SAND STORM

朝ぼらけ

2016年10月17日

相場師と著作一覧

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以下は著名な相場師や相場教育者を生きた年代と簡単な解説を付して、書籍を軸に並べたものである。

つくった経緯は、単にPan Rolling社の和訳本の題名改竄が酷いので整理していたら増加したというもの。
人物や書評は、きっちり読み込んだものから、まったく読まずにreviewや評判を見ただけのものまで、つまり適当である。常に工事中。

海外: [Classic] / [Investor] / [Position] / [Swing] / [Day&Scalping] / [Mind] / [Technical] / [Algorithm] / [Environment] / [Gamble] / [Interview] / [相場師]
日本:[日本の相場師]



[Classic]

Dickson G.Watts (?~1880~?) [ディクソン・G・ワッツ]

1878-1880のNY綿花取引所の所長。USAの相場師として含蓄のある著作をもっとも早い段階で著している。

Charles Henry Dow (1851-1902) [チャールズ・ダウ]

Wall Street Journalの創設者で、Dow Theoryにもとづいて1885ADにDow Jones Average (後のDOW30)という主要株式の平均指数を発明し掲載した。これがS&Pや日経225などの大元。

    William P. Hamilton “The Stock Market Barometer” (1922)
    Robert Rhea “The Dow Theory” (1932)
    E. George Schaefer “How I Helped More Than 10,000 Investors To Profit In Stocks” (1960)
    Richard Russell “The Dow Theory Today” (1961)

    DOW理論は、元々は景況を予測するためにDowが考えていたもので、当人による著作はなく関係者が発展させまとめたもの。
    『先物取引のテクニカル分析』に基本が載っており、『マーケットのテクニカル百科入門編』が詳しい。市場平均はすべての要因を瞬時に織り込むといった考え方、相場を潮の干満(長期波動)・波の上下(中期波動)・波先(短期変動)で考えることなどが基盤で、相場を見る上で一番の基本となる。

1929年8月23日に、Wall Street Journal紙は読者に、株式市場で大いに儲けることができると告げた。同士の特別な水晶玉はダウ理論と呼ばれる。これは将来をじっと見るテクニックであるが、「主要な上昇トレンド」が株式市場に確立されたことを明らかにした。「秋の数ヶ月の見通しは、過去のいかなる時点よりも明るい」と同紙は幸せそうに謳った。ニ、三ヶ月して、誰もが破滅した。『マネーの公理』第四の公理

Richard Wyckoff (1873-1934) [リチャード・ワイコフ]

Ticker tapeしかなく、多額の手数料を要求された時代にDay trading,Scalpingでの成功を確立。相場技術から心得まで現代にもそのまま通底する。

    Studies in Tape Reading (1910) 『ワイコフの相場成功指南』『板情報トレード
    My Secrets of Day Trading in Stocks (1919)
    How I Trade and Invest Stocks and Bonds (1922)
    Stock Market Technique (1933) 『ストックマーケットテクニック 基礎編』『スイング売買の心得
    Stock Market Technique No.2 (1934) 『ワイコフの相場大学』『相場勝者の考え方
    Jesse Livermore’s Methods of Trading in Stocks
    W.D. Gann Interview

    和訳本は、いずれも同内容のものを題名を変えて文庫化したもの。『ワイコフの相場成功指南』『板情報トレード』のみ、技術的な内容を含む。Stock Market Techniqueは、News Letterに出した記事を集めたもので、心得集。Ticker tape時代のことは『投資を生き抜くための戦い』 「72 テッカーテープの読み方についての補遺」についても参考。

Jesse Livermore (1877–1940) [ジェシー・リバモア]

少年時代から場立ちで仕事をしながら、ticker tapeに現れるpatternの研究をし、”Boy plunger(無鉄砲相場少年)”の渾名で呼ばれた。伝説的な相場師だが、人に聞かれると親切に教える一面もあった。その技法はHow to Trade In Stocksで開陳されるが、特殊な場帳術である。

    Edwin Lefèvre “Reminiscences of a Stock Operator” (1923) 『欲望と幻想の市場』
    How to Trade In Stocks (1940) – 近年出されたのはSmittenによる改竄があるので注意。『リバモア流投機術』は原著そのまま。
    Richard Smitten “Jesse Livermore: The World’s Greatest Stock Trader” (2001) 『世紀の相場師ジェシー・リバモア』伝記

Fictionを交えた伝記風作品『欲望と幻想の市場』を読んだことの無い相場師はモグリと言っていいほど評価が高い。Livermore自身が著した”How to Trade In Stocks”(『リバモア流投機術』は、それ以上の価値があり、当人の人格も滲み出ている。

Gerald M.Loeb (1899-1974) [ジェラルド・M・ローブ] : Brokerで、投資観点を基盤とした投機。大恐慌の経験からBuy and Holdを否定。

『投資を生き抜くための闘い』は古典として評価が高いが、技術書ではなく、記事集である。その分軽く読める。

Max Gunther (1927-1988) [マックス・ギュンター] 元軍人のjournalist。

    The Weekenders (1964)
    The Split-Level Trap (1964)
    Wall Street and Witchcraft (1971)
    The Very, Very Rich and How They Got That Way (1973)
    Instant Millionaires: The Secrets of Overnight Success (1973)
    Writing and Selling a Nonfiction Book (1973)
    Virility 8: A Celebration of the American Male (1975)
    The Lucky Factor (1977) – 『「ツキ」の科学 運をコントロールする技術』
    The Zurich Axioms (1985) – 『マネーの公理ースイスの銀行家に学ぶ儲けのルール』 父親世代に構築された原理で、Gerald LoebやLivermoreが登場する。思想は、仏教的な欲の抑制や悟りを否定し、「inflationで給料や資産が減価していく中、riskを取った方が遥かにマシだし、そうじゃないと人生つまらねぇだろ!?」というもの。全体に二流~三流程度だが、見るべき所もある。
    How to Get Lucky: 13 techniques for discovering and taking advantage of life’s good breaks (1986) – 『運とつきあう―幸せとお金を呼びこむ13の法則』

Roy W. Longstreet [ロイ・W・ロングストリート]

    Viewpoints of a Commodity Trader (1968) – 『相場のこころ マーケットの見方・考え方』が旧版、『トレーダーの発想術ーマーケットで勝ち残るための70の箴言』は並びや表題などを改良した新装版。江戸時代本の格言などに相当するので、ここに配置する。

[Investor]

Benjamin Graham (1894-1976) [ベンジャミン・グレアム]

企業のFundamental分析の基盤を確立。

Philip Arthur Fisher (1907-2004) [フィリップ・フィッシャー] : 長期保持するための企業診断、銘柄選別法。甚だマトモで、相場をやらない人にも役に立つ。

Wallen Buffett (1930-) [ウォーレン・バフェット] : GrahamとFisherを統合した実践家。直接の著書はなく、関係者がその名前を使って書いた本のみ。やたらとBuffett本を読むぐらいなら、Graham,Fisherを読んだほうがいい。

    Berkshire Hathaway Letters to Shareholders – 『バフェットからの手紙 ──世界一の投資家が見たこれから伸びる会社、滅びる会社』 Buffettが買収して投資会社に変えた元繊維企業Berkshire Hathaway(バークシャー・ハサウェイ)の株主向けのreportとessayをまとめたもの。1965- [第1版],1965-2014[第3版],1965-2016 [第4版]。英語版の原本はBHのofficialで全て公開されている。内容はあくまで米国市場のその時の現状を踏まえたもので、前提となる知識がないとよくわからない部分が多い。

    Buffettが直に書いたのは上のlettersぐらいで、後はその名声にかこつけて書き散らしたのが大半。

    Robert G. Hagstrom “The Warren Buffett Way: Investment Strategies of the World’s Greatest Investor” (1994,2005) – 『株で富を築くバフェットの法則』
    Mary Buffett “The Buffettology Workbook: Value Investing The Warren Buffett Way” (2001) – 『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』MaryはWarrenの息子の嫁。
    Mary Buffett “The New Buffettology :The Proven Techniques for Investing Successfully in Changing Markets That Have Made Warren Buffett the World’s Most Famous Investor” (2002) – 『麗しのバフェット銘柄――下降相場を利用する選別的逆張り投資法の極意
    Mary Buffett “The Warren Buffett Stock Portfolio: Warren Buffett Stock Picks: Why and When He Is Investing in Them” (2011) – 『バフェットの株式ポートフォリオを読み解く』
    Mary Buffett “Warren Buffett’s Management Secrets: Proven Tools for Personal and Business Success” (2009) – 『史上最強の投資家 バフェットの大不況を乗り越える知恵』
    Mary Buffett “Warren Buffett and the Art of Stock Arbitrage: Proven Strategies for Arbitrage and Other Special Investment Situations” (2010) –
    Mary Buffett “The Tao of Warren Buffett: Warren Buffett’s Words of Wisdom: Quotations and Interpretations to Help Guide You to Billionaire Wealth and Enlightened Business Management ” (2006) – 『史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵』
    Mary Buffett “Warren Buffett and the Interpretation of Financial Statements: The Search for the Company with a Durable Competitive Advantage” (2008) – 『史上最強の投資家バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール』
    Richard J. Connors “Warren Buffett on Business: Principles from the Sage of Omaha” (2009)
    Janet Lowe “Damn Right!: Behind the Scenes with Berkshire Hathaway Billionaire Charlie Munger” (2000) – 『投資参謀マンガー――世界一の投資家バフェットを陰で支えた男
    Tren Griffin “Charlie Munger The Complete Investor” (2015) – 『完全なる投資家の頭の中 ──マンガーとバフェットの議事録

John Marks Templeton (1912-2008) – テンプルトン卿。市場を選ばずに、価値を落としすぎた銘柄を国際的に拾う。ほとんどの自著は精神世界物。

    The Templeton Plan: 21 Steps To Personal Success (1987)
    Riches for the Mind and Spirit: John Marks Templeton’s Treasury of Words to Help, Inspire, and Live by (1990)
    Evidence of Purpose (1994)
    Discovering the Laws of Life (1994)
    Is God the Only Reality? Science Points to a Deeper Meaning of the Universe (1994)
    How Large is God?: The Voices of Scientists and Theologians (1997)
    Spiritual Evolution: Scientists Discuss Their Beliefs (1998)
    Worldwide Worship: Prayers, Songs, and Poetry (2000)

    Lauren Templeton “Investing the Templeton Way:The Market-Beating Strategies of Value Investing’s Legendary Bargain Hunter” (2008) – 『テンプルトン卿の流儀――伝説的バーゲンハンターの市場攻略戦略』LaurenはJohnの大姪(兄の孫娘)。

    Mark Mobius “Trading with China” (1972) – マーク・モビアスは1987からTempletonの舵を取る国際投資の専門家。開発経済学のPhDを取得して、この書に見られるように一貫してriskの高い新興国投資に取り組んできた。
    Mark Mobius “The Investors Guide to Emerging Markets” (1994,1996) – 『エマージングマーケットとは何か―いま、世界で一番おもしろい投資分野』
    Mark Mobius “Mobius on Emerging Markets” (1996)
    Mark Mobius “Passport to Profits” (1999,2012) – 『国際投資へのパスポートーモビアスの84のルール』
    Mark Mobius “Equities: An Introduction to the Core Concepts” (2006)
    Mark Mobius “Mutual Funds: An Introduction to the Core Concepts” (2007)
    Mark Mobius “Foreign Exchange: An Introduction to the Core Concepts” (2008)
    Mark Mobius “Bonds: An Introduction to the Core Concepts” (2012)
    Mark Mobius “The Little Book of Emerging Market” (2012)

