SAND STORM

朝ぼらけ

2016年9月19日

投資日記 2016/09

Filed under: 未分類 — sajin @ 11:06

◇相場は我関せず

損を思ふ、得を思ふ、すべて己の都合なり
望めば過ち、喜べば過ち、奢ればさらに過つ
蔑めば過ち、恐るれば過ち、怒ればさらに過つ
相場はただ己の都合の集まり
誰もお前を知ることなし、想うこともなし
他の者もみな思いやられず 相場はただ我関せず すべてを集めて流れ行く
過ちはすべて己の内にあり
ただ見守り、ただ流れを受け入れ、ただ心離れて動くべし

◇Gameか?

トレードとして成功している人は、収益よりもゲーム性そのものを愛している。 – 毎週日曜日には、週末の宿題も終え、翌週の計画も仕上がっている。こうした状態で月曜日に場が開くのを待つのは悪くない。翌朝ビーチに乗り出すサーファーもこんな気分なのだろう。この感覚は、準備ができているからこそ得られるものだ。

Alexander Elder『利食いと損切りのテクニック

自分が自在に切ったり貼ったりできるように、positionを小さな軽いものにするという点では正解だが、Game化は誤っている。

実際にgameを遊ぶ時、そこには「実際の現実の地位に響かない」という大前提がある。gameの中で、人は実生活でできない様々なことをやって不満を発散している。だから、game的な扱いをすると、それは必ず甘えを生み、無茶をしたり、隙となって現れる。そしてその隙は、規律の無視として重大な結果を招く。

と、考えていたのだが、色々な本を読み、判断基準を学び、その適用を試していく中で考えが変わった。

「ああ、わかった。責任を負った上で、Gameとして捉えなきゃ駄目なんだ。」

Gameとして上手く振る舞えるように、仕組みを調べて構築したり、手法を学んでは何度も試したり、positionを小さくして破綻しないよう管理したり、そういうことをしていけば上手くいく。少ない経験の中で思い入れたっぷりにやっても上手くいくはずがない。

◇過熱化するせどり

メルカリアカウントが停止しました・・・ | ネットで副業!せどり知識0の漫画家アシが月収5万を目指す! – 子どもが2人おりますねん。

個人せどり業者が、Mercari(メルカリ)と闘っていて面白いなぁと思った。

「せどり(Wikipedia)」は、同じ商品が市場間で違う値付けをされているのに着目して右から左へ物を買っては流して差益を取る裁定取引と同じで、Amazonやヤフオクを中心に以前から盛んだが、Mercari(メルカリ)など新しい市場が出現したことで、一層加熱化している。こうやって手口自体を広く販売するようだと、すでにRed Oceanと化しており、始めても苦労ばかり多くて儲けは少ないのだろう。

裁定取引(アービトラージ)とは、同一の価値を持つ商品の一時的な価格差(歪み)が生じた際に、割高なほうを売り、割安なほうを買い、その後、両者の価格差が縮小した時点でそれぞれの反対売買を行うことで利益を獲得しようとする取引のこと。機関投資家などが、リスクを低くしながら利ざやを稼ぐ際に利用する手法です。

裁定取引/アービトラージ│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券

元々、商売そのものが広義の裁定取引で、生産地の近くでは有り余って安いものを、消費地に届けて売ることで差額を稼ぐのが基本だ。現物の厄介さや輸送などにかかる経費が下がっていった究極の状態が金融における裁定取引で、嘗ては証券会社などの本職traderが頻繁にこれを行って利鞘を稼いでいたが、今では機械がすべてその差を見出して、超高速で取引をするために人間はとうの昔に排除されてしまっている。せどりも既にそうなっているのではないだろうか?Amazonで物品を見つけて、評価などと組み合わせて判定し、mercariで自動的に売るsystemぐらいあって当然だろう。

急成長「メルカリ」人気の理由と“落とし穴” : 深読みチャンネル : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

◇「規律」は敵か友か

人は実社会において抑圧されている。
つきあいたい相手を選んだり、思い通りに振る舞ったり、好きな時にしたり、好きなだけ金をかけたりすることは許されない。そうしないと現実の自分の地位を保っていけない。だから人はいつも我慢をしている。子供の頃からずっとそれは続いていて、もうはっきりとした記憶になくても、心の奥はしっかりとそれを覚えている。

