。最後は土手の方に行ってしまったのでそれを見物していた。最近猫のいる駅が流行りだが、鶏のうろつく寺というのも面白いのではないだろうか。癒される。

ひとしきり鶏と戯れたので、帰りながら周囲の寺町をふらついていると、寺の中にあったのと同じ「三千萬靈」の字が刻まれた石塔があった。昔は寺領はもっと広く周囲一帯に広がっていただろうから、関連するものが色々あっても不思議はない。

◇帰路

木部から烏川の南側を北西に向って帰っていく。木部の西隣は山名(Google Map)といって室町時代の守護として有名な山名氏が発祥した場所だ。目の前の山塊は幾つもの山城と、その合間に上野三碑が建っている。

上野三碑の内、多胡碑だけは山塊の南にあるものの、山上碑・金井沢碑はそれぞれ山名城、根小屋城の近くに建っており、何もないように見えて山を登ればまず何かあるという場所である。

山城の配置は北から順番に


乗附城(寺尾上城)
本見城(寺尾中城)
茶臼山城(鷹ノ巣城)
根古屋城(新城)
山名城(寺尾下城、前城、下城)

となっており、南北朝から戦国時代にかけて南朝(新田氏)・山名氏・武田氏などが次々開発したため、この山系には寺尾五城と呼ばれる城砦群が分布している。ここらは根古屋城の下辺りになる。

根小屋城:船山史家の呟きⅡ寺尾五城の位置関係
寺尾中城 寺尾上城(乗附城) 茶臼山城(鷹ノ巣城) 余湖
高崎城 根小屋城 山名城 倉賀野城 余湖

その山塊の北側の田園地帯にポンと建つ高崎商業大学は上信電鉄という高崎から下仁田までで行き止まりという生き残っているのが不思議な私鉄が最寄りの鉄道だ。恐らくこの大学が誘致されたおかげで存続できたのだと思うが、今は世界遺産となった富岡製糸場に加え、先ほどの上野三碑の記憶遺産化まで進めていて乗客は存外多い。

途中、いい風情の神社があるので寄って碑文を読んだ所、開拓を記念して建立されたもののようだ。

さらに進むと根小屋駅へ出る。田舎の無人駅にしか見えないが、制服を来た女性の駅員がいて案内などをしてくれる。これは上信電鉄の他の駅でもそうだった。

その駅前の「根小屋マート」という奇妙な張り紙のある店?は営業中には見えない。車社会化が酷い群馬では駅前は流行らないのだろう。

駅前は寂れていたが、途中見かけたみそまんが名物の和菓子屋あづきやで色々買って帰る。みそまんは無論のこと他も安くて美味い。案外こういう所が美味しいものだ。

「あづきや茶房」 和カフェでまったりしませんか?/(寺尾町) – 高崎のニュースサイト 高崎新聞


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