    【マーク・モビアスに学ぶ】新興工業国企業への投資は大きな可能性を秘めている|名投資家に学ぶ「株の鉄則!」|ザイ・オンライン2,3

Thomas Rowe Price, Jr. (1898-1983) [トーマス・ロウ・プライスJr] – 株を成長期・成熟期・老衰期に分け、成長期の銘柄に投資するgrowth(グロース)投資法を編み出した。この反対がBuffettなどが行うvalue investing(バリュー投資)。

T. Rowe Price Heritage
30分でバッチリわかるグロース投資とバリュー投資 – Market Hack

Philip Lord Carret (1896-1998) [フィリップ・キャレット]

最初期のmutual fund(公開型投資信託)の創設者。分散投資の有効性を説き、portfolioをどのように構成するかに詳しい。102歳まで生きた。格言

    Buying a Bond (1928)
    The Art of Speculation (1930)
    A Money Mind at 90 (1991)
    Classic Carret: Common Sense from an Uncommon Man (1998)

John (Jack) Bogle (1929-) [ジャック・ボーグル/ジョン・C・ボーグル] : no-load(手数料不要)のMutual fund(≒投資信託)を開拓し、さらに最初のindex fundの創設者。

    Common Sense on Mutual Funds: New Imperatives for the Intelligent Investor (1999) – 『インデックス・ファンドの時代-アメリカにおける資産運用の新潮流』
    Common Sense on Mutual Funds: New Imperatives for the Intelligent Investor (2000)
    The Battle for the Soul of Capitalism (2005) – 『米国はどこで道を誤ったか―資本主義の魂を取り戻すための戦い』
    The Little Book of Common Sense Investing (2007) – 『マネーと常識-投資信託で勝ち残る道』
    Enough: True Measures of Money, Business, and Life (2010) – 『波瀾の時代の幸福論 マネー、ビジネス、人生の「足る」を知る』
    Don’t Count on It!: Reflections on Investment Illusions, Capitalism, “Mutual” Funds, Indexing, Entrepreneurship… (2010)
    The Clash of the Cultures: Investment vs. Speculation (2012)
    Bogle On Mutual Funds: New Perspectives For The Intelligent Investor (2015)
    John Bogle on Investing: The First 50 Years (2015)

米バンガード訪問 コスト重視、まるで運用業界の生協|マネー研究所|NIKKEI STYLE – Bogleが創設したVanguardはfund自体が会社を保有し、投資家利益を最大化することから、GPIFなどを遥かに超える巨大fundになっている。

Burton Malkiel (1932-) [バートン・マルキール] : fundamental,technical,mutual fundsいずれも市場平均を上回り続けることは不可能と立証した。

    A Random Walk Down Wall Street: Including a Life-Cycle Guide to Personal Investing (1973) – 『ウォール街のランダム・ウォーカー ― 株式投資の不滅の真理』

Charles D. Ellis (1937-) [チャールズ・エリス] : ごく一部の天才的playerを除いて市場平均を上回る「勝者のgame」をやるのは無理。過ちを減らす「敗者のgame」で勝たねばならない。それにはindex fundが最善。

    Winning the Loser’s Game: Timeless Strategies for Successful Investing (1975) – 『敗者のゲーム なぜ資産運用に勝てないのか』

「保有している資金額や所得の水準、年齢、リスク許容度、投資の知識などは人それぞれだ。違いを受け入れてあくまでも自分にとって正しい投資をすれば、すべての人が勝者になれる。逆に、市場平均を上回ろうとする場合、2つの点でミスをおかすだろう。まず、長期にわたって市場平均を上回ることはできない。さらに、市場に勝とうとすることで自分にとって本当に必要な投資は何なのかを見極めるチャンスを逃してしまう」
特集 『敗者のゲーム』著者チャールズ・エリス氏インタビュー、「誰もが勝者になれる投資とは?」

井手 正介

    『バリュー株投資は「勝者のゲーム」!』 (2010) – value投資を日本に適用したらどうなるか。日本株ではindex投資すら敗者のGameと化す。

Peter Lynch (1944-) [ピーター・リンチ] : mutual fundのMagellan Fundの資産を何百倍にもした。「自分がよく知る株を買え」で知られるが、実は、「本職でさえ個別の株を選び出すのは難しい」、「自分の専門知識を分析と研究に使え」が本当。

    Beating the Street (1994) – 『ピーター・リンチの株式投資の法則―全米No.1ファンド・マネジャーの投資哲学』(1994)。2015の『ピーター・リンチの株の法則―90秒で説明できない会社には手を出すな』が新訳だが、評判は悪い。
    Learn to Earn: A Beginner’s Guide to the Basics of Investing and Business (1996) – 『ピーター・リンチの株の教科書―儲けるために学ぶべきこと』は新装版で、『ピーター・リンチのすばらしき株式投資―楽しく学んで豊かに生きる』と中身は一緒。
    One Up On Wall Street: How To Use What You Already Know To Make Money In The Market (1989,2000) – 『ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け』 – [新版]は2000年の改訂版を訳したもの。右肩上がりを続けた米国の相場環境に依存したものに過ぎず、到底そのまま転用できない。

Martin E.Zweig (1942-2013) [マーティン・ツヴァイ] – fund manager。trend予測に優れる。どちらかと言えば、投資(Buy and Hold)基盤の人がtrend次第で売り買いをして損を出さないようにするという手法。活動期間は1960sからで、ちょうど電子表示が始まった頃。贅沢極まりない生活で知られた。

    Martin Zweig’s Winning on Wall Street (1986,1987) – 『ツバイク ウォール街を行く――株式相場必勝の方程式』 大学生での決算分析、証券会社での実務、さらに企業金融論を教え、大学院で株式市場研究の延長でoption取引を詳細に研究、勝利戦略は見いだせなかったものの、そのPut/Call Ratioや残高・出来高が実態市場からの資金逃避や流入を予測することに気づいた。1970sには博士号を取得し、NY大の助教授として教鞭をとりながらBaronsなどへ寄稿する内に評判が高まり『Zweig Forecast(ツヴァイ予測)』というnewsletterを発行。1980sには自身のfundを立ち上げる。

Vitaliy N. Katsenelson [ビタリー・カツェネルソン] : Contrarian Edge主宰。Buy and Holdに売りを導入し、rangeで儲ける手法を開発。

Gary Antonacci [ゲイリー・アントナッチ]

Jeremy J.Siegel (1945-) [ジェレミー・シーゲル]

過去二百年の株式・債権・金など現物市場を調べて、10年以上の長期保有は株式が優位に立つという結論で、生活必需品を扱う大企業の割安株を保有して配当をもらうのが一番良いとの結論。portfolioはそれら企業の個別株が半分、後はindex fundやETF。

    Stocks for the Long Run (1994) – 『株式投資 第四版』『株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド』は旧版。
    The Future for Investors (2005) – 『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』

【本音と建前】シーゲル教授はなぜインデックス投資を推すのか? | Grow Rich Slowly シーゲル流米国株投資で億万長者になる!

William J. Bernstein (1948-) [ウィリアム・J・バーンスタイン] : Veniceなどの歴史研究を元にした、短期証券(bills),中期証券(note),債権(bonds)構成の最適化によるriskの最小化と利益の最大化投資。

    The Intelligent Asset Allocator (2000)
    The Four Pillars of Investing: Lessons for Building a Winning Portfolio (2002) – 『投資4つの黄金則』
    The Birth of Plenty (2004) – 『「豊かさ」の誕生―成長と発展の文明史』 書評
    A Splendid Exchange: How Trade Shaped the World (2009) – 『華麗なる交易 ― 貿易は世界をどう変えたか』

投資で成功するために学ぶべき分野として、理論、歴史、心理に加えて、業界構造の理解を挙げている。基本的には物欲を抑えて節約し、自分の所得やloanなど諸々すべてをportfolioとして管理、index fundに投資しろというもの。

Lars Tvede (1958-) [ラース・トゥヴェーデ] – 工学修士、fund manager。

    The Psychology of Finance: Understanding the Behavioral Dynamics (1991) – 『相場の心理学―愚者は雷同し、賢者はチャートで勝負する』 初版は著者の母語で書かれたDenmark語版か。 心理学の歴史の説明とか。他の本でもそうだが、この人は学説を引用したり解説することが多い。そういうのが好きなら。
    Business Cycles: History, Theory and Investment Reality (1997) – 『信用恐慌の謎―資本主義経済の落とし穴』 改定三版まで出されているが、邦訳は初版の”Business Cycles: From John Law to Chaos Theory”。前半は信用恐慌の事例集と景気変動のcycleなのだが、後半がChaos理論一辺倒になる。
    Marketing Strategies for the New Economy (2010)
    Supertrends: Winning Investment Strategies for the Coming Decades (2010)
    The Creative Society: How the Future Can Be Won (2015)

Kenneth L. Fisher [ケン・フィッシャー] : Philip Fisherの息子。広範な歴史上のdataを論拠とする。

    Super Stocks (1984) – 『ケン・フィッシャーのPSR株分析――市場平均に左右されない超割安成長株の探し方』 KenはPSR(株価売上高倍率)を開発しこの書で広めたが、広まったために有効性がなくなったと称している。

    James O’Shaughnessy (1960-) [ジェームズ・P・オショーネシー]が”What Works on Wall Street: A Guide to the Best-Performing Investment Strategies of All Time” (1997,1998,2005,2011) 『ウォール街で勝つ法則 - 株式投資で最高の収益を上げるために』を出して、過去45年の相場を調べてどの指標が一番有用かを統計で出したらPSRだったと主張しているが、個人投資家に助言する彼の会社は潰れ、fundが上手くいっているという話も聞かない。

    期待や思惑だけが先行する、利益の出ていない企業用に作られた、指標であるかと思われる。
    「PSR」を考えていたのだけど、やはり、株価を売上で割る正当な理由がわからない。少しも意義が思いつかない。 「利益:Earnings」はとても重要な数字である。もちろん、「売上(Sales)」も、重要すぎる数字である。しかし、売上が重要視するのなら、費用の方も等しく重視しなくてはならないのではないか。つまり、「PSR」という指標が重要であるなら、「PCR」なる指標、そう、「Price Cost Ratio」なる指標も合わせて表記しなくてはならないと思う。しかし、「PCR」なんてものは、算出しようとしたら出すけど、誰が使うかというと、誰も使わないだろう。なら、対の方の「PSR」も、その程度の位置ではないかと思うのである。
    PSR:株価売上高倍率| 初心者投資 Like a Spelunker

    The WallStreet Waltz (1987) – 『チャートで見る株式市場200年の歴史――マーケットのサイクルとアノマリーを図説解説』 ざっと見たが、cherry pickingしたdataを元に結論を語っている感じで当てにならない。
    100 Minds That Made the Market (1995)
    The Only Three Questions That Count (2007) – 『投資家が大切にしたいたった3つの疑問 行動ファイナンスで市場と心理を科学する方法
    Markets Never Forget (But People Do): How Your Memory Is Costing You Money and Why This Time Isn’t Different (2011)
    How to Smell a Rat: The Five Signs of Financial Fraud (2012) – 『金融詐欺の巧妙な手口ー投資家が守るべき5つの鉄則
    Plan Your Prosperity: The Only Retirement Guide You’ll Ever Need, Starting Now – Whether You’re 22, 52, or 82 (2012)
    The Little Book of Market Myths: How to Profit by Avoiding the Investing Mistakes Everyone Else Makes (2013)
    Beat the Crowd: How You Can Out-Invest the Herd by Thinking Differently (2015)