人は相場というすべてが自己責任の自由な場に入り込んだ時、そうして抑圧されてきた自分を解放し、普段できないことを自由に表現しようとする。

「規律」は自由な振る舞いを、自由な表現を邪魔する。積極的に君の地位を落とそうとしてくる敵ではないが、少なくともいやな奴である。いやな奴とは誰もつきあいたくない。できれば遠ざけておきたい。

そんないやな「規律」を定めずに、その場その時の裁量で自由に振る舞う理由(言い訳)が見つかれば、人は簡単にそちらを選んでしまう。しかし、「自由」、即ち自らに由れば、その結果起きたことの被害も責任もすべてが直接自分に降り掛かってくる。自分以外はほとんど敵といってもいい相場の中でそうして自由に振る舞えば、自分がいかに限界に満ちているか、いかに誤っているか、何度も何度も間違いを塗り重ねながら知らざるを得ない。すべてを知ることも、つねに正しく振る舞うことも、人にはできはしない。

そのような中で、本当は「規律」は、嫌な奴でも、敵でもなく、君の地位が落ちたり、破滅したりするのを引き止めてくれるたった一人の友なのである。規律だけが限界に満ちた君を過ちから救ってくれる。落ち込み、狼狽し、身体の調子に苛まれ、目の前のことに心を取られてしまう君をいつも規律が、彼だけが助けてくれる。間違いを冒している最中に、君自身がそれを止めることはできない。自分で自分は救えない。

規律に頼っていい。規律だけが、いつも自分を見失う君を助けてくれる。彼だけが「もうこれ以上は駄目だ」と、「次の機会を生かすんだ」と、「その時のためにとっておくんだ、すべてを失うことはない」と、本当の忠告をしてくれる。規律と一体になったら、その時、初めて彼に頼るのをやめればいい。この友を、規律を受け入れやすいものにするために、この友を一番優れた者にすることに心血を注ぐべきである。落ち着いてできるのはそれだけなのだ。

◇カモの段階

初心者は何も知らない。そのことは本人も周りも承知している。しかし少し相場をかじった程度の者、第二レベルのカモは、自分は相場をよくわかっていると過信し、周りにもそう思わせる。そうした者は、経験を積んだカモ、とでも言えようか。経験といっても、決して相場そのものではなく、より熟練したカモの相場についての戯言を学習しただけなのだけれども。このレベルのカモは、初心者なら打ち負かされる局面を切り抜ける術ぐらいは多少わかっている。ブローカーにとっては、むしろこうした連中が、まったくの初心者よりも格好のカモなのだ。ウォール街では、初心者は平均して一シーズン、約三週間から三十週間相場に参加するが、第二レベルのカモの場合は約三年半は持ちこたえるからだ。こうした連中がよく有名な相場の格言やゲームの法則を引用するのだった。彼らは老練の相場師の口から発せられる、べからずの金言はすべて知悉しているーー庭訓第一条「カモになることなかれ」というのを知らないだけだ。

この第二レベルのカモは、自分は下落局面で買うのを好むゆえに分別がある、と信じる類の人物なのだ。だから、相場の下落を待つ。また天井より何ポイント下がったかを売りの判断の基準にする。強気相場では、相場の法則や過去の例について全く無知なカモは、ただ単に願望に従ってやみくもに買いに出る。そういうカモでも儲けは出すけれども、その儲けも起こるべくして起こる反落でひとたまりもなく失われるまでのことだ。しかし用心深い第二レベルのカモは、自分が賢明に取引していると思っていた時ーーその実、他人の賢明さに依存していた時ーーに同様の行動を取る。

欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア』 p.67

自分も二段階目のカモぐらいにはなったらしい。後二年半もつなら十分だ。

◇Amazon Kindleとhontoの電子書籍の価格差

欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア』 は、よく見るとAmazonのKindle版(2138円)より、hontoの電子書籍の方が半額(1069円)で安い。出版社で異なるのだろうかと思ったら、そんなこともなく、本ごとに違うらしい。大半はKindleの方が安いので、なぜhontoが安いのかはよくわからない。hontoの場合、恒常的にやっている電子書籍20%引き(年末年始などは最大50%引き)のcouponが前提となるし、読割50%という、紙の本を買った記録があると電子書籍版が50%で買えるとかsystemが色々あるので、どちらが得なのかはよくわからないこともある。

◇FX

FXで破産し易いのは、

    一に僅かな証拠金を元に何倍、何十倍ものleverage(リーバレッジ)をかけて取引することから生まれる危険性
    二に日夜違わず為替変動が続くために、他の株式市場の様に強制的に休憩が入ることがない

という二点が、投機家の精神を壊乱させ、負けが込むほど加速度的に破滅へと追いやるからだ。

投機は、失敗→自分の戦略・system・精神を改める→再挑戦→失敗という絶えざる学びと修正を通してしか上手く行くことはない。FXでは、相場が休むことがないため「自分の戦略・system・精神を改める」ことが効率的に行えない。

また、誰かが得るには誰かが失わねばならないZero-sum gameであること、通貨という政治から経済全体すべてが関わってくる関連性の多さも不利に働く。

◇Binary Option(バイナリーオプション)

Binary Option(バイナリーオプション)が流行りらしい。これは、数分後に通貨が安くなるか高くなるかを上か下かで張って、当てれば賭金+報酬がもらえるが、外れれば賭金すべてを失うという非常に賭博性の高い取引だ。

報酬率はザッと見たところ、上下を賭けるHigh&Lowで1.6-1.8倍(もっと不利で危険性の高いgameだと2.0-4.0倍)という所らしい。FX(外国為替証拠金取引)というのは、完全に相手から奪うことが基本となるZero-sum game(ゼロサムゲーム)の闘技場だが、このBinary Optionはgameを単純化した分、明らかに手数料が高い。単純な計算が出来れば、上下1/2で張って1.8倍の報酬しか無いというのが最終的にどういう結果を招くかは想像がつくだろう。

FXではpips(Percentage in points)というのが基準だが$や€など外国通貨同士が0.0001($なら0.01cent)がpipsなのに、なぜか円のみ0.01円(1銭)と小数点が二桁上なので通常”銭”を基準に語られる。さらに売り注文と買い注文の差額をspread(スプレッド)といい、証券会社はこのspreadに手数料分を乗せてくる。一番低い手数料でも0.3銭(3厘)が取引ごとに抜かれるので、売りが100円20銭 買いが100円10銭で提示されている場合、一般人が売り注文を入れると100円09銭7厘で売られ、買い注文を入れると100円20銭3厘で買ったことになってしまう。

これを何度も往復すると、その都度売値・買値の差額と手数料で資金を削り取られていき、最終的には信用で借りたleverage(レバレッジ)の証拠金が払えなくなって追証に追い込まれるなど、心理的不安が襲いかかってほとんどの人間が破産する。

上の動画で、武井壮はtechnicalすら知らないのはもちろん、position sizingをまったく考えずに衝動だけで賭金を増やし、負けが込むと冷静さも警戒心も吹き飛んで、大きく取り戻そうと莫大な賭金をつぎ込んだ挙句、破産してしまう。Binary Optionで行われている闘争の基本はFXとまったく変わりがない。FXをやるには高度なtechnicalの知識が不可欠だが、それは単にその知識に詳しいという次元ではなく、数値変動の向こうにいる人間の動きを読んで裏をかき、その足をすくって資金を奪い取らねばならないというものだ。つまり、深い研究と高度な心理戦を同時に行わねばならないので、自己の精神・心理をどう保つかというのは決定的に重要になる。

投機における三大要素、Money(資金とその管理)、Method(手法)、Mental(精神・心理)すべてにおいて不利な一般の素人が相場に関わる際、有利になれる要素は時間だけである。一定期間内に一定の収益を出す必要がないので、自由に構えていられるのが最大の強みだ。焦って相場がつり上がっている時に仕込まず、暴落を待つなど有利な時にだけ仕掛けることができる。株なら長期保有でまた上がるのを待てばいいし、FXならその通貨をそのまま持っておいて、rateが有利になった時に換金すればいい。Binary Optionは、わざわざ時間制限の中に飛び込んで、その素人にとって有利な時間すら奪ってしまっている。そうして心理的不安を増して割の悪い賭け率で投機を行えば、秒速で一億円失っても何ら不思議ではない。

◇求めよさらば与えられん

最初の半年で資金の30%を失い、そこからダラダラと失っては資金を入れるということを繰り返した。結局、わたしは本当に求めてはいなかったのだろう。
本当に求めていれば、現実にぶつかって上手く行かなければ、自己の壁を壊し、あらゆるものを分け隔てなく学ぼうとするはずだから。
結果として、わたしは渇える様になった。本当に物事をうまくいかせる真実の知に対して。
求めたことで、次から次へそれは与えられ、ようやく肝心のものに行き着いた。

