SAND STORM

朝ぼらけ

2016年8月25日

投資日記 2016/08

Filed under: 未分類 — Tags: — sajin @ 09:30

◇株式市場=格闘game

結局、投機はFighting game(格ゲー)に例えるのが一番適切だと思う。
市場は適当に値動きしてるものではなく、誰かから買う、すなわち誰かに売りつけられるか、誰かに売りつけるかであって、あくまで対人の対戦gameである。
個別の株なり何なりを扱うということは、特定のcharacter(キャラクター)を使いこなすに等しい。その株の属する分野や持つ題材は波動昇竜系のcommmand入力で技を出すのか、Zangiefの様な回転投げ技か、溜め技か系といった具合で、使う上での前提がかなり異なる。もっとも、覚えれば同系のcharacterであれば共通する部分は多い。そして市場が違えば、game自体が大きく異なる。異なるgameに習熟するには、他のgameで才能が証明された人であっても、それなりの時間が必要となるだろう。

素人の発想では「同じ人間が相手なんだから、百円入れて席座ってレバガチャしてりゃ半々の確率で勝てるんでしょ?」ぐらいの感覚で始めてしまいがちだが、死ぬほどそのgameをやり込み続けている連中のなかに分け入って勝率五割以上を確保するのにどれだけの時間と修行が必要か。技術、度胸、読み、心理戦、自己制御、どうやって有利なcharacterを選ぶか、そのgameにおける有利さとは、systemの裏の裏まで調べあげた相手に太刀打ちできるか?本当にそれら全部が乗っかってくる。高い確率で勝つのは、間違いなく、己を高め、全てを調べあげ、自己自身を御するplayerだ。

理屈はいい。もう六年に渡って西日暮里バーサスでSuper Street Fighter IIX(スパ2X)といういわゆるスト2の最終版の対戦動画が実況付きで制作され続けている。毎週それを見るんだ。


◇欲望と幻想の市場

今でもはっきりと、来る日も来る日も綿花を買い増していったのを覚えている。なぜ買い続けたかというと、とにかく相場を下げさせないためだった。相場のカモ以外の何ものでもない。

理由は何であれ人はいつでも愚かな行動を取る可能性があるということを学んだのは貴重だった。いかにも明晰そうな魅力ある人物の言動に左右されるのはトレーダーにとっては大変危険だ。
p.170

人間には本能的装置として愚かさが備わっている。幾つも、多種多様な愚かさの種がだ。この生物的本能と社会的常識が相場にあまりに多くの場合反するため、素人が相場に入ると大損をし続ける。

すると残る手段はただ一つーーー相場で儲けるしかなかった。

なんと愚かなことだろうか。平均的なブローカーで取引する凡庸な顧客を考えてみるがいい。相場で儲けて借金にかたをつけようという望みを抱いている顧客ほど、体のいいカモはいまい。そんな望みにしがみついていると、結局、すべてを失う羽目になるだけだ。p.171

相場からの儲けで何かを買おうという魂胆をもって損した例は枚挙に暇がない。こうした失敗は積もり積もって大病院を一つ建てられるぐらいの金額に達するだろう。相場が自分の思い通りになると思うのは、すべての不運の種である。
なぜか。
もし緊急の資金を捻出するために相場で儲けようとも思ったら人はどうするだろうか。ただ願うのみだ。そして賭けに出る。それは冷静に状況を判断した結果の投機よりははるかにリスクが大きいということを意味する。まず、彼はすぐに儲けを手にしたいと考えている。すると待つことができなくなる。相場はすぐにでも思い通りに推移してくれなければ困る。彼は多くは望まないと自分に言い聞かせる。とにかく必要な額だけができるだけ早く儲かればいい。僅か2pointの利益を上げればいいのだから、損切りも2pointにしておけばいいーーーこうして勝率は五分五分だとの誤解に囚われるのだ。pp.173-174

Jesse Lauriston Livermore(ジェシー・リバモア)の伝記『欲望と幻想の市場』は第一次大戦前の合百という原始的な、しかし本質的な取引所の時代から描かれるので今日の電子化されて相手が見えなくなった取引より遥かに物事がよくわかる。

相場では自分の判断力を信じないかぎり大した進歩は期待できない。これがおれが学んだことだーーー相場全般の状況を研究し、positionを取ったらむやみに動かないこと。おれはいらいらすることなく辛抱できる。おれは相場が予想と違う動きを見せても動揺しない。それが一時的なものだとわかっているからだ。

悟るのに時間がかかったのは、過ちは犯して初めてわかるからであり、過ちを犯してからも、それに気づくまでまたいくらかの時間が過ぎてしまうからだ。そして気づいてからはっきりと認識するまでにも・・・p.74


◇一般大衆

「一般大衆は、自分の力を素人の観点から判断する。ひとりよがりで自己に都合のよい考え方が前面に出てくるから、思考が深まることはない。プロであれば、他の条件さえ整えば利益は自ずともたらされると知っているから、儲けることよりも正しくあることに気を配るのである。」Jesse Lauriston Livermore(ジェシー・リバモア)『欲望と幻想の市場』p.151

仮に損を出しても、それが最速で損切りして最小限に留めたのであれば勝ちである。たとえ利益が出ても、誤った思惑に取り憑かれた挙句、運でそうなったなら敗北でしかない。

◇他人から仕事を請け負う

positionを取るのに、どうしても過大になる癖が抜けない。損をすればするほど痛みと反省で良い意味で臆病に、適切な大きさに近づいていくが、そんなやり方では資金が数十分の一になってしまう。深層心理の解析も重要だが、実際問題として深層心理を構築している所の現実環境、ましてや過去を変更するのは至難を極めるので、認知や取り組みの姿勢そのものの単純な変更が必要だ。

「自分の金」を使って「儲ける」ためにpositionを取るのでなく、他人から仕事を請け負って最善を遂行する、そうして受けた仕事を適切に成し遂げた場合にだけ報酬が出る。失敗した場合は自腹を切って損失を払わねばならない。それぐらい自分のわがままから突き放した、仕事として、positionを取るという行為は行うべきだ。

他人とは?より年を食い、健康を損ない、体も動かなくなり、頭も鈍り、資金を失い、働き口もなくなって潰しがきかなくなった将来の自分である。

◇矢口新『生き残りのディーリング』34章「リスク管理」

矢口新『生き残りのディーリング』34章「リスク管理」に重要な教えがある。
1.損の限度枠を設ける:一日の、一週間の、一ヶ月の最大損失限度を設け、それに達したら取引不能にする。
2.Netを制限する:これは売建と買建を差し引きした額を制限する。例えば現物での買い100万円と空売り90万円であれば差し引きで10万円のnet。相場が一方に触れても売り買いで損失が相殺される場合のみ。
3.Gross(総量)を制限する:売りだろうと買いだろうと、取っているposition額をすべて合計して制限する。

上は証券会社側がdealerに課すrisk制限での管理だが、もっと重要なのは自分自身のriskを管理する際、「皮算用の儲け」を考えてposition量を決めるのではなく、「生まれうる損失」を考えてpositionの量を取ることだ。

損切り基準を近くに定められる時(例えば逆に行って直近の支持線を抜けたら即売り)はpositionを大きくとっても良いが、損切り基準を広く定めざるを得ない場合は、損失発生額が大きくなりえる所から逆算してpositionの量を減らす。自分の思惑と相場が逆に流れた際に、素人が一番やってしまいやすいことが事前の思惑(かならず上がる!)をいつまでも重要視して、「安くなった」とナンピンを繰り返すことだが、これは損失管理を考えればありえない手口である。なぜなら損失を増しながらpositionを拡大しているからだ。

生き残りのディーリング』は、これから証券で働く本職向けに書かれたわかりやすい教科書で、
・売りと買いを差別していない
・損切りなどがなぜ大切かが本職の経験と論理から裏付けられる
・機関で大きなpositionを動している本職の考えや行動がわかる
という点から読まないと死ぬ本の一つだろう。

◇ebookjapanがYahooに買い取られてSoftbankの電子書籍部門に

ヤフー、イーブックへのTOBの条件変更 価格1150円に引き上げ  :日本経済新聞

ebookjapanには、長谷川哲也の『神幻暗夜行』とか、ここでしか売ってないものがあるからaccountだけは持ってるもののほとんど使ってなかったが、Yahoo=SoftbankがTOB(Take-Over bid:株式公開買い付け)を仕掛けて、価格を上げてまでクックパッドから株を買いとることにしたので、Softbank groupの電子書籍部門としてこれから機能するのが確実になっている。

Softbankはそもそも『Oh!PC』や『Beep』など書籍(特に雑誌)事業の経験が長いから、今まで電子書籍店舗を持っていなかったこと自体が意外かもしれない。

SBクリエイティブ@Wikipedia


◇屋外探索型AR gameは現れない?

アングル:ポケGO「二匹目のどじょう」は厳しいゲーム各社 | ロイター

街を歩いているとZombieに襲われるだとか、屋外で冒険者を探したり敵と出会って闘うJRPGだとか、美少女恋愛物だとか、ポケモンGO!と似たようなAR gameはすぐ出てくるものだと思っていたが、そうではないらしい。

PokemonGo!の肝は地図の利用と管理で、これが他社には簡単に真似できない(NiantecのCEOはGoogleEarthの開発に携わった特殊な人物)。また、実際に野外をうろつかせるだけの力があるのはPokemonだからで、似たようなものを出した所で人々は反応しないと各開発会社見ている。つまり、PokemonGo!の成功はNiantecという消費者独占型企業とPokemonという消費者独占brandの力が組み合わさって起きたものであり、他がやっても一般消費財にするのも難しい。それなら、今までどおり仮想の世界を提供すればいいだけの話、となる。

しかし、そうだろうか?地図と連動しての放浪探索型だから難しいのであって、位置利用、ARともに分けて組み合わせれば幾らでも当たりそうなものは出てくるだろう。特定の場所に行けば二次元美少女に会えることに意味はあっても、その背景が現実である必要性はないし、ARで面白いものがわざわざ特定の場所に行かねばならなかったり、彷徨を続けねばならないというものでもない。自宅や近所でできればそれで十分である。

◇消費者独占型企業

Buffettは魅力の無い企業を、「コモディティ(一般消費財)型」の企業と呼んでいる。こうした企業群が提供する製品やサービスには際立った特色がなく、消費者にとって「値段」が唯一最大の選択基準となるような事業である。 p.21

消費者独占という考え方

1938年に、Lawrence N. BloombergというJohn Hopkins大の学生が、消費者独占力を持つ企業の投資価値に関する博士論文を書いたのが始まりである。Bloombergは「企業の暖簾価値」と題する論文の中で、消費者独占型企業とコモディティ型企業の投資価値の比較を試み、こう述べた。「暖簾は消費者の心の中にあるイメージにすぎないが、消費者にとって特別に魅力的ないくつかの属性を通じて、企業とその製品への愛着心となって永続性を帯びるようになる」。暖簾は、その事業の提供する利便性や、従業員の誠実さ、迅速な配達、満足の行く商品性などに起因するだけでない。一貫した魅力的な広告・宣伝活動を通じて、消費者の心の中に、特定の企業や製品名を焼き付けることもできる。あるいはまた、機密になっている製法や特許が、そうした非常にユニークな製品を提供する力を生み出しているのかもしれない。たとえば、Coca-Colaの原液の製法特許や、MicrosoftのWindowsのOSに関する特許がそれに当たるだろう。p.36

Buffettはその企業が消費者独占企業に該当するのかどうかをテストする方法を編み出した。

1.もしその企業が株主資本をすべて配当で投資家に還元したと仮定して、後に何がしかの価値が残るだろうか。

その答えがYESなら、その企業は消費者独占力を持っている可能性が大きい。実際、Buffettはこの考え方にもとづいて、GEICOやAMERICAN EXPRESSに対する投資を決断したのだ。前者には自動車損保業界屈指の低コスト企業であるという切り札が、後者にはあのAMEX cardがあった。

2.今ここに、何十億ドルもの資金と、これはと思う50人からなる経営チームを集める力があるとする。その力を利用すれば、その企業に太刀打ちできるような新会社を作り上げることが可能だろうか?

答えがはっきりNOと出れば、その企業は強い消費者独占力で守られていると考えていいのではなかろうか。Coca-Colaや髭剃りのGillette(ジレット)に大規模な投資を行うことを決めたのも、このような考えにもとづいている。p.37

企業が消費者独占力を持っているかどうかを見極める本当のテストは、競争相手が利益を度外視して戦いを挑んだ時に、その企業をどの程度傷めつけることができるかで判断する。p.38

バフェットが投資するのはこうした企業の株価が、市場の短期的指向によって大きく下落した時なのである。p.36

The Buffettology Workbook(億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術)』 日本経済新聞社

◇バフェットの長期銘柄選択術

資産運用の世界に足を踏み入れて比較的早い時期に、バフェットが気づいたことがある。それはインターネットを使うデイトレーダーであれ、何十億ドルもの資金を預かる投資信託のマネージャーであれ、株式投資家の95%はただただ一夜にして大儲けすることしか頭にないということだ。口先では長期投資の重要性を強調する人たちも、実際の行動を見れば目先の利益追求に終止していることがわかる。 p.13

 投資家の知的レベルがどんなに高くても、こと株式投資になると話は別だ。そこは動物的本能が支配する世界だ p.14

「悪材料で売る」。この悪材料現象こそ、変転極まりない株式市場の、唯一普遍的な特性といっていい。 p.15

近視眼の市場がいかに株価を低迷させようとも、必ずやそのぬかるみから力強く回復するだけの経済エンジンを備えた、少数の企業がある p.15

狙った企業の営む事業が健全であるだけでは十分でない。高収益を上げる能力を秘めていなくてはならない。p.17

The Buffettology Workbook(億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術)』 日本経済新聞社

◇楽天

最近楽天がauctionとrentalを止めることを発表したが、この原因は、三木谷がAmazonに対抗しようと社内英語公用化だのと喚き立てて、後発なのに価値のないhardware込みの電子書籍を始めたり、e-Commerceを大々的に欧州で展開して大失敗したのが原因だ。おまけに国内でも楽天の本業である楽天市場にSoftbankが本格対抗しているので、馬鹿げたIT bubbleごっこをしていられなくなり、既存serviceの整理見直しを行った結果、両serviceが消え去ることになった。

僅か3年で楽天がスペインから撤退を決めた理由 | ハーバービジネスオンライン

楽天が展開している商売で競合他社と比較して一番使えるのがrentalだったが、これで使いものになるserviceは
・楽天証券
・楽天トラベル
だけとなる。
比較優位があるのは証券だけで、トラベルは楽天pointの使い勝手に魅力がなければ、じゃらんなど他を使ったほうが得だから、証券以外優位性が無い。

自分は旧e-bank(イーバンク)の時から楽天銀行を使っているが、楽天のやる事業は、既に成り立っている(つまり競争が激しくなっている)分野の企業を買収して薄汚い広告を貼り付けまくってpointで客を誘い込み、惰性で使い続けさせるだけ、という欠片ほどの才能も革新も感じさせないことをわざわざ後から乗り込んでいって行うという将来性皆無の商売だけである。

三木谷氏の誤算 ヤフー、アマゾンに押されて楽天市場が不振

少なくとも革新にいち早く取り憑く才能は有している孫正義と異なり、三木谷からは革新の臭いが欠片も感じられない。Infoseekを買収して、個人home pageが一番盛んだった頃の日本のInternet contentsを消し去ったのも楽天だし、三木谷は消えた方がいい経営者の筆頭だと思う。実際楽天の株価はIT bubbleで築いた財産とアベノミクスの恩恵を受けて上がっただけで、下がる一方となっている。

◇生きていたSystemSoft(システムソフト)

国産PC game全盛時代に『大戦略』『天下統一』『Master of Monsters』などで名を馳せた、福岡のSystemSoftは当時は光栄(現コーエーテクモ)と並ぶ二大国産Strategy gameの雄で、その名の通り、軟派に流れることの多い光栄よりsimulation色の強いgame性から硬派な愛好者が多かった。しかし、Windows時代にまったく対応できず、game部門をSystemSoft Alphaとして切り離したものの、αが過去のbrandを使い回すだけのprogram的にも製品的にも終わっている商売を繰り返すだけの最悪企業であるため、まともなuserはとうの昔に見放していることは古参PC gamerにとってはよく知られている所だ。

そのSystemSoft [7527]だが、IT system屋としてだけでなく、不動産事業も行なっているため、昨今の民泊の流行でtheme化し、流行りのネタに乗っかって短期資金が流入したため、一時急騰した。仕手筋にイナゴが乗っかった形だが、当然すぐに暴落してこの有り様となっている(よくみると底は暴騰前の高値より確実に切り上がっており、長期では伸びる可能性はあるが、典型的な低位株で材料性にも乏しく横這いだろう)。

他にも海外PC gameの邦訳版で有名だったImagneer(イマジニア)[4644]、『首領蜂』のCAVE(ケイヴ)[3760]なども、LINEネタで吹いたり、smartphone向けのgameで乱高下したりしている。買いで入るにしろ、売りで入るにしろ、CAVEの様な乱高下を繰り返す株の方が、一発ネタで吹いて後は力抜けでいつ上がるかもわからない企業より遥かにいい。


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