SAND STORM

朝ぼらけ

2016年10月17日

相場師と著作一覧

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以下は著名な相場師や相場教育者を生きた年代と簡単な解説を付して、書籍を軸に並べたものである。つくった経緯は、単にPan Rolling社の和訳本の題名改竄が酷いので整理していたら増加したというもの。人物や書評は、きっちり読み込んだものから、まったく読まずにreviewや評判を見ただけのものまで、つまり適当である。常に工事中。

多くの人は相場で勝ちたいと、日夜涙ぐましい努力を続けています。そのために、次々と新しいことを学んでいきます。だから、頭の中に入りきれないほどの多くの知識が増加していくのは当然です。しかし、不要なものは捨てるべきです。また、知識に一貫性をもつことも大事なことです。

知識を多く得たからといって、それが本当に役立っているのか、あるいは、新しく仕入れた知識が技術の上達に役立っているだろうかということを考えて確認してみると、実に恐ろしいぐらい役に立ってはいないということが分かると思います。

恐らく自分の技術に対する不安感から何か読まずにはいられない、役に立つものがあるかもしれないから読む、あるいはすぐに役立つことはないかもしれないが気休めのために読まずにはいられない・・・、そんな自分の慰めのために読んでいるというのが実情でしょう。根本的な売買技術の上達には少しも寄与しない知識をいくら集めても無駄なのですが、何もせずにはいられないからなのです。

立花義正 『あなたも株のプロになれる』 p.220



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日本:[日本の相場師]


[Classic]

Dickson G.Watts (?~1880~?) [ディクソン・G・ワッツ]

1878-1880のNY綿花取引所の所長。USAの相場師として含蓄のある著作をもっとも早い段階で著している。

Charles Henry Dow (1851-1902) [チャールズ・ダウ]

Wall Street Journalの創設者で、Dow Theoryにもとづいて1885ADにDow Jones Average (後のDOW30)という主要株式の平均指数を発明し掲載した。これがS&Pや日経225などの大元。

    William P. Hamilton “The Stock Market Barometer” (1922)
    Robert Rhea “The Dow Theory” (1932)
    E. George Schaefer “How I Helped More Than 10,000 Investors To Profit In Stocks” (1960)
    Richard Russell “The Dow Theory Today” (1961)

    DOW理論は、元々は景況を予測するためにDowが考えていたもので、当人による著書はなく、WSJで一緒に働いていた関係者が発展させまとめたもの。
    『先物取引のテクニカル分析』に基本が載っており、『マーケットのテクニカル百科入門編』が詳しい。市場平均はすべての要因を瞬時に織り込むといった考え方、相場を潮の干満(長期での上げ下げ)・波のうねり(中期波動)・波先(短期変動)で考えることなどが基盤で、相場を見る上で一番の基本となる。

1929年8月23日に、Wall Street Journal紙は読者に、株式市場で大いに儲けることができると告げた。同士の特別な水晶玉はダウ理論と呼ばれる。これは将来をじっと見るテクニックであるが、「主要な上昇トレンド」が株式市場に確立されたことを明らかにした。「秋の数ヶ月の見通しは、過去のいかなる時点よりも明るい」と同紙は幸せそうに謳った。ニ、三ヶ月して、誰もが破滅した。『マネーの公理』第四の公理

DOW Theoryの弱点は転換の把握が遅くなることだと『マーケットのテクニカル百科 入門編』第一部第五章 「ダウ理論の欠点」で説明されている。1929暴落の様に天底で短期間に急激な変動が起こる場合確認の遅さは致命的な結果に繋がる危険性が有る。これはあくまでDow Theoryがmajor trendの転換を捉えようとするためだ。

Wyckoffの『ストックマーケットテクニック基礎編』 pp.111-117 「ダウ理論を打破する」が統計的にDow theoryの利益率を大恐慌までの期間で調べ上げた研究をもとに批判している。

Richard Wyckoff (1873-1934) [リチャード・ワイコフ]

Ticker tapeしかなく、多額の手数料を要求された時代にDay trading,Scalpingでの成功を確立。相場技術から心得まで現代にもそのまま通底する。