◇『エルダー博士のトレードすべきか、せざるべきか ──トレードの基礎と売買手法とリスク管理』 “To Trade or Not to Trade: A Beginner’s Guide” Alexander Elder

Dr.Alexander Elder(アレキサンダー・エルダー)の『投資苑1-3』を初心者向けにまとめ直したもの。Amazon読み放題で読める。

この本は、今までみた投機関連の本の中で初心者向けとして絶対的に優れている。単に株やFXということでなく、あらゆる賭博にも通ずる、初心者が一番に、そして絶対にわきまえねばならないことをわかりやすく語っている。市場の危険性を諭すように説きつつ、決して脅迫的でない。率直かつ簡潔に真実を述べており、これ以外のことは枝葉末節と言っていい。

・2% rule

    投資資金の2%(100万円なら2万円)を一回の取引の最大損失として設定せよ。そうすれば、その額を一単位ごとに起き得る最大損失値で割ったものが実際に賭けて良い数の最大値になる。例えば、2万円が取引ごとの最大受容損失値である場合、100円の株式で、損切りを90円に設定するなら、20000/10=2000株が取ってよい最大のpositionになる。損切をもっと遠く80円に設定するなら1000株まで、もっと近く95円にするなら4000株のpositionが取れる。競馬で考えると、1000円の馬券なら外れたら0円なので最大損失1000、20000/1000=20枚が買って良い最大枚数になる。

・合計6%損失で一定期間取引停止

    損失が合計6%に達したら、その月の取引は停止して、自分の何が間違っていたか、今どうなっているのか、何が足りないのかなどの研究に当てよ。損が連続する時は、自分の取っている戦略、感性、物の見方が今の状況と合っていないということ。だから、負けはさらなる負けを呼び、勝ちはさらなる勝ちを呼ぶ。勝てるようになるのは、状況の変化を待つか、自分を変えるしか無い。

2% ruleを守れば6%停止までに最大に張っても三回連続の失敗、1%に抑えれば6買い連続で失敗するまで取引や賭けを行うことができる。

「初心者が許容できる年間損失の水準は、最大で投資資金の10%だということが分かった。この数字を見せると、トレーダーたちはショックを受けた。彼らは、ほとんどの初心者がすぐに破綻してしまうことを忘れているのだ。多くの初心者が、一ヶ月、もしくは一週間で10%の損失を出す。もし1年間生き延びてトレードを学び、損失を10%未満に抑えることができれば、それは安い授業料であり、みんなのはるか先を行っている」
「もし時間がない、規律を持っていない、学ぶ意欲がないなどという人は、取引はやめておいたほうがいい」
「初心者は、取引を仕掛けるときに予想以上の強烈な感覚を経験する。つもり売買(仮想取引は多少退屈に感じるだろう。しかし、実際の取引になると、退屈さは微塵もない。それどころか、自分のお金が掛かっていることで心が乱れ、それが判断や決定に影響を及ぼす。取引は淡々とできるような知的活動ではない。」
「成功するには何が必要か?一言で言えば、時間とお金と熱心さが必要」
「頭が良いことは最低条件であり、それだけで成功できるわけではない。もし、頭が良い上に規律が守れるなら、それは稀れな組み合わせで、みんなよりも優位に立てる」
「株価は将来のニュースを反映しており、よほど特別なことでなければ、現在起こっていることには反応しない。今起こっていることのほとんどは、何ヶ月か前の株価にすでに織り込まれている。」
「株価とその企業の価値は長さ1マイルの輪ゴムでつながっている」

◇なぜ損失が怖いか

損失 100万円からの残金 減った資金から
元に戻すのに必要な稼ぎ
100万換算
2.0% 98万円 2.04% 2万円
3.5% 97.5万円 3.62% 2万5千円
4.0% 96万円 4.16% 4万円
5.0% 95万円 5.26% 5万円
7.0% 93万円 7.52% 7万円
8.0% 92万円 8.7% 8万円
10% 90万円 11.1% 10万円
15% 85万円 18% 15万円
20% 80万円 25% 20万円
25% 75万円 33% 25万円
30% 70万円 42.9% 30万円
40% 60万円 66.7% 40万円
50% 50万円 100% 50万円
60% 40万円 150% 60万円
70% 30万円 233.33% 70万円
75% 25万円 300% 75万円
80% 20万円 400% 80万円
85% 15万円 566.66% 85万円
90% 10万円 900% 90万円
95% 5万円 1900% 95万円
99% 1万円 9900% 99万円

一旦損失を出すと、100の投資をしているとして、4%の損失の時に切れば、96を元手に4.1%の利益を上げれば100に戻すことができるので、それほど難しくはない。しかし、20%の損失が出てから戻そうとすると、資金は80になってしまい、25%の儲けを出さないと元の100に戻すことはできない。50%の損失が出るまで待つと、200%、つまり元手を倍にする儲けを出さないと元には戻らない。80%の損が出るまで待つと、5倍の儲け、90%まで待つと、10倍儲けねばならない。失敗しても4-5%の利益を出すことなら誰でもあるだろう。しかし、資金を半分にしたり1/10にしてしまうようなtraderが倍を稼いだり、ましてや10倍稼ぐことなどある訳がない。

かように損切りというのは、早ければ早いほど効果的、遅らせれば遅らせるほど戻すのが著しく困難な状態に陥ってしまう。

個別2%と総額6%制限ruleを持っているだけで、その投機家が必要最低限のことを学ぶまでに破滅したり、資金の大半を失う恐れは激減、というより皆無になるだろう。

    #注
    2%はAlexander Elderが一つの仕掛けに対して許容可能とする全資金量比での最大損失。例えば200万の投資資金を持っていれば、どのような取引でも4万円までの損失しか許さない。これを仕掛け価格-損切価格で割れば、どれだけのpositionを取ってよいかが算出される。
    7%は短期のswing tradeで多くの著者が損切りとして推奨する基準。
    8%は中期のposition tradeでWilliam O’Neilが定めている最大損切基準。
    3.5%/4%はその半分で、swing/positionで自分が想定と逆行した際に損切りする基準。基本的に底か天井で逆方向に張るので、大きな余裕は取らない。


◇Fibonacci retracement(フィボナッチ・リトレースメント)で見る

最近、これといった判断基準がない時に、Fibonacci retracement(フィボナッチ・リトレースメント)で測って見ている。Fibonacci数というのは、1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144…といった具合に左隣の数と足した数が右に次々並んでいくという数列で、これが巻き貝の巻き方やひまわりの花びらの数、植物の枝葉が間を開けて伸びていく割合など自然界の動植物の構造と一致している。この自然界の原理は人間の心理にも深く組み込まれており、黄金比という人間がもっとも美しく妥当だと感じる比率にこの数列は収束していく。

第7回・フィボナッチ数列と黄金比 | 教育開発ONLINE

これを活かしたのがFibonacci retracement(フィボナッチ・リトレースメント)で、人間にとって心理的にそこで曲がるのがしっくり来る性質から、自然とその場所でtrend(上か下かへの流れ)が反転して抵抗線・支持線となることが多くなる。逆に支持・抵抗線を抜ければ相場はそちらの方向に大きく流れる可能性が強くなる。具体的には23.6% 38.2% 50% 61.8% 76.4%がFRの基準線だ。

試しに日経の分足で見てみると(一般に安値と高値の間を図るが、前日大引け直前の高値/安値と翌日寄付きの折り返し地点の間をFRで測って見ると合うようだ)、今日は9:10ぐらいで最初の底をつき、50%手前まで戻すものの抜け切れずに再度底を試し、9:50で二底、これでかなり強い支持が確認され、10:05で三底をつけて間の高値を越えたことで、上昇trendが確実になった。と思ったら、23.6%が抵抗線となり11時前と12:35で二天をつけて強い抵抗が確認されたことで、下げtrendへと変わる。また、10:35,10:50,12:35は三尊を形成しており、これも下げへの転換を示唆していた。また、三尊の左右隣が38.2%+騙し余地の40%で転換しているのもFRの原理が働いている。61.8%(+騙し余地数%)を支持線として13:00から14:20まで揉み合いとなり、それを明確に下抜けた14:20からは明らかな下げtrendとなって、一度朝の三底を支持線として跳ね返したものの、下げ流れは継続で、大引け前の反転は支持線と抵抗線が逆転して止められてしまっている。

次はSoftbank。8/17に長い上髭のコマを二日連続で形成して天井を突き、一旦下げた後、再度同じ天井に抑えられて下げに転じた時点で空売りを入れていたのだが、最初のGD(Gap Down:下に窓を開けて始まること)直後の上げに惑わされて、即座に買い戻したので、この後数日続く大きな下げの利益をまったく取れなかった。これも落ち着いてFibonacci retracementで見ていれば、上昇は寄付き直後の変動に過ぎず、38.2%にすら届かなかったのだから、50%を抜けるような上昇trendにならない限り放置しておけばよかったのである。その翌日、寄付きこそGUで僅かに上げて始まったものの、急激に下げて底をついた。この両者をFibonacchiで図ると、戻しはせいぜい38.2%+騙し余地程度で収まっており、50%には届いていない。この場合も、放置していれば、さらに翌日のGDでの大きな下げを取れたのである(ただし、この日は寄付きで下げた後は大きく戻しており、星を形成していることから下げtrendは止まった可能性が高い)。

『ゾーン:「勝つ」相場心理学入門』 “Trading in the ZONE” Mark Douglas

以前から深層心理、さらにその深層心理を構築してきた過去の人生が最大の問題だと思っていたが、この”ZONE”はまさにそれに応える内容だった。単に相場にとどまらない、心理面、根本姿勢でもっとも重要な本だと思う。時間にしろ、資金にしろ、多くを失う前にこの本に出会ったことは幸運だ。

相場関連の本は安くとも三千円、高ければ一万円近いものまであるが、読まないとそれの十倍・百倍の損をすると分かってはいても、値段を見ると「高い」と思って手を引っ込めてしまいがちだ。Amazon読み放題なら定番と謂われる重要な本が結構読めるし、Kindleだと千円少しで買えるものも多い(hontoなどだと高い)。『先物市場のテクニカル分析 』『シュワッガーのテクニカル分析』といったchartや図版を多用したtechnical分析の本は紙の見開きで買った方がいいが、読むだけならKindleで十分である。ZONEの場合、sampleでしばらく読むと、すぐ重要性がわかった。

結局、相場、特に株取引は「この世界を直に動かしている経済主体(企業)への興味」と「相場という真剣勝負の場で起こることの研究」そして「自己の探求」、この三つがなければやっていけないものだと思う。

◇Blockchain

トランスファーワイズは2010年に創業—、その背景には共同創業者であるヒンリクスとクリスト・カールマンの原体験がある。当時、ヒンリクスはエストニアの預金を定期的にイギリスへ送金する必要に迫られていたが、その高い海外送金手数料に疑問を抱いていた。一方、カールマンはイギリスの預金をエストニアへ送金する際に、同様の不満を持っていた。2人は話し合った結果、現在のサービスの基本モデル—、お互いの支払いを肩代わりすることで送金手数料を省けることに気付いた。

「当時、銀行側には我々と同様のサービスを提供する選択肢がありました。しかし、顧客満足に結びつくにもかかわらず、彼らはその道を選びませんでした。Skype(スカイプ)で使われた、個人の端末間でデータやり取りをするP2P(ピア・ツー・ピア)技術を活用することで、私たちはより早く、より安いコストでお金を移すことができたのです」
 
トランスファーワイズでは、銀行に手数料を支払って海外へ送金するのではなく、互いの通貨を交換したい人同士をマッチングさせている。A氏が持つX通貨預金でB氏のX通貨支払いを、B氏が持つY通貨預金でA氏のY通貨支払いを受け持つというカタチだ。そうすると例えば、1,000ポンド分をユーロで支払いたい場合、平均的な銀行手数料は49.48ポンドだが、トランスファーワイズ経由なら4.98ポンドで済む。手数料が10分の1程度に収まる上、為替レートもいい。さらに、どのようなプロセスを経て、どの程度の手数料が掛かっているかも事細かに情報公開されている。

国際送金を変える「トランスファーワイズ」 日本でも始動 | Forbes JAPAN

今度、このTransferwiseが日本でserviceを開始したので、国際送金の手数料は1/3になる。

何年か前からBitcoinが騒がれているが、今年に入ってFinTech(フィンテック)、中でもBlockchain(ブロックチェーン)という金融をtorrentなどと同じP2Pの技術で置き換えて一気に経費削減するという話が大きく取り上げられるようになっており、これもその一つという訳だ。日本ではzero interest rate(ゼロ金利)からnegative interest rate(マイナス金利)にまで進んで、銀行は安定収益が吹き飛び、ATMの手数料を上げて持たそうとしている訳だが、その裏でこういう既存の銀行がなくなるほどの技術がどんどん進んでおり、自分もこないだ瞬間的に株主になってFISCOが始める仮想通貨取引所の暗号通貨(Cryptocurrency。Bitcoinなどと同じ)をタダでもらったので、それを使ってみようと思っている。

もっとも暗号通貨やblockchainはまだまだ不安定な技術で、FISCO coinの基盤技術を提供しているTechbureau(テックビューロ)のZaifは高負荷がかかった程度で多重送金をしてしまい、その回収に追われているし、TheDAOというEtheriumというblockchainで契約を処理する技術を使った「非中央集権」を謳ったprojectが$160 million(約160億円)をKickstarterで集め華々しく始まった直後に、security holeをつかれて資産の1/3を失い、その中央決定者がいないという特徴のために問題をうまく解決できずに新旧にわかれてしまっている。他にも以前のMt.Goxの様な運営者が不正をした訳ではないとしているが、香港のBitfinexという大手取引所がBitcoinの財布技術を導入したらsecurity holeがあって$72 millionが盗まれた、その損失を全利用者に転嫁したとかscandalに事欠かない。

とは言え、Mt.Goxの怪しげな印象しか持っていないなら、早めに頭を切り替えた方がいい。仮想通貨・暗号通貨、Smartphoneでの決済、Internet銀行、これらはすべてが容易に繋がるし、当然低い手数料とpointなどの優遇が既存の銀行よりつくようになる。また、財政破綻が遠くない将来予想される中で、仮想通貨・暗号通貨が格好の逃避先となる可能性も高いだろう。実際、Bitcoinは中共からの資金流入が多く、2013ADのMt.Goxの騒動前(すでに引き出しが遅れるなど問題が起きていた)に価値が10倍に跳ね上がり、2014ADを通じて発覚したMt.GOXの騒動で底をつけた後にも3倍までに価値を戻している(その後少し下げたのはBitfinexの件などがあったから)。

Bitcoin(ビットコイン)価格高騰/10の理由 – Ripple-J


◇投資期間

投資期間というのは以下に大別される。
・Scalping(スキャルピング):短い時は秒単位から、通常分単位で今目の前の細かな波の方向性で利鞘を稼ぐ。”scalp”は頭の皮剥ぎ。本の”背取り”がこれに近い。
・Day-trading(デイトレード):日計り。日中の上下差での利幅を狙って、数十分~数時間ほどかけて幾度も取引する。通常大引けで手仕舞い、翌日に持ち越すのは例外的。
・Swing trading(スウィングトレード):数日から数週間程度の日足での上下で利を取る短期取引。直近・最中の出来事、市場・業種・題材の影響が大きく、材料や短期のtrendの影響を最も受ける。
・Position trading(ポジショントレード):数ヶ月から数年に渡る中長期投資。会社の業績や業種全体の拡大と直結し、市場全体の動向からも強く影響を受ける。
・Buy and Hold(バイアンドホールド):基本的に一度持ったら数十年売ることはなく、超長期での伸びや配当収入などを狙う。暴落や暴騰といった市場動向すら無意味化する。Warren Buffettが有名。

Scalpingは人間のやることではないと思う。勝率は高いが僅かな利を稼ぐことしかできず、一度の過ちで何十度の勝利が無意味化する。莫大な手数料がのしかかる上、相手は機械である。

Dayは危険性を抑えられるが、強い規律と毎日相場に向き合い続けることが必要とされる専業必須のものである。毎日手仕舞うので手数料も嵩む。

Swingは利幅は大きいが、短期の変動の中で市場の動きを読む嗅覚、行動の機敏さと規律が求められる。実際、短期で立ち回る技術と長期の見通しに必要な知識の両方がいる。

Positionは、長期を視野に入れた投資であり、それ故の予測の難しさがある。実際、長期と言っても、swingの延長にある直近に予定される出来事や四半期業績を材料に数週間から数月程度でやる短長期のtradeと、半年から一年かけて今年の業績と来期の見通しを巡る中長期のtrade、さらに数年単位で配当や優待を受け取りつつ会社の業績がどうなるかを計る長期のtradeではかなり違ってくる。いずれにせよある程度期間をかけてやる農業の様なgameである。

Buy and Holdは、年単位での保持を当然とする全然別のgame。この超長期のtradeは林業みたいなもので、儲けるには株式市場全体が歴史的に右肩上がりに上がり続けているとか新興分野が次々と拓けては発展する進取と自由の国・・・つまりUSAの様な国の勃興~覇権期が最適で、敗戦で既得権が解体され、若者が多く老人が少ない山形のdemographic bonus(人口ボーナス)が近代的消費に向けて激しく消費を拡大していた戦後日本の高度成長期なども相応しい。将来その分野におけるonly one、最強を成し遂げる企業の発掘や、最強であることが保障されているにも関わらず、長期相場の変調で不当に下がりすぎた時を抑えることが求められる。実体経済や企業の分野、該当企業そのものにも知悉して発掘と予見を行う必要があり、寝かし続けておける豊富な資金も前提となる。人の進めで買ったまま、何も考えずにこうしている人が結構おり、売り買いすると枠が消滅するNISAはBuy and Holdをさせるための設計である。

scalpingは例外として、bull market(強気・上昇)かbear market(弱気・下落)かの長期の見通しが正しければ一つ下の短期の取引の保険になる。もっとも、規律に基づいて処分していくべきであるが。

◇読書

最近、読書に取り組むようになっている。自分にとって読書は幼い頃から最大の娯楽であり(最強の娯楽はgameであったが)、読みたい本があれば甘露を飲むように次々と読んだものだった。しかし、長年、神経障害が進み、既に二十年近く前から小説はまともに読めないし、十年ほど前から部屋にいる状態で本を読むこと自体が困難を通り越して不可能になっていた。
ところが、便所で大便をしている時だけは以前の様にとはいかないが、数頁ほどなら読めるのである。という訳で、読書と呼べるようなことは一日に数度便所に入った時だけ僅かにということでしかなかった訳だが、相場という研鑽せねば死ぬ環境に関わり続けているせいで、どうしても読書をせねばならぬと強く感じるようになった。

結局たどり着いた結論は”PCの電源を切る”である。monitorがついている限り、特にこちらから関わっていくことが前提のPC+Internetは交感神経への刺激が無意識的に発生するようになっており、古脳が読書をする状態にはならない。つまる所、読書以上の刺激が気になる状態では本は読めないということだろう。

◇『デイトレード:マーケットで勝ち続けるための発想術』 日経BP (原題:”Tools and Tactics for the Master Day Trader” Oliver Velez,Greg Capra)

そもそも自分が相場に手を出した理由の一つはこの本がなぜか手元に残っていたことなのだが、これのみを長く指南書にしたのが多くの面で誤っていた。

・反省を積み重ねるにはいいが、具体的なことがほとんど書いてない(唯一具体的に役に立ったのが損切り7%基準だけ) ※これは邦訳版が前半の心構えだけしか訳していないため。後に出た『罫線売買航海術―スキャルピングからポジショントレードまでの攻略テクニック』にまとめてある。
・研鑽を積み重ね、技術的にも精神的にも一流のtraderとなった人間がやることと、初心者がやることを並べて書いてあるため、間違った行動・精神態度を取ってしまいやすい。例えば、基本も身についてないtraderが「自信満々に勝利を確信して取引する」といった指南を実行すれば大損を出すだけである。

「数年間にわたって負け続け、資金が激減した後、私は人生の転機となるような発見をいくつか行った」人が書いた本で、『マーケットの魔術師』に出てくるような相場師は誰もがこういう経験をしているが、特にOliverは非常に厳しい規律を課し、甘い他者の感情を狩る側として短期売買のsystemを構築した人物である(Pristineという教室も運営している)。彼は、「毎日、血の滲むような努力を重ね、時を忘れて学んだ結果として、私は意味のあるtrading哲学とtrading planを手にしたのだ」。
それ自体はいい、確かに必要なことだ。しかし、抑制一方で具体的な記述に欠けるため、希望を持って入ってくる素人の心情とかけ離れ過ぎている。具体性の無い厳しい叱責は身に入らないし。そして具体的な経験を得る時には大損しているのである。

もっと中立的な本で基礎を学び、ある程度試験的に関わった後に規律をつくりあげるための補助して用いるのが最適だろう。

◇損失を出した時

損を出した時、自分を叩く側に回ってはいけない。それは本当の反省ではない。反省とは行いを改めることである。


関連記事

No Comments »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment


sand-storm.net