吉野貴晶

足立武志 – 公認会計士で企業決算情報の分析を基盤とする。

    『はじめての人の決算書入門塾―まずはこの本から!』 (2007)
    『はじめての人のFX入門塾』 (2009)
    『それは失敗する株式投資です!』 (2009)
    『すぐできる!らくらくネット株入門[改訂新版]』 (2009)
    『超実践・株価チャート使いこなし術』 (2010)
    『知識ゼロからの経営分析入門』 (2010)
    『株価チャートの教科書』 (2015) – 移動平均線が判断の中心。他、部分的にローソク足型など、恐らく決算分析屋としての根が抜けないまま、相場師的なことを取り入れまくっているので洗練されておらず、わかりづらい。動画で見たが、足立の手法はportfolioを組んで、それを入れ替えていくposition trade。
    『株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書』 – この本は本業が生きている。 (2015)

ROEと株のリターンに相関関係は無い – 海外投資データバンク

[Position-trade]

Nicolas Darvas (1920-1977) [ニコラス・ダーバス] : Hungaryからの移民で、Budapest大で経済学を学んだ。元記者かつprofessionalのdancerで世界中を公演しながらBOX理論を発明してposition tradeでの成功談を書き、個人投資家へ大きな影響を与えた。彼の影響で証券業界はカモから収奪しづらくなったため、後に裁判沙汰に巻き込まれる。

    How I Made 2,000,000 in the Stock Market (1960) – 『私は株で200万ドル儲けた
    Wall Street: The Other Las Vegas (1964)
    The Anatomy of Success (1965)
    The Darvas System for Over-The-Counter Profits (1971)
    You Can Still Make It in the Market (1977) – Dar Cardというsystemを説明している。この時には既に売り買い両面の取引へと進化している。

    Timeのinterview ※有料
    An Interview with Nocholas Darvas 1974 – 大本は48頁(実質36頁)に及ぶもので、一部を抜粋しただけ。ただし、中身は既存の本で分かるようなことばかりで、ほとんど得るものはないという。

「Darvasは最後は破産してLondonで落魄した姿を見たのを最後に消息がしれない」とかいう出鱈目な話が流布しているが、そんなことはありえない。なぜならDarvasは著書の印税により、投資で稼ぐ以上の金を得ており、これは逐次的なものなので収入が途絶えることはない。著書も死去を挟んで出されているのでHow I Made..だけの話ではない。しかも彼は相当な有名人であり、小銭を稼ごうと思えばいくらでもその有名性を使うことができた。そもそもDarvasは株式や印税で得た金を不動産や他の事業にも投資して成功していた。彼は証券業界の恨みを買ったので、それを根に持って中傷している輩がいるのだろう。

William O’Neil (1933-) ウィリアム・オニール : これから激しく伸びる成長株を、まさに上がる時点で掴む型を示した。

    How to Make Money in Stocks (1988,4th 2009) – 『オニールの成長株発掘法』 『オニールの成長株発掘法 第四版』 Livermoreの新高値更新(上昇相場に入るpattern)にBuffett的な企業判断を組み合わせてCANSLIMとして仕立て上げた感じ。”cup with hundle”型が有名。すべて週足で判断。
    24 Essential Lessons for Investment Success (1999) – 『1銘柄投資のサクセス法―売りルールが鍵』
    The Successful Investor:What 80 Million People Need to Know to Invest Profitably and Avoid Big Losses (2003) – 『オニールの相場師養成講座―成功投資家を最も多く生んできた方法』 この書は、.com bubbleが崩壊した直後にそれを主題として書かれており、成長株発掘法の様なゆるさがない。判断に日足が多く用いられ、cup with hundleの精密な解説、機関投資家のaccumulation/distributionの動向に過敏、時代の変化とともに「今日の優良株が明日の糞株になる」など、長期の上り相場以外で絶えず気にしていなければならないことを、相変わらず冗長にだが適切に記している。
    How to Make Money Selling Stocks Shor (2004) – 『オニールの空売り練習帖』 週足での売り判断。簡便だが基本則と多数の事例を載せているので確かに役には立つ。ただし、O’Neilはあくまで米国市場における買いが中心であり、売りは得意ではない。
    Gil Morales “Trade Like an O’Neil Discipl” – 『株式売買スクールーオニールの生徒だからできた1万8000%の投資法』 O’Neilの弟子が書いた本。

O’Neilの本はどれも教訓書としてはニ流でロクに頭に残らないし洗練されてもいない。実質、chartに基づくpattern集としての価値しか無い。それもいささかpattern病の嫌いがあり、cherry-pickingでないかとの疑いも抜けきれない。Minerviniによると、O’Neilの型には別人の元ネタがあり、米国の相場環境に適合しただけで、汎用性にはかなりの疑問が残る。成功率は低いが強烈なmomentumを持つ株で稼いで帳消しにするというやり方は米国株式市場以外でそのまま通用しない。『マーケットの魔術師』に当人と弟子のDavid Ryan(デヴィッド・ライアン)のinterviewがあるのでそれを見ればだいたい分かる。

Mark Minervini [マーク・ミネルヴィニ] : 中卒ながら山のように読書をして選手権の飛び抜けた優勝者になるまでに至った。

    Trade Like a Stock Market Wizard (2013) – 『ミネルヴィニの成長株投資法』 Minerviniが成功した時期は米株が最高に上昇し、さらに.com bubbleまで迎えた時期であることに注意。得るべき点はあるが、日本株で真似するとまず失敗する。
    Momentum Masters (2015) – 『成長株投資の神』 成功者へのinterview集。

MinerviniはO’Neilの手法(正確にはO’Neilのパクり元)を1980-2000の米国株式市場最高の上り相場で実践したから異常な好成績を収めただけだと思う。見るべき所は幾つもあるが、到底まともに受け取れない部分が多過ぎる(肺炎でもtradeを続けたとか何の自慢にもならない)。真似するなら、彼の地道で人並み外れた努力を見習うべき。『マーケットの魔術師[株式編]』に一番儲けている時のinterviewと、それに追加し.com bubble崩壊後の聞き取りが載っている。彼は買い中心だが、それが不利な時は徹底して休むも相場、余計なことをしない、資金を次の上げ相場に向けて保全することが身についている。失敗と大量の学習の中でつくり上げたこうした防衛戦略が身についていることこそがMinerviniの真の強みなのだ。

Stan Weinstein [スタン・ウエンスタイン] : 一冊しか書いていないが評価は高い。O’Neilより遥かに洗練されている。

    Stan Weinstein’s Secrets for Profiting in Bull and Bear Markets (1988) – 『テクニカル投資の基礎講座 チャートの読み方から仕掛け・手仕舞いまで』旧題:『ウエンスタインのテクニカル分析入門』 – 30週移動平均線を核としてchartのみで判断するpositoin trade。出来高急増とtechnical抵抗線を抜けた時にrelative strength(RSIではなく、株価/市場指数)を参照しつつ仕掛ける。加えて市場全体・所属分野の流れに決して逆らわない、anomaly。実際のchartが多数掲載されているので理解しやすい。売りのstop orderの図示も多数ある。空売りも適切にしてある。「株価の崩壊速度が上昇時のそれより遥かに速いのは、貪欲がギリギリまで高まるには時間がかかるのに対して、恐怖心はpanic的反応をひきおこすからだ」

小林正和 (1936-) : 個人投資家教育や指南を数多く行ってきているのでわかりやすい。手法は週足~月足での玉操作。悪くはないがゆるく素人向きで、高度成長期の様なtrendがないと無理。

    『株の心理作戦 成功の決断と自信をつかむ本』 (1973)
    『株の落し穴82ー損してからでは遅すぎる』 (1978)
    『小林流株の成功法則』 (1979)
    『はじめての株式投資―買い方・売り方・儲け方』 (1979)
    『株の実戦教室』 (1980)
    『兜町見聞録―繁栄証券界の光と影』 (1980)
    『あなたの株のやり方は間違っている―自分に合った株式投資のすすめ』 (1981)
    『株式欄の知的読み方』 (1981)
    『株はタイミングのゲーム』 (1982)
    『入門株の売買40のポイント』 (1982)
    『初めての人にもわかる 株の売買一切―どうやったら株で儲かるか』 (1983)
    『兜町の犯罪―投資家の財産はこうして狙われる(1984)
    『12段活用 出世株の買い方―証券アプローチ速習法』 (1986)
    『女性のための株式投資法―金融新時代を勝ち抜く利殖テクニック』 (1986)
    『追及!悪徳投資顧問業者』 (1987)
    『人の体に奇跡は起こせる―株式評論家が書いた体験的健康法』 (1996)
    『証券・金融の命運を読む―そして、ビッグ・チャンスはやってくる』 (1998)
    『『株は「逆張り」が面白い』』 (2001)
    『小林正和の実戦・信用取引―カラ買い・カラ売り・ツナギ売りのすべて』 (2002)
    『養生道―元気な百寿者になってみませんか』 (2012)

M&Aを専門とする公認会計士の小林正和は別人。

山崎和邦 (1937-) – Singapore生まれ。野村證券のdealerから三井ホームを経て武蔵野大学教授。博学というか雑学というか当て屋っぽい。

佐藤新一郎 () : 週足でのposition trade。具体的かつ実践的。

    『プロの株価測定法』(1988) – Bubble崩壊前までの上がり相場前提。具体的。
    『プロの逆張り投資法』(1991)
    『株で儲けるキーポイント6章』 (2004)
    『資産を築くプロの悠々投資法―短期投資から長期投資まで』(2010) – 月足からのtrend判定と移動平均線のbandを使って判断。

[Swing-trading]

短期取引時代の人物・著作。どうも短期取引として売られている本は、「独自の」Technical手法を多用したmechanical trading system色が強いものが多い。一番惑わされやすいものなので注意した方がいい。

ある書籍は「素早く金持ちになる」というエサで気を引く。「いかに努力せずに一晩で百万ドルを手にしたか」ーーーこれらは単に誇大宣伝である。彼らが売っているものは、虹の端にある宝物であり、望んでも手に入らない。貪欲は非常に強力な感情であり、多くの人が風変わりな公式に従うことによって、その捕らえどころのない夢を実現することができるだろうと期待して、それらの書籍を買う。もちろん、そのようなことは不可能である。『ツバイク ウォール街を行く』

George Douglas Taylor ジョージ・D・テイラー – 商品先物で場帳によるrhythm確認と機械的な取引を為した。再現性は低いようだ。

Jake Bernstein (1946-) ジェイク・バーンスタイン : 元々は商品先物取引で、鞘取りやcycle論の本を出していた。Day-trading boomに合わせて初心者向けに書いた本が翻訳された。評価は低い。

Gary Smith ゲイリー・スミス

    Live the Dream by Profitably Day Trading Stock Futures Hardcover (1995) – 1970sにbrokerをやったりして元々株式市場の先物に慣れていたからこういう本も出している。
    How I Trade for a Living (1999) – 『ゲイリー・スミスの短期売買入門 ホームトレーダーとして成功する秘訣』 長年上手く行かなかった後に、index/mutualなどfunds投資でどうにかした経験談で1980s-1999の相場環境に恵まれただけ。元々努力家であり、本を500冊近くも読んだり、point and figureに精通しながらまるで儲からなかったという話は典型的。林輝太郎の言う、時間軸を無視した一次元の値足はやはり人を惑わせるだけ。話の前半の失敗談は役に立つが、中盤以降は結局Smithは聖杯探しに終始しただけということしか見て取れず読む価値がない。

Larry R.Williams (1942-) ラリー・ウィリアムズ : 「Commodityで100万$儲けた」と売名し、seminar商法。Willams %R,Ultimate oscillatorとか色々発明したが誰も使っていない。この人物は、明白にmechanical traderとして市場に関わっている、『ラリー・ウィリアムズの相場で儲ける法』に出ているので、参照すれば一発で分る。

    How I Made One Million Dollars Last Year Trading Commodities (1979) – 初出1972?
    The Definitive Guide To Futures Trading (1988) – 『ラリー・ウィリアムズの相場で儲ける法
    Long-Term Secrets to Short-Term Trading (1999,2011) – 『ラリー・ウィリアムズの短期売買法』 – 様々な手法をbacktestした結果を謳うmechanical tradeの内容。
    The right stock at the right time (2003) – 『ラリー・ウィリアムズの株式必勝法』 – 米国株式市場における10年/4年cycle、FRB/信用残/投資家のsentimentなどから底を探るなど長期のcycleの中での変動を捉えることに特化した本。fundamentalsに基づくvalue投資でなく、technicalに基づくvalue投資法の部分は面白いが、全般にごった煮。
    Trade Stocks and Commodities with the Insiders (2005)『ラリー・ウィリアムズの「インサイダー情報」で儲ける方法』 – 商品先物市場において、報告が義務付けられた公開情報からCommercials(現物業者・当業者)や機関投資家の動きを知り、それによって取引するという内容。12章に最大の価値がある。「マーケットに対して100%機械的なアプローチでは対処できないということを理解しなければならない。状況は常に変化している」「人生とは判断を下すことだが、その判断は人生をさらにうまく機能させるためのデータとシステムにもとにしたものでなければならない」「人生の第一のルールは「生き残ること」、第二のルールは「第一のルールのためならばすべてのルールを破ってもよい」ということだ」「システムは新しく生じた現実に対応していない。だから、その部分はわれわれの頭を使って考え、記録し、変化を書き留め、既存のシステムを最大限利用できる方法を導き出さねばならない」

Larry Connors ローレンス・A・コナーズ : 独自のConnorsRSI/bollingerと絡めたETFやVIX。手法屋(≒教材屋)としての性質が非常に強い。

Dave Landry – デーヴ・ランドリー:Connors/Raschke辺りの技法をわかりやすく統合。気持ちいいぐらいの削ぎ落としを済ませているが元が元だから所詮役に立たない。ADXを多用。

Mike Bellafiore – マイク・ベラフィオーレ。prop farmの社長。

Richard Donchian (1905-1993) – Armenia出身の商品先物trader。一時栄華を極めたTurtlesの大元となるDonchian breakout(ドンチャンブレイクアウト)などの発明者。

Toni Turner トニ・ターナー – 初心者向けの程度の低い知識を並べた本。

Timothy Ord [ティモシー・オード] : Wyckoffのやり方を改良したとかいうOrd Volumeが売り。

Alan S. Farley [アラン・ファーレイ] – 食うか食われるかの市場の厳しさ、そこに落ちた投資家心理を、前線で闘ってきた戦士が非常に現実的に書いている。

Marcel Link – マーセル・リンク。

Josh Lukeman [ジョッシュ・リュークマン] : Morgan Stanleyの本職trader。それに相応しい内容で質が高い。

    The Market Maker’s Edge : Day Trading Tactics from a Wall Street Insider – 『トレードの教典』 – 技術から精神全般。

秋津学 – 移動平均線と補助に一目、BOX(水平支持抵抗線)中心。わかりやすく実践的だが、一目が出てくるなどtechnicalの絞り込みの洗練度に難。

    『株で毎日を優雅に暮らす法』 (2000)
    『株価チャート練習帳』 (2006)
    『株価チャート練習帳 スイング&デイトレ編』 (2006)
    『『会社四季報』練習帳―誰も気づいていない成長株・割安株・不人気優良株を見つけ出す』 (2007)
    『裏読み「会社四季報」』(2008)
    『勝率9割を目指す 株価チャート練習帳』 (2012)
    『最強の株ワザ25』 (2013)
    『投資の魔術師13人の超技法』 (2013)
    『『株黄金ルール』信じてよいか』 (2013)
    『「雲と線」私だけの株・FX教科書』 (2013)
    『大きく稼ぐトレーダーは『ロスカット』が上手』 (2013)
    『大きく稼ぐトレーダーは『ブレーク法』を使う」 (2014)
    『「移動平均線」満足度99%の株売買術』 (2015)
    『株チャート実戦ナビ(1)~トレード脳は模擬戦で作る!~』 (2015)
    『株チャート実戦ナビ(2)~稼げる投資力その鍛え方!~』 (2015)
    『株チャート実戦ナビ(3)~利食い損切り生き残り術!~」 (2016)
    『もうだまされない! 株式相場のダマシを簡単に見抜く法』 (2016)
    『「株デイトレ」錬金術~たった4技法を日々淡々と繰り返し雪だるま式に利益を積み重ねる実戦法~』 (2016)
    『「株スイング」錬金術~2日~2週間で小気味よく儲かるリッチで超カンタンな実戦スキル~』 (2016)

[Day-trading/Scalping]

1990sにInternetによりdaytradingが盛んになった後、FXも含め日中取引の技術が進化した。

Oliver Velez [オリバー・ベレス] Pristineを主宰。本質的なことを言うが、人に受け入れさせるように語るのは上手くない。特に初心者向けではなく、相場の厳しさと向き合う覚悟を決めた経験者向け。結局、精神指導・技法両面で二流。

    Tools and Tactics for the Master Day Trader (2000) – これの前半部分の心構えだけを翻訳したのが『デイトレード――マーケットで勝ち続けるための発想術』。本質を突いているが、精神的に受け入れがたい。
    Strategies for Profiting on Every Trade (2007) – 『罫線売買航海術』Pristineの技法に基づく、15分scalpingからposition tradeまで。実践的だが、無駄に独自用語を使ったりと今ひとつ。

Al Brooks [アル・ブルックス] : 図表で示さずに文章で大半を表現するので読みにくいが、言っていることは本物。

Bob Volman [ボブ・ボルマン] : 値動きを勢力争いと見抜き、その動向から抜ける可能性が高くなる方を取る。technicalは必要ないと言い切っている。

サンチャゴ : 5分足以上、歩み値と板読みで機関など大口投資家の動きを読んでそれに対処する方法を示したのは大きい。pivotを使うのが欠点。

    『日本一即戦力なFX講座 初級編: FXをプライスアクションで攻略』(2015)
    『徹底攻略 板読みデイトレード 板読みスキャルピングと価格帯別出来高の極意』(2014)
    『プロになるためのデイトレード入門 1巻 板読みと歩み値を極めてライントレードの精度をあげる編』(2014)

[Mentor]

精神・心理は投機において中核を占める。

Alexander Elder (1950-) [アレクサンダー・エルダー] : 精神分析医。本職なので語り口が柔らかく、聞き入れやすい。基本的な資金管理と精神面において素晴らしいものがあり、特に初心者には有り難い。一方で、技法は無意味な独自technicalに依存したもので役に立たない。よってQ&Aや「スタディガイド」の類いは無価値。

Brett N. Steenbarger – ブレット・N・スティーンバーガー。精神医学者。

行動心理学の本筋から投機家がなぜ失敗するのか、その失敗を自己批難して懲罰するだけではなぜ駄目なのか。そしてどう自分を変えていくのかを詳しく説いている。精神・心理系では最上の部類。

Mark Douglas (1945-2015) [マーク・ダグラス] : 人間存在の成り立ちに迫り、深層心理からtraderの在り方を示した。基本的には心理学的知識と相場実践を統合して、心理的制限を受けない最適行為を目指したもの。

    The Disciplined Trader (1990) – 『規律とトレーダー
    Trading in the Zone (2000) – 『ゾーン』 様々な経験や技術を身に着けたが、その経験故に自由に振る舞えなくなった中級者が上級者になる鍵。

Richard L. Peterson [リチャード・ピーターソン] : 行動経済学・精神医学者

NLP(Neuro-Linguistic Programming)

    Adrienne Laris Toghraie(エイドリアン・ラリス・トグライ) “Winning Edge 4: Traders’ & Investors’ Greater Success” (2004) – 『NLPトレーディング 投資心理を鍛える究極トレーニング』。神経言語プログラミング (Neuro-Linguistic Programming) 。実際の行動がこれまでの経験で構築されてきた深層心理や自分を取り巻く環境で構築されているということ、それをどう改善していくかということをこれほど仔細に語った相場本は他にない。
    『新マーケットの魔術師』の第七章 トレーディングの心理学 チャールズ・フォルクナー pp.431-456もNLP。「時間と経験を積んで、一つのsystemを極めるものだけが成功する」「成功するのはリスクを探すのではなく、避けることを習得したトレーダーなのである」

NLP(Neuro Linguistic Programming [神経言語プログラミング])というのは1980sに米国で開発された疑似科学のNew Age 心理学宗教。NLPはGestalt therapy(ゲシュタルト療法)やCybernetics(サイバネティクス)から影響を受け、方法論や意味論など言語学的手法を組み合わせた研究から始まり、LGAT(Large-group awareness training [自己啓発セミナー])を批判したりしていたが、逆にseminarに取り込まれて、現状はseminarそのものである。
人間の深層部分の構築や在り方にtradeは強く支配されているという基本認識は当たっており、Mark DaglasのZONEとかなり重なるが、手法に科学的裏付けは一切ないので、どこまで信用するかというもの。少なくとも『NLPトレーディング』については、巷間言われるNLPの怪しげな部分はまったく見えない。恐らくNLPはそれを取り入れて応用しているtrainer次第でかなり異なるものになっていると思われる。

David Cohen – 精神分析学者

    Bears and Bulls: Psychology of the Stock Marke (2000) – 『相場を動かすブルの心理、ベアの心理』(メトロブックス)。Fear,Greed&Panicが増補新版。
    Fear,Greed&Panic – The Psychology of the Stock Market (2001) – 『相場を動かすブルの心理、ベアの心理』(主婦の友) 心理学者が色んな相場関連のことや相場師をネタに色々書き連ねたもの。致命的なのは著者当人が相場をやっていない。

Thomas F. Basso (1956-) [トム・バッソ]

    Panic-Proof Investing: Lessons in Profitable Investing from a Market Wizard (1998) – 『トム・バッソの禅トレード』旧題:『成功者への道―ウォール街実践投資マニュアル』。投信やportfolioの組み方を中心としたもので、心理面の解説も評価は低い。

Ari Kiev (1934-)[ アリ・キエフ] : 精神医学者

    A Strategy for Handling Executive Stress (1974)
    Drug Epidemic (1975)
    A Strategy for Success (1977)
    Active Loving: Discovering and Developing the Power to Love (1979)
    Executive stress (1979)
    How to Keep Love Alive (1984)
    Breaking Free of Birth Order (1993)
    Trading to Win: The Psychology of Mastering the Markets (1998)
    Trading in the Zone : Maximizing Performance with Focus and Discipline (2001)
    The Psychology of Risk: Mastering Market Uncertainty (2002) – 『リスクの心理学』
    Hedge Fund Masters: How Top Hedge Fund Traders Set Goals, Overcome Barriers, and Achieve Peak Performance (2005) – 『トレーダーの心理学 – トレーディングコーチが伝授する達人への道
    Hedge Fund Leadership: How To Inspire Peak Performance from Traders and Money Managers (2008)
    A Strategy for Daily Living: The Classic Guide to Success and Fulfillment (2008)
    The Mental Strategies of Top Traders: The Psychological Determinants of Trading Success (2009)
    Mastering Trading Stress: Strategies for Maximizing Performance (2009)

田中泰輔 『マーケットはなぜ間違えるのか 揺れる相場の情報行動学』(1995) 日本で行動経済学で相場を説明した走りみたいな本。最後の章が全部technical手法の解説。

Michael Martin : CTAのtrader

    The Inner Voice of Trading: Eliminate the Noise, and Profit from the Strategies That Are Right for You(2011) – 『内なる声を聞け

Jason Williams ジェイソン・ウィリアムズ – Larry Williams(ラリー・ウィリアムズ)の息子で精神科医。

    The Mental Edge in Trading – 『トレーダーのメンタルエッジ』三流の脳科学・精神本。外交的<=>内向的が縦軸、神経症的かどうかを横軸とする性格診断が中心。一応、正規の学説を元にしているらしいが程度が低く中身が薄い。雑学以上の中身は無い。

Bo Yoder ボー・ヨーダー

Van K. Tharp – ヴァン・タープ。R倍数を売りにする役立たずの三流学者。seminar屋。

    Trade Your Way to Financial Freedom (1999) – 『魔術師たちの心理学』『新版 魔術師たちの心理学
    Safe Strategies for Financial Freedom (2004) – 『魔術師たちの投資術 経済的自立を勝ち取る』
    The Definitive Guide to Position Sizing (2008) – 『タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門』は抄訳。英語版はseminar教材並の高さ。

Tarpの著書はつまみ食いの寄せ集めで役に立たない上に、『魔術師たちの心理学』はまったく関係の無い題名を改竄したものなので注意。

[Technical]

Technical(テクニカル)分析

Ralph Nelson Elliott (1871-1948) – ラルフ・ネルソン・エリオット。自然界の全てに共通する波動理論を構築。

William Delbert Gann (1878–1955) [W.D.ギャン] : 様々なGann Theory(ギャン理論)を生み出した、Technicalの元祖の様な人物。Cycle理論、Gann角度など。占星術も取り入れる。

    Truth of The Stock Tape (1923) – 著作集1
    Tunnel Thru The Air (1927)
    Wall Street Stock Selector (1930) – 著作集1
    New Stock Trend Detector (1936) – 著作集2
    Face Facts America (1940)
    How to Make Profits in Commodities (1941) – 著作集2
    45 Years in Wall Street (1949)
    The Magic Word (1950)
    WD Gann Economic Forecaster (1954)

    W.D.ギャン著作集-株価の真実・ウォール街 株の選択
    W.D.ギャン著作集〈2〉株式トレンドを探る・商品で儲ける法

    林康史『ギャンの相場理論』 – 著作集I,IIを元に技法だけを説明。林は著作集にも解説を寄せている。

    James A. Hyerczyk “Pattern, Price & Time: Using Gann Theory in Trading Systems” (1998)『実践ギャン・トレーディング―相場はこうして読む』- 理論の実践。

      青柳孝直 – Gann理論を勝手に一目均衡表などと組み合わせた独自のやり型をさもGann専門本かの様に見せかけているだけ。いい評判は見ない。例えば、Geoge McLaughlin(ジョージ・マクロークリン)・青柳孝直 『ギャン理論―すべての現象の中にルールがある』 は、”Geoge McLaughlin”もしくは”George McLaughlin”なる者は検索しても出てこない。英題名”The Basic Gann Theory”の英書も存在しない。青柳の『[新版] ギャン理論』などは、Gann Theoryを一目均衡表と組み合わせて適用した本であり、この本も恐らく青柳の単著。内容はGann theoryを彼流に解釈・利用したもの。

ギャンの決して失敗しない24のルール
ギャンの価値ある28のルール(W. D. Gann’s “Twenty-eight Valuable RulesW. D. Gann’s “Twenty-eight Valuable Rules)

Robert D. Edwards他

John J. Murphy

    “Technical Analysis of the Financial Markets” (1986) – 『先物市場のテクニカル分析』。Dow TheoryからElliot,trend line,flag/penantなどchart形、移動平均、出来高、Cycleなど辞書的に一通り抑えてあるが実践に用いることの出来る次元ではない。point and figureに詳しいのは珍しい。chart・図版も多く、一冊は持っておくべき。
    Study Guide to Technical Analysis of the Financial Markets: A Comprehensive Guide to Trading Methods and Applications (1987) – 『先物市場のテクニカル分析スタディガイド』 – 辞書の内容を試験にしてしまったことで、より実践性から離れた。資格をとるのでもない限り無用。
    The Visual Investor: How to Spot Market Trends (1996)
    Intermarket Technical Analysis: Trading Strategies for the Global Stock, Bond, Commodity, and Currency Markets (1991) – 『市場間分析入門~原油や金が上がれば、株やドルや債券は下がる! 』 – 異なる市場間の動きの関連性を調べた本。
    Charting Made Easy (2012)

Jack D. Schwager “Getting Started in Technical Analysis” (1999) – 『シュワッガーのテクニカル分析 初心者にも分かる実践チャート入門』は、『マーケットのテクニカル百科』と『先物市場のテクニカル分析』を部分的に混ぜたような内容。より初級者向けかつ実践的。出来高を無視しているのが欠点である一方、chart patternは理解しやすい。またinterviewと自身の実践を通して創り上げた教訓やsystem構築は単なる紹介を越えたものがある。

Thomas N. Bulkowsk

    Encyclopedia Of Chart Patterns (2nd 2005) – 単なるpattern総覧ではなく、それぞれの成功や失敗の確立を検証している。

David Aronson

野坂晃一・増田克実

    『移動平均線の新しい読み方 – 6つのポジションで相場を見通す』(2010) – 初心者はこれ一つ抑えておけば十分。むしろ余計なtechnicalは害になる。

Joseph E.Granville (1923–2013) – ジョセフ・グランビル

    A Schoolboy’s Faith: Impressions of a Todd student (1941) – Todd Seminary for Boysについて書いた本だと思われる。
    Everybody’s Guide to Stamp Investment (1952)
    Granville’s New Strategy of Daily Stock Market Timing for Maximum Profit (1960) – 『グランビルの投資戦略―株価変動を最大に活用する技法』
    Granville’s New Key To Stock Market Profits (1963)
    How to Win at Bingo (1977)
    The Book of Granville Reflections Of A Stock Market Prophet (1984)
    The Warning: The Coming Great Crash in the Stock Market (1985) – 『グランビルの警告―大暴落は来るか?』
    The Stock Market Teacher: Technical Analysis for the Post-crash Period (1988)
    Granville’s Last Stand: Secrets of the Stock Market Revealed (1995)
    Price Predictions for the Next Five Years in Mint U. S. Commemoratives and Airmails, 1947-1951 (2013)
    Price Predictions, V2: Mathematical Tables and Supplementary Data (2013)

    川合正治 『グランビルの投資戦略早わかり―アメリカ式株式チャート実践入門』 (1986)

日本では「グランビルの法則」で知られるが、On-Balance Volume (OBV,累積騰落出来高指数)が有名。OBVは『先物市場のテクニカル分析』 pp.203-211ないし鏑木繁『先物罫線』pp175-176に解説。Newsletterを通じて預言者のように振る舞い大きな影響力を持った。

1981年のはじめに、株式市場のカリスマ的存在であるジョセフ・グランビルが、株式市場は崩壊しようとしていると断言した。「すべては売れ」と、グランビルは彼の助言サービスを購読する数千もの弟子たちに指示した。予想された崩壊は起こらなかった。市場は1981年を通じて上がったり下がったりを続けた。グランビルは依然として弱気相場を予想していた。翌年の1982年、すばらしい強気相場が始まり、それは人の記憶に残る最も強力な強気相場だった。取り残された人々は心底、後悔した。グランビルだけが強気相場を予測できなかったわけでも、その反対を予想していたわけでもない。『マネーの公理』第四の公理

John A,Bollinger [ジョン・ボリンジャー]

    “Bollinger on Bollinger Bands” (2001) – 『ボリンジャー・バンド入門』。開発者当人が書いており、その分細かすぎる面も。bollinger bandsは、一定期間の移動平均線を中心に変化した量の偏差値で段階をつけて幅を取り、外側に行くほど可能性が低くなるという指標。

林輝太郎 『定本酒田罫線法』(1997) – 輝太郎唯一のtechnical本。本間宗久作と謂われる諸本を分析し、その実相に迫ると同時に、酒田罫線法の本来の姿を解き明かしている。

小澤實 『相場に勝つローソク足チャートの読み方』(2002) – “明けの明星”や”赤三兵”などローソク足の型を実例とともに多数紹介し、その裏にある相場参加者の動きや心理を解説している。欠点なのは週足基準であるために、無理があること。『定本酒田罫線法』を読めばわかるが、ローソク足の変化はあくまで日足で判断するのが本来で、しかも型は一種の迷信である。とは言え、面白く親しみやすい良本。

伊本晃暉

細田悟一 (1898-1992) – 商品市場担当記者。一目山人を称し、1936ADに新東転換線(一目均衡表)を開発し、発表した。

一目均衡表は、難解で役に立たないという人の方が多い。日本の一部でしか使われていないので、自己実現性が低い。高価な商材商法(しかも意図的に一部を絶版にして密教化)をやっており、その商材を見たりseminarを受けないと理解できないというのでロクでもない、と三拍子揃っているので相手にする必要はない。実態は林輝太郎『相場師スクリーニング』pp.201-204に出ている。

柴田秋豊 (1901-1972) – 5000年に及ぶ罫線を分析したとかいう柴田罫線の発明者。天底での転換を捉えられるのが特徴で、本流・亜流含めて随分商法として売られた日本版の「聖杯」。柴田自体は東証・業種の修正平均(DOW30などと同じ)を売っていた。

Richard W. Arms Jr.(1930s-) – TRIN(TRading INdex/Arms Index)の発案者。Connorsなどが使用。

Anna Coulling – アナ・クーリング。評価の良い初心者向けの本を書いている人。

Mark B. Fisher “The Logical Trader” (2002) – 『ロジカルトレーダー』。pivot(前日高値+安値+終値/3)を基盤とする、ACD system。役に立たない。

J. Welles Wilder, Jr. (1930s-) – J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア:ATR(Average True Range)、RSI(Relative Strength Index)/ADX(Average Directional Index)/Parabolicなど多用されるtechnical toolを幾つも開発。

Gerald Appel – ジェラルド・アペル。MACDの開発者。著書は多いが評価が高いものは少ない。

    99 ways to make money in a depression (1981)
    Stock Market Trading Systems (1990)
    Winning Market Systems : 83 Ways to Beat the Market (1991)
    Opportunity Investing: How To Profit When Stocks Advance, Stocks Decline, Inflation Runs Rampant, Prices Fall, Oil Prices Hit the Roof, … and Every Time in Between Hardcover (2006)
    Understanding MACD (2008)
    Technical Analysis: Power Tools for Active Investors (2005) – 『アペル流テクニカル売買のコツ MACD開発者が明かす勝利の方程式
    Beating the Market, 3 Months at a Time: A Proven Investing Plan Everyone Can Use (2008)

Markus Heitkoetter – マルクス・ヘイトコッター

Thomas R. DeMark – トーマス・R・デマーク

Jeffrey A. Hirsch

[Algorithm Trading]

Charles LeBeau – チャールズ・ルボー

Thomas Stridsman – トーマス・ストリズマン

Tushar S. Chande – トゥーシャー・シャンデ

Robert Pardo ロバート・パルド

Brent Penfold – ブレント・ペンフォールド

    The Universal Principles of Successful Trading (2010) – 『システムトレード 基本と原則』 単なるalgorithm取引の本ではない。「勝者と敗者を分かつものは心理以外の何物でもない」というメッセージに対して、「私はこれに賛成しない。 敗者が勝てないのは、自分の手法を確認して検証することを知らないからだ。心理も大切だが、私は資金管理と売買ルールのほうを上位に置くべきだと思っている。」資金管理について非常に優れており、technical toolの有効性についてをこれほど切り込んだものはそうない。「変数を含むどんなtoolも主観的すぎるのだ。それは柔軟すぎて頼りにならない。それは単にあなたを電子的に複製するだけだ。それらは進んであなたの家来になり、あなたが入力したものを喜んでそのまま返してくれる。あなたがまだ知らないことは何も教えてくれない。それらはあなたが与えたものの姿を変えているだけだ。それらは頼れるだけの客観性や独立性を持っていない。それらは売買法を過去のdataにぴったり合わせるのを、進んで助ける協力者になるのだ」「12際の子供があなたと同じようにそのtoolを解釈できなければ、それは捨てるべきだ。解釈の余地はない。それは固定されていなければならない。単純明快で、白黒がはっきりしている。あちこち灰色の部分はない。」

あらなみの里 検証について

林輝太郎 『相場師スクリーニング』 pp



[相場環境]

[Environment]

Charles Mackay (1814-1889)

Edward Chancellor (1962) [エドワード・チャンセラー]

    Devil Take the Hindmost – A History of Financial Speculator (1999) – 『バブルの歴史ーチューリップ恐慌からインターネット投機へ』 1637 Netherlands Tulip mania(チューリップバブル),1690s UK Exchange street,1720s France 南海泡沫事件,1800s,1820s UK 南米新興市場鉱業熱,1840s USA 鉄道熱,1860s Gilded Age(金ピカ時代),1929 USA 世界恐慌、1940-1990 戦後体制と西側資本主義,1980s 日本の土地泡沫経済。単に事件の説明だけでなく、前後の歴史に詳しい。

Fred Schwed Jr.

John Brooks (1920-1993) – ジョン・ブルックス・The New Yorkerの記者

    The Fate of the Edsel & Other Business Adventures (1963) – 1969のBusiness Adventureの元になるような本。雑誌に発表したものの寄せ集め。FordのEdselを取り扱っている。
    Once in Golconda: A True Drama of Wall Street 1920–1938 (1969) – 『アメリカ市場創世記 ──1920-1938年大恐慌時代のウォール街』。和訳が中学生以下の最悪水準。
    Business Adventures: Twelve Classic Tales from the World of Wall Street (1969) – 『人と企業はどこで間違えるのか?』
    The Go-Go Years (1973) – Roller coasterの流行とその終焉。
    The Games Players: Tales Of Men And Money (1980)

Michael Lewis [マイケル・ルイス]

Nassim Nicholas Taleb (1960-) [ナシーム・ニコラス・タレブ]

    Fooled by Randomness: The Hidden Role of Chance in Life and in the Markets (2001) – 『まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか』
    The Black Swan: The Impact of the Highly Improbable (2007,2010) – 『ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質』 上・下
    The Black Swan: Second Edition: The Impact of the Highly Improbable: With a new section: “On Robustness and Fragility” (2010) – 『強さと脆さ』
    The Bed of Procrustes: Philosophical and Practical Aphorisms (2010) – 『ブラック・スワンの箴言』
    Antifragile: Things That Gain from Disorder (2012)

Edgar E. Peters (1952-) [エドガー・E. ピーターズ]

    Chaos and Order in the Capital Markets: A New View of Cycles, Prices, and Market Volatility – 『カオスと資本市場―資本市場分析の新視点』 random walkでなくchaosであるというのが新しい潮流だが、かなり質の悪い訳らしい。




[Gamble]

Juel E. Anderson


[相場師]

[Interview]

著名投資家へのinterview(聞き取り)は『マーケットの魔術師』で流行った。そのようなinterview集や第三者による著名人の集合的記述。

Jack D. Schwager (1948-) – ジャック・D・シュワッガー

    Market Wizard (,2012) – 『マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣

      Michael Marcus – マイケル・マーカス
      Bruce Kovner
      Richard Dennis – リチャード・デニス。Turtles。
      Paul Tudor Jones – ポール・チューダー・ジョーンズ
      Gary Bielfeldt
      Ed Seykota – エド・スィコータ
      Larry Hite –
      Michael Steinhardt
      William O’Neil – ウィリアム・オニール
      David Ryan – デヴィッド・ライアン。O’Neilの弟子でその会社で働く。
      Marty Schwartz
      Brian Gelber
      Tom Baldwin – トム・ボールドウィン
      Tony Saliba
      Dr.Van K.Tharp – ヴァン・K・タープ

    The New Market Wizards: Conversations with America’s Top Traders (1994) – 『新マーケットの魔術師 米トップトレーダーたちが語る成功の秘密

      Bill Lipschutz
      Randy McKay
      William Echhardt – ウィリアム・エックハート
      The Turtles
      Monroe Trout – モンロー・トラウト
      Al Weiss
      Stanley Druckenmiller
      Richard Dreihaus
      Gil Blake
      Victor Sperandeo
      Tom Basso – トム・バッソ
      Linda Bradford Raschke – リンダ・ラシュキ
      Mark Ritchie
      Joe Ritchie
      Blair Hull
      Jeff Yass
      Charles Faulkner
      Robert Krausz

    Stock Market Wizards: Interviews with America’s Top Stock Traders (2003) – 『マーケットの魔術師 株式編』は旧版。『マーケットの魔術師【株式編】《増補版》

      Stuart Walton
      Steve Watson
      Dana Galante
      Mark D.Cook
      Alphonse “Buddy” Fletcher Jr.
      Ahmet Okumus
      Mark Minervini – マーク・ミネルヴィニ
      Steve Lescarbeau – スティーヴ・レスカルボー
      Michael Masters
      John Bender
      Claudio Guazzoni
      David Shaw
      Steve Cohen
      Ari Kiev – アリ・キエフ

    Hedge Fund Market Wizards: How Winning Traders Win (2012) – 『続マーケットの魔術師 トップヘッジファンドマネジャーが明かす成功の極意

Art Collins – アート・コリンズ。Mechanical trade絶対主義者。

[Biography]

John Boik(ジョン・ボイク)

    Lessons from the Greatest Stock Traders of All Time (2004) – 旧版『伝説のマーケットの魔術師たち』が『黄金の掟―破産回避術』として、改良された新訳版が出ているので後者の方がいい。内容はLivermoreの手法を現代株に当てはめたりしていて、軽いが良本。Jesse Livermore,Bernard Baruch,Gerald Loeb,Nicolas Darvas,William O’Neil

[Person]

David Ricardo (1772-1823) [デイヴィッド・リカード]

経済学者。どちらに転ぶかわからないWaterloo(ワーテルロー)の戦いを前に英国公債を引き受け、戦勝により莫大な富を得る。それ以前に裁定取引での鞘取りを得意する相場師であった。

Cornelius Vanderbilt (1794-1877) [コーネリアス・ヴァンダービルト]

19世紀の米国資本市場はGilded Age(金ピカ時代)と呼ばれ、Robber baron(泥棒貴族)が派手に立ち回った。この当時の投機家に事業と相場の境はなく、株式市場も規制などほとんど何も無い状態で、買い占め、乗っ取り、風説の流布、あらゆることが可能だった。中でもVanderbiltは、その事業の都合次第で中南米諸国の政権すら左右する恐るべき帝国主義の事業家だった。

    『アメリカン・ドリーマーの末裔たち―ヴァンダービルト一族の栄光と没落』 – 子孫が書いたCorneliusだけでなく、一族のその後。帝国主義時代に興味があるなら甚だ面白い本。
    『本当は恐ろしい世界の名家』 – Vanderbilt,Rockefellerなど世界の有力一族をわかりやすく説明している。

Daniel Drew (1797–1879) [ダニエル・ドルー]

Vanderbiltと死闘を繰り広げた好敵手。家畜を扱う貧民の家庭に生まれ、徴兵された後、Circus団員や宿屋の主人など様々な経験を経た後、詐欺的な家畜売買から投機へ進出し長期間成功した。Erie鉄道買い占めを巡るVanderviltとの死闘は、詐欺的な新株発行が裁判で違法判定され、法律の及ばない隣州に逃げて武装闘争まで行ったが、子分のJames FiskとJay Gouldに裏切られて敗北。以後は破産に突き進み人生を終えた。

John Pierpont Morgan (1837 –1913) [J.P.モルガン] 企業向け金融の支配者。

父親の代には既に資本家という家庭に生まれる。南北戦争で南軍に廃棄物寸前の銃を大量に売りつけたり、都市陥落の逆張りで大金を得る。その金融の力はRothschild(ロスチャイルド)家に匹敵した。

Jason “Jay” Gould (1836 – 1892) [ジェイ・グールド]

貧農の家庭に生まれ、厳冬でも裸足で近在に牛乳を搾って配達して生計を立てた。南北戦争の英雄Grant(グラント)大統領を嵌めて金相場を高騰させて売り抜き、暗黒の金曜日を演出した。

米国の投機家でGouldほど口汚く罵られる相場師はいない。「痩せ型で、腺病質で、陰湿で、秘密主義で、狡賢い、だれにも毛嫌いされ、例外は自分の家族と吝嗇で有名な大金持ちの高利貸しだけ」「キリスト誕生以来、地上に登場した最悪の男だ。平気で人を裏切り、嘘をつき、臆病で、卑小な虫けらで」「グールドは自分がはまった墓穴に他人を身代わりに入れて自分だけは脱出した」『バブルの歴史』

Andrew Carnegie (1835-1919) [アンドリュー・カーネギー] 鉄鋼王。投機的事業中心だが、その延長で株も取り扱った。

John Davison Rockefeller (1839 – 1937) 石油業界の支配者。歴史上、世界で最も裕福な男。

Edward Henry “Ned” Harriman [E.H.ハリマン] (1848-1909) 鉄道王。世界一周鉄道の野望を抱き、次々と中小鉄道会社を買収、J.P.Morganと対決して屈服させる。満鉄の経営参加を桂太郎に打診したがひっくり返された。これが戦前の日本が破滅した遠因ともなった。

George Soros (1930-) [ジョージ・ソロス] – 為替と債権の相場師。leveragedの短期投機を得意とする。大量の著作があり、反共和党的な政治活動も多い。

    The Alchemy of Finance (1987,2003) – 『新版 ソロスの錬金術』(2009)が加筆された新版(2003)の訳出。1987版は『ソロスの錬金術』(1996)『相場の心を読む』(1988)だが評判はどちらも良い。再帰性理論を語った最初の著作で、その分難解。
    Soros on Soros: Staying Ahead of the Curve (1995) – 『ジョージ・ソロス』 自伝。
    The Crisis Of Global Capitalism: Open Society Endangered (1998) – 『グローバル資本主義の危機―「開かれた社会」を求めて』
    Open Society: Reforming Global Capitalism (1998) – 『グローバル・オープン・ソサエティ―市場原理主義を超えて』
    George Soros On Globalization (2002)
    The Bubble of American Supremacy: The Costs of Bush’s War in Iraq (2003) – 『ブッシュへの宣戦布告―アメリカ単独覇権主義の危険な過ち』
    George Soros on Globalization (2005)
    The Age of Fallibility: Consequences of the War on Terror (2006)
    The New Paradigm for Financial Markets: The Credit Crisis of 2008 and What It Means (2008) – 『ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ』
    The Crash of 2008 and What it Means: The New Paradigm for Financial Markets (2009) – 『ソロスは警告する 2009 恐慌へのカウントダウン』 似たような題名なのは増補版だから。
    The Soros Lectures: At the Central European University (2010) – 『ソロスの講義録― 資本主義の呪縛を超えて』
    My Philanthropy (2012) – 『ジョージ・ソロス―投資と慈善の哲学 (NHK未来への提言)』
    Financial Turmoil in Europe and the United States: Essays (2012) – 雑誌や新聞への寄稿のまとめ。
    The Tragedy of the European Union: Disintegration or Revival? (2014) – EU崩壊の予言。

天才投資家ジョージ・ソロスの「再帰性理論」をもっと分かりやすく!=東条雅彦 | MONEY VOICE

Carl Icahn (1936-) [カール・アイカーン] : 乗っ取り屋。Trumpを支援。

Martin S. Schwartz [マーティン・“バジー”・シュワルツ]

日本の相場師

市場における投機という分野において、日本は歴史上特殊な地位を占めている。
それは、江戸時代に米先物市場が成立し、それが連続的に近代的な株式・先物市場へと移行したからだ。

[伝記]

鍋島高明 – 相場師伝記作家。江戸時代から現代まで。

    『今昔お金恋しぐれ 文学に見るカネと相場99話』(2000)
    『相場師異聞―一攫千金に賭けた男たち』 (2002)
    『相場師奇聞―天一坊からモルガンまで』 (2003) – 一人十頁。
    『ヘタな経済書より名作に学べ 古今東西52編が語る金と相場』 (2004)
    『賭けた儲けた生きた』 (2005) – 一人十頁。
    『相場ヒーロー伝説 -ケインズから怪人伊東ハンニまで』(2005)
    『相場師秘聞 波瀾曲折の生涯』 (2006)
    『日本相場師列伝』 (2006) – 文庫で一人四頁。名前・経歴・信条で埋まるので実質三頁の記述。
    『日本相場師列伝II』 (2008) – 同様。
    『天才相場師の戦場』 (2008)
    『一攫千金物語 日本相場師群像』(2009) 単に人物だけというより、頁数を定めず一章で時代そのものを描く。

      「北浜の平ちゃん」が行く 最後の相場師・畠中平八
      先見力で風雲呼ぶ木下茂 – ある鉄商の栄光と挫折
      児玉富士男の北浜奮戦記 – 小僧上がりの相場名人
      「蛎殻町は俺の戦場だ」 – 米騒動で名を残す増田貫一
      米騒動で失脚した仲小路農商務相 – 相場師を市場から放逐した男
      中共の怪傑・林茂 – 元の無一文に戻る
      足るを知る男・川村佐助 – 近藤紡・山種を連覇
      「桑名筋」板崎喜内人-相場師が経営者になって失敗
      ハマイト黄金期の電光将軍-NYまで轟く「コジマ」の名
      自由民権壮士と相場師 – 山栗門下の大矢正男
      下関米穀市場繁盛期(豊永長吉)
      堂島を沸かせた面々
      東株の黄金時代築いた二人の男(取引所を産業インフラに育てた郷誠之助・相場は「God Knows」河合良成)
      異彩の商品取引所理事長二人(新聞社社長で米穀取引所を仕切る斉藤修一郎・大阪財界のドン杉道助)
      先物寸言

    『語り継がれる名相場師たち』 (2010) – 文庫で一人5-6頁。
    侠気の相場師 マムシの本忠 吉原軍団が行く』 (2010) – 戦後の商品先物業界で「マムシの本忠」と恐れられた本田忠―

青野豊作 (1934-) – 経済誌記者、商訓研究。

    『相場師入門ー株のプロを目指せ』(2000) – 本間宗久の研究者。福沢桃介に多くの頁を割いている。他、田附政次郎など相場師の記述。戦前~戦後の日本株式市場の様々な出来事が経験的に語られるので、日本株市場の歴史的背景を知るのにもいい。

[相場師]

18世紀後半 – 米先物取引
堂島米会所 前史 (1697-) 米 (1730-1869) 綿など商品全般 (1871-1939)

本間宗久 (1724-1803) – ローソク足・酒田五法の考案者であるとされる。『宗久翁秘録』『相場三昧伝』

    『本間宗久相場三昧伝-相場道の極意-』 (1994)原文は抄録。
    青野豊作『相場秘伝 本間宗久翁秘録を読む―希代の天才相場師に学ぶ必勝の法則』(2002)

牛田権三郎 (?~1755~?)- 世界初の先物市場である大阪米相場で活躍。『三猿金泉秘録』(1755) は和歌で本髄を表現し、評価が高い。

    喜多村政一『三猿金泉秘録-和歌で相場道を極める-』 (1991) – これが唯一原著に忠実なようだ。
    清水洋介 『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」』(2006) – 本間の三昧伝と三猿を引用して極意を解説するという手法。余計な文章が多い。

三猿金泉秘録より 相場戦略研究所

猛虎軒 (?~1756-1798~?) – 『八木(はちぼく)虎の巻』『八木豹之巻』『八木竜之巻』を著す。実体不明。

他江戸時代の相場本で引用されるようなものは、『売買出世車』(1758)『商家秘録』(1771)『相庭高下伝』(1801)など。

戦前 – 株のposition tradeと買い占め合戦。日本版金ぴか時代。

田中平八 (1834-1884) – 幕末の志士。「天下の糸平」。東京株式取引所設立。
雨宮敬次郎 (1846-1911) 「大いなる脱線男」 若い頃に洋行。鉄道王。相場は下手。

松村辰次郎 (-1931) – 『松辰遺稿』を残した米相場師。買い占めで有名だが、そういった実需の妨害は間違いだと語っている。最後に失敗したものの、その才能は「天下の糸平」を超えると評価され、言う所も深い。

福沢桃介 (1868-1938) – 福澤諭吉の娘婿。洋行後、結核で相場へ。ただし、日清・日露戦争など大相場での買いだけ。投機的実業家に転身して電力王となり、川上貞奴などを妾にした。

鈴木久五郎 (1877-1943) – 日露戦争景気でボロ儲けしたが、大隈重信の忠告を無視し、その後の暴落で破産。孫文を援助。衆議院議員。

株で兆った男――現代語訳・鈴木久五郎の告白記三編

野村徳七 (1878-1945) – 日露戦争後の暴騰を「相場は、狂せり。」と断言、売り方に回る。野村證券を設立。
岩本栄之助 (1877-1916) – 児玉源太郎副官。中之島公会堂の寄贈者。第一次大戦後の暴落を予見して売りに回ったが、時期が早すぎて破滅した。
太田収 (1890-1938) – 東大出。犬養毅が秘書に求めたが山一證券に入社、「兜町の飛将軍」と呼ばれるようになる。社長にまで上り詰め、鐘紡のinsider情報で勝負をかけるが、政府命令で抑え込まれて破滅し自殺。

戦後

鈴木隆 (1882-1978) – 小学校教師でありながら相場で莫大な金を稼ぎ、衆議院議員となって犬養内閣の会計監査官にまでなった。その相場法は甚だ投機的で浮き沈みが激しい。戦前の相場師で著作を表したのは松辰と鈴木だけと謂われる。概要

    『欧米漫遊百話意外の意外』 (1922)
    『株式成功大觀』 (1948) – これを改題した『株式成功大学』が、『株式商品 成功相場大学』に収録されている。
    『政界うらおもて』 (1952)
    『株式成功哲学』 (1954)
    『株で儲ける法』 (1954)
    『相場で機会を掴む法』 (1955)
    『学園と観光の鎌倉』 (1955)
    『株式富豪への道』 (1957)
    『鎌倉と各郷土の縁故』 (1957)
    『お金のため方ふやし方』 (1959)
    『成金とは』 (1960)
    『房総と鎌倉との縁故』 (1962)
    『鎌倉と信濃』 (1961)
    『鎌倉の富源開発』 (1962)
    『政界思い出百話』 (1966)
    『出よ英雄私の英雄論 日本編』 (1971)
    『株式商品 成功相場大学』 (1990) - 株式成功大觀に中村佐熊の無意味な本をくっつけた本。

山崎種二 (1893-1983) – 「売りの山種」。活動時期は戦後の早い内に寄っている。

川村佐助 (1898-) – 糸将軍。「足るを知る者は富む 相場に逆らうこと勿れ」 足るを知る者は勝つ~「糸将軍」川村佐助氏の教え | 週間先物ジャーナル 2015年5月4日─第1281号

    『足るを知るこころ : 奉仕報恩の人生 』(1987) – 自伝

是川銀蔵 (1897-1992) – 戦前大陸にわたって地を這うような商売を凌ぎ、そこで得た経験から鉱山株の投機に進出。同和鉱業や住友鉱山買い占めなどを行った「最後の相場師」。

    『自伝 波乱を生きる―相場に賭けた60年』(1991) – 『相場師一代』がその文庫化だと思われる。
    木下厚『最後の相場師 是川銀蔵』(2011)

“最後の相場師”こと是川銀蔵 遺産は2LDKマンションだけ│NEWSポストセブン

清水正紀 (1915-2014) – 日本商品先物振興協会(振興協会)の前身である全国商品取引員協会連合会(全共連)の会長。戦後商品先物界を象徴する人物。「相場に度胸はいらない」 – 相場に必要なのは、自分の出来る相場技術を駆使する冷静さのみ(週刊 先物ジャーナル 2015年2月2日 第1268号)。

岡部寛之 (1917-) – 著書百五十以上。高度成長期に表向きは会社や家庭にとらわれない自由な生き方と当時としては優位性のあった基本的なtechnical技術を使って成功した個人投資家。

    『株の売買入門』 (1974)
    『金儲けのライフワーク―半生で数十億円!岡部式丸儲け術』(1978)
    『素人投資家を出し抜く「大儲け」の極意』 (2006) - 『株 大儲けの定石集』(1973)と『岡部寛之の丸儲け自伝(金儲けのライフワーク)』(1972)を再編したもの。

岡部は定年まで会社勤めを続けて退職金は貰う、ダンス教師、免許を取って大学講師、百五十冊以上の著書を書きまくって印税で儲けるなど稼ぐ機会は徹底利用する一方、飲み代はケチる、戦時中の火災保険を利用、妻子は持たず養わない、国家愛・郷土愛・会社愛など所属集団への愛情は一切ない徹底した利己主義者でかつ享楽主義者でもあったので「遊ぶヤツほどよく儲けられる」と嘯いている。若い時分は文学志望だったが、Marxismに触れ唯物論にハマり、疑似科学の資本論などの延長で一種の社民主義革命の資金集めのために株取引を始める。当初は親の預金を無断で引き出してやるというものだった。腸捻転で入院した際に入院費としてその親に金を使い込まれたので以後一切家族すら信用しなくなる。その活動は戦時中を挟んでおり、詐病で徴兵を回避した話やら・・どうも自伝を読んでいると読者を喜ばすために脚色した面白話でないかという気がする。「百五十冊の著作」だが、国立国会図書館の検索で調べると、1939の『配当制限と今後の株式』からだから相当な数になるだろうが、実体は不明である。

 「定石を体得し、実践で鍛えられた相場師が、なぜ敗北したのか。これは5,60歳を越しても、なお相場の世界に足を突っ込んでいたからだ。老いたアルピニストが、いつまでも若い者と同じように山に登り続ければ、いつかは遭難する。相場もそうだ。年をとれば判断力、決断力、自己制御力が鈍り、アクセルもブレーキも効かなくなる。このような状態で、壮年期と同じ姿勢で勝負に出れば敗北するのはむしろ当然のことだ。」『大儲けの極意』

☆相場に秘伝ありとすれば 己の脳力の低下を知り、資金を限定することである。老相場師の最大の敵は無能化した自分である。忍耐力を喪失し、刹那的売買になりがちである。歳を取って視力が落ちれば、それに比例して脳の働きも鈍っている。増大する損失に耐えられずに大きな損をすれば、精神的に消耗、疲労し、何をやってもうまくいかなくなる。何もせずに休んで、市場と自分が冷静さを取り戻すのを待って動き出せばよいのだが、老化により、それができなくなっている。

相場というものは
 計画的な建玉以外は儲からない。
 体調と精神状態が良くなければ儲からない
 運が良く、ツキがなければ儲からない
 負けが続いているときに、損を取り戻そうとすれば致命傷になるものである。
相場師 引退 – 相場戦略研究所

 

「金儲けのライフワーク」を手に入れることが出来た。「大儲けの極意」には書かれていない内容も多く、彼の人生を学ぶ上で大きく役に立った。手に入れて良かった。しかし、一番良かったのは、彼の虚飾が幾分か剥がれたことである。彼は家族を愛さない、頼らないと公言し、家族が金をせびりに来て、それをいかに拒絶したかを「大儲けの極意」では書いている。彼は家族に対して本当に情を持っていないんだな、と読者は信じるはずだ。ところが「金儲けのライフワーク」を読むと、脳溢血で倒れた弟のために、自らが設立した会社の取締役に雇い入れてやり、仕事をほとんどしなくても給料を支払って、養ってあげているのである。それでも文句を言う弟のことを挙げて「だから血縁なんて面倒なもんだ」と愚痴をこぼすのだが、なんだ、岡部さん、意外にいい人なのね、とちょっと心外であった。

また、いかに会社で仕事をしなかったのか、を延々と自慢しているが、実は岡部氏、結構なやり手で“日本で第5位の証券会社”を設立することを決意し、実際に証券会社の事務所を設立、中小の証券会社の大同団結のとりまとめまでしている。しかし、それがうまくいかなかった理由として、自分の会社、住友生命が、岡部がとりまとめた証券会社に次々に人を送り込み、トップを浮かしてしまったからだ、と分析している。なんだ、岡部さん、会社の余剰人員の受け皿を大量に作るだなんて、一介の社員としては、随分な功績なんじゃないの、それだけ優秀だから、遅刻をいくらやっても許されたんであって、「俺はこれだけ遅刻している、それだけ会社に縛られてなんかいないんだ!」なんて自慢しても、そりゃあんたのように優秀だからこそ許される行為でしょ?と問いかけたくなるのである。

また、株式の運用だけで一財産作ったように説き、自慢しているが、この人、著書が55歳の時点で120冊もあるのだ。印税だけで膨大なものになろう。株だけで財産を築いたのではなかろうに、まるで株の運用だけで金持ちになったかのように振舞うのは、よしていただきたいのである。また、彼は大学教授の肩書きを得るために、31歳から36歳までの5年間、土曜は昼の1時半から深夜12時まで、日曜は朝の10時から深夜12時までを毎日勉強に充て、論文を書き、経済博士号を取っているのだ。努力嫌いで楽して生きているかのように振舞っているが、嘘ばかり。猛烈な努力家なのであった。

結局この人、無頼を気取っているけれども、努力を怠らず、家族も助け、会社に莫大な利益をもたらした堅実な男なのであった。家族に対していかに冷たいかを自慢しているが、誰だって時には冷血漢のように身内に振舞った経験くらいあるだろう。それを、さも毎日そうであるかのように描いているだけなんじゃないか?
売れば暴騰 岡部寛之を読む

無頼を気取っていたが、実際は一流企業のできる社員で、大変な努力をして教授の肩書も得、親族の世話もしていた。また、印税で稼いだ額も大きい。岡部の場合、単なる女遊びでなく、温泉旅が趣味だったので、それが休むも相場として上手く機能したのだろう。

林輝太郎 (1926-2012) – 商品先物から始めて技法を核心とする。投資家教育に尽力した。

日本の相場師で林を読んでないのはモグリと言って良い。技法・心構え両面で知っていると知らないとでは比べ物にならない。

    小豆相場の基本 -勝利への知識と技術ー』(1961)
    『サヤ取り利殖 確実な高利回りの追究』 (1967)
    中源線建玉法』 (1974) – 資金を三分割して建玉を操作する手法。Pan Rolling 相場に関する研究発表・雑学他
    『商品相場の技術―相場師の技法と練習法』 (1984) – 技法が凝縮されている。
    『株式上達セミナー―これで成功は約束された』 (1986)
    『ツナギ売買の実践』(1989)
    『定本 酒田罫線法』 (1991) – 本間宗久発案と呼ばれる酒田五法やローソク足の見方について、他が俗書と呼べるほど深い。
    『商品相場必勝ノート』 (1991)
    『相場師スクーリング』 (1994) – 相場師として生きる心得という点で評価が高い一冊。
    『株式成功実践論―勝者への道標』 (1997) – 板垣浩との共著だが、実質的に林の本。
    『うねり取り入門―株のプロへの最短コース』 (1998) – うねり取りの技法書。
    『売りのテクニック』 (1999)
    『脱アマ相場師列伝―具体的な売買法と練習上達について』 (1999) – 先物が主なのでややこしいが、移動平均線の部分は輝太郎がいかに凄まじい罫線研究を経てきたかが見える。
    『財産づくりの株式投資―売買の基礎の基礎』 (2000)
    『相場金言集―世界の名手が発見した定石』 (2001)
    『脱アマ・相場必勝法―プロの「企業秘密」公開』 (2001)
    『株式売買記録と解説』 (2007)
    『勝者へのルール』 (2008)
    『相場技法抜粋-相場技術論の核心-』 (2010)
    『相場の道 松辰遺稿・現代語訳注』 (2012) – 松村辰次郎の遺稿を息子が纏めた『松辰遺稿』の現代語訳。原文が無いので品格を失っている。

    金野秀樹 『金野式商品先物入門』 – 輝太郎の手法をあくまで実践的かつ簡潔にまとめたもの。小豆を前提とし、CD-ROMは十年分の小豆相場のdata。

林の本に似たような内容が登場することが多い割に具体的な売買が一冊を使って構造的に説明されないのは、林投資研究所の会報をまとめたものが基盤となっているのが原因。

立花義正 (1909-1985) – 本当の意味での失敗、そこから成功する個人投資家の姿と技法を記した。

    『あなたも株のプロになれる―成功した男の驚くべき売買記録』(1987) 。失敗の経験談、本当の売買技法の説明においてこれ以上はない。売買譜付き。

パイオニアの株価データ(昭和50~51年) | ¥∞ – 立花の売買譜のdataとそれをchart化して理解できるsoftwareを配布している。
上達のプロセスこそ秘訣 その24・・・うねり取り考察② ( 株式 ) – あらなみの相場技術研究所
「立花さんは、逆張りナンピンばかりを主張されておられますが、私が売買譜を読んだ限り、トレンドフォロー派であって、玉の入れ方はリトレースメント(押し、戻し)を狙う、という戦略」上達のプロセスこそ秘訣 その25・・・うねり取り考察③ ( 株式 ) – あらなみの相場技術研究所

板垣浩 (?~1990-1997~?) – 証券会社で修行し、後独立して十億円稼ぎ米国へ移住。林輝太郎などと組んで内情暴露や証券屋・個人投資家双方への厳しい本音の意見を出した。板垣が実際に相場に参加したのも、bubble破裂前の高度成長期であることに注意。

    『自立のためにプロが教える株式投資』(1990) – 基本の技術を身につけるための精神指導、解説書。証券業界の実態について露骨に本当のことを述べた。
    『株式成功実践論 勝者への道標』(1997) – 実質的には林輝太郎の本。Technicalだの知識をひけらかして肝心の相場行為で破滅したA氏の話を核とする。

林知之 – 輝太郎の息子で輝太郎の創設した林投資研究所を引き継いだ。seminar屋としての色彩が濃く、FAI投資法・著作ともに評価は低い。

FAIという下げきった低位株への長期投資法(元はある宗教団体でJewが開発し運用された)を特徴とするが、底練りからの上げ相場の時期にしか機能しない手法で、膨大な手間がかかる割に、結果が出るのが遅すぎるので技術の向上や有効性の見極めに何年もの時間がかかる。

「FAIは何を買っても儲かるような上げ相場の時期にしか機能しない。下げ相場で行なえば大きく資産を減らすことになる。これは買いを主体にした、どのような投資法でも同じである。」「株式市場の不況期に低位株は選別して上がるといっても、上記のとおり手持ちはボロ株ばかりになるし、買いサインは大量発生するから当てるのは至難の業。
いくつかの銘柄が当っても、最大24銘柄に分散するから、資金効率は良くないし、ツナギを想定していないので下げ相場にはノーガードになる。」「そして、こういう精神的に苦しい作業を永年続けていくと、人によっては次第に精神的に錯乱し、ノイローゼになる」ボロ株集め(FAI)はやめよう – 相場戦略研究所 – Yahoo!ブログ

自己流のFAI投資法 – 相場戦略研究所 –

鏑木繁 (1930-2013) 筆名「風林火山」。投資日報主筆。日本株式市場の経験者としての言は役立つ所が多い。一方で、霊・占い・宗教などを持ち込んでいる。

「かつて筆鋒鋭く商品取引業界の悪事を攻めまくり、勢い余って、あることないこと書き立て、先物業界のドン、清水正紀氏の逆鱗に触れ、鏑木さんの新聞がさっぱり売れなくなった。」(週刊 先物ジャーナル 2013年10月7日 1203号

矢口新 – 元証券dealer。『生き残りのディーリング』は証券会社で働く人向けの教科書となった。

『生き残りのディーリング』で、元証券屋として売り買いの差別なく機関投資家を前提とした見方を示し、professionalの管理・発想・動きを前提とした説明をしている。それ以外は、初心者向けの本が多く、終いにはエス・チャート(Survival Chart)という、山と谷の捉えを売る商材屋に堕したのでディーリング付近の本以外読む必要はない。


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