    “Studies in Tape Reading” (1910) 『ワイコフの相場成功指南』『板情報トレード
    “My Secrets of Day Trading in Stocks” (1919)
    “How I Trade and Invest Stocks and Bonds” (1922)
    “Stock Market Technique” (1933) 『ストックマーケットテクニック 基礎編』『スイング売買の心得
    “Stock Market Technique No.2” (1934) 『ワイコフの相場大学』『相場勝者の考え方
    “Jesse Livermore’s Methods of Trading in Stocks”
    “W.D. Gann Interview”

    和訳本は、いずれも同内容のものを題名を変えて文庫化したもの。『ワイコフの相場成功指南』『板情報トレード』のみ、技術的な内容を含む。Stock Market Techniqueは、News Letterに出した記事を集めたもので、心得集。Ticker tape時代のことは『投資を生き抜くための戦い』 「72 テッカーテープの読み方についての補遺」についても参考。

こういう質問を受けることがある。「テープに現れた動きによって相場を判断するとしたら、これまで何年もの間、収集したり定期購読したりしてきた統計一覧や資料集やアドバイス情報やデータはどうしたらいいのでしょう。」
私の助言はこうだ。「それらを全部机の上に山積みにしたら、その机を窓のところまで押していく。そして、下にだれもいないのを確かめてから、机の片端を持ち上げて傾けなさい」

統計データが増えれば、混乱も増える。

売買の仕方を知らなければ株式相場はダイナマイトだ。

問題は株で損失を出したかどうかではなく、これからも出し続けるかどうかだ。

私はいいカモだった。知識もないのに他人の専門に首をつっこんでしまったのだ。

流れに従う最高の例は、密林を這って進む猪の背中にしがみついている猿である。

情報と勘を頼りに取引しているのだって?それなら、まだ服を着ていることを守り神に感謝しなさい。そんなことを続けたら、「今流行りの紳士服」の雑誌記事を読んで、最新型のビヤ樽を身につける羽目になる。

株式取引は単なるビジネス以上のものである。それは、その人次第で、芸術、科学、専門職のいずれにもなりうる。それで成功しようと思ったら、研究と精神集中が必要だ。副業や趣味で取引しようとする者も、少なくとも株価のトレンドを支配する原理を修得して、成功し続けるための足掛かりにすべきである。

ある銘柄で20~30pointの利益を上げることができる時に、なぜ、まったく動きそうもない銘柄や2,3pointの利益しか生み出しそうもない銘柄に手を出すのか。

第一の防衛線はストップ注文ーこれは仕掛けと同時かその直後に設定する。
第二の防衛線は、毎日あるいは週二回といった間隔で、必ず保有株を点検し、損の出ているものは成行きで売り払うようにすること。そうすれば、持ち株はすっきりした状態になり、閉じるべき時期が来るまで、利の乗ったトレードをそのまま継続できる。
この二つの防衛策を取らなかったために、さらに防衛線が必要になったとしよう。これが必要だということについては、問題なく賛成してもらえるだろう。そうしないと、思いがけない相場の動きによって資金を全部持っていかれてしまう可能性があるからである。それは、追証の請求に対して現金を差し入れないということである。ブローカーが追証の請求をしてきたということは、取引を行っていた時の判断が間違っていたことを示す最後の決定的な証拠となる。追加の現金を差し入れて、弱みを持ったポジションにこだわり続けるのは止めて、自分が間違いを犯したことを正直に認めよう。ブローカーと連絡を取って、損の出たトレードを閉じるのだーー今すぐに。 pp.173-174 「追証の請求に対して現金を差し入れてはいけない」

相場は常になすべきことを教えてくれる。「仕掛けろ、手仕舞え、ストップを動かせ、ポジションを閉じろ、休め、もっと良い機会を待て」。相場はこういうことを全部、あなたの心のなかに呼びかけてくる。そして、あなたは自分の心の中に入り込んで、相場の動きそれ自身、つまりテープからの指令を実際に取り出してこなくてはならない。
 相場について、相場が教えてくれる以上のことを知っていると思いこんでしまうと、まさにそのときから判断力が低下する。その瞬間から、満足のいく結果が得られなくなる。トレードのビジネスではテープがボスなのだ。その指令に従って、指示と寸分も違わないように動くことを学ばなくてはならない。それができるようになったとき、株式取引で成功に至る本道を歩むことになる。pp.181-182 「ティッカーテープに基づいてトレードをする」

値上がり後に買ったり、値下がり後に空売りしたりするのは、燃え盛る森の中の木造家屋を買うようなものである。

『ストックマーケットテクニック 基礎編』「なぜストップ注文が執行されてしまうのか」 pp.170

Jesse Livermore (1877–1940) [ジェシー・リバモア]

少年時代から場立ちで仕事をしながら、ticker tapeに現れるpatternの研究をし、”Boy plunger(無鉄砲相場少年)”の渾名で呼ばれた。伝説的な相場師だが、人に聞かれると親切に教える一面もあった。その技法はHow to Trade In Stocksで開陳されるが、特殊な場帳術である。

    Edwin Lefèvre “Reminiscences of a Stock Operator” (1923) 『欲望と幻想の市場』
    “How to Trade In Stocks: The Livermore Formula for Combining Time Element and Price” (1940) – 近年出されたのはSmittenによる改竄があるので注意。『リバモア流投機術』は原著そのまま。
    Richard Smitten “Jesse Livermore: The World’s Greatest Stock Trader” (2001) 『世紀の相場師ジェシー・リバモア』伝記

Fictionを交えた伝記風作品『欲望と幻想の市場』を読んだことの無い相場師はモグリと言っていいほど評価が高い。Livermore自身が著した”How to Trade In Stocks”(『リバモア流投機術』は、それ以上の価値があり、当人の人格も滲み出ている。

Gerald M.Loeb (1899-1974) [ジェラルド・M・ローブ] : Brokerで、投資観点を基盤とした投機。大恐慌の経験からBuy and Holdを否定。

『投資を生き抜くための闘い』は古典として評価が高いが、技術書ではなく、記事集である。その分軽く読める。Loebの基本的なやり方は10程度の銘柄でportfolioを組み、定期的にもっとも悪い銘柄を捨てて入れ替えていくというもの。また10%の損失が出たら損切という単なるbuy and holdでない損切基準も組み込んでいる。LoebはWyckoffがやる様な日中の極短期投機も理解しており、Buy and Holdの様な単純な長期投資家ではない。

Roy W. Longstreet [ロイ・W・ロングストリート]

    Viewpoints of a Commodity Trader (1968) – 『相場のこころ マーケットの見方・考え方』が旧版、『トレーダーの発想術ーマーケットで勝ち残るための70の箴言』は並びや表題などを改良した新装版。江戸時代本の格言などに相当するので、ここに配置する。

[Investor]

Benjamin Graham (1894-1976) [ベンジャミン・グレアム]

企業のFundamental分析の基盤を確立。

Philip Arthur Fisher (1907-2004) [フィリップ・フィッシャー] : 長期保持するための企業診断、銘柄選別法。甚だマトモで、相場をやらない人にも役に立つ。

一.長期的に利益が劇的に拡大するための規律ある計画を持っており、新規参入企業にとってはその市場の拡大にあずかるのが困難な内在的質を持つ会社を買うこと。

二.その会社を人気の無い時期に買うこと。つまり市場全体の環境が原因でも、一時的に金融界がその本当の価値について誤解をしていることが原因でも、その本物の利点がよく理解されるようになったときに付けると思われる株価を大きく下回っている時期である。

三.その株式を、(1)その会社の特質に根本的な変化があった時(人事異動による経営陣の弱体化など)、(2)十分に成長したために市場全体よりも早く成長しなくなっとき――までずっと持ち続けること。経済や株式市場がどうなるかということについての予測で売る場合は、万が一にもあったとしても最も例外的な状況でしか売ってはならない。そのような変化の予測は極めて困難だからだ。けっして短期的な理由で一番魅力的な株式を売ってはならない。しかし、成長するにつれて多くの会社が小さかったころは非常に効率的に経営されていたものの、大企業に求められる異質の技能に合わせて経営陣が成長できなかったならば、その株式は売るべきである。

四.主に大きな株価上昇(capital gain)を求めている人は、配当には重点を置かないようにする。最も魅力的な機会は、収益力が高くても配当の支払いが少ないかまったくない一群の内に見つけられる。利益の大部分が配当として株主に支払われているような会社に大きな機会が転がっている可能性はかなり低い。

五.何度か間違いを冒すということは投資で大きな利益を手にしようとする場合には付き物の経費であり、最高の経営をしていて収益力も最も高い銀行であっても不良債権を抱えてしまうことが避けられないのと同じである。大切なことはそれをできるだけ早く見つけ、その原因を理解し、その間違いを繰り返さないようにするためにはどうしたらよいかを学ぶことだ。いくつかの銘柄で小さな損失を喫し、将来性の高い銘柄で利益を積極的に伸ばしていこうとすることは、良い投資管理の表れである。良い投資で利を少なく、悪い投資で損失を大きくするのはまずい投資判断である。利益とは利益確定するときの満足感のためだけにあるのではないのだ。

六.本当に素晴らしい会社の数は比較的少ない。その株式は魅力的な価格で買うことができないことが多い。よって魅力的な株価のものが存在するとき、その状況を最大限に利用するべきである。資金は最も望ましい機会に集約されるべきだ。ベンチャーキャピタルや極めて小さな会社の場合、分散投資を強化する必要があるかもしれない。大会社の場合、適切に分散するには経済的に異なる特性を持つ業種に多様な投資をする必要がある。個人投資家の場合、異なる銘柄に20以上分散投資しているならば、資産運用の能力がない証拠である。10~12銘柄が通常は良い数だ。キャピタルゲインに対する税金という経費が、数年かけて集約していく動きの根拠となることも時々ある。個人投資家の持ち株が20銘柄に近づいてきたら、最も魅力のない銘柄から最も魅力のある銘柄に入れ替えるのが理想的と言える。悪い結果は未熟な行動から来ると覚えておこう。

七.素晴らしい株式投資管理の基本的な材料は、金融界で支配的な意見をなんでも無闇に受け入れないこと、そして単に反対するためだけに支配的な意見を頭から拒否しないことである。それはある特定の状況で完全な評価を下すための知性を磨いて良い判断を下すことであり、また自分の判断力が自分自身を正しいとしているときに「大勢に向う」行動をする精神的な勇気を出すことである。

八.株を扱うにあたり、ほかの人間活動の大部分と同様に成功に大きく影響することは一生懸命に働くこと、知性、素直さの組み合わせである。

『投資哲学を作り上げる』 第四章結論 pp.100-103

Wallen Buffett (1930-) [ウォーレン・バフェット] : GrahamとFisherを統合した実践家。直接の著書はなく、関係者がその名前を使って書いた本のみ。やたらとBuffett本を読むぐらいなら、Graham,Fisherを読んだほうがいい。

    Berkshire Hathaway Letters to Shareholders – 『バフェットからの手紙 ──世界一の投資家が見たこれから伸びる会社、滅びる会社』 Buffettが買収して投資会社に変えた元繊維企業Berkshire Hathaway(バークシャー・ハサウェイ)の株主向けのreportとessayをまとめたもの。1965- [第1版],1965-2014[第3版],1965-2016 [第4版]。英語版の原本はBHのofficialで全て公開されている。内容はあくまで米国市場のその時の現状を踏まえたもので、前提となる知識がないとよくわからない部分が多い。

    Buffettが直に書いたのは上のlettersぐらいで、後はその名声にかこつけて書き散らしたのが大半。

    Robert G. Hagstrom “The Warren Buffett Way: Investment Strategies of the World’s Greatest Investor” (1994,2005) – 『株で富を築くバフェットの法則』
    Mary Buffett [メアリー・バフェット] – MaryはWarrenの息子の嫁。

      “The Buffettology Workbook: Value Investing The Warren Buffett Way” (2001) – 『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』
      “The New Buffettology :The Proven Techniques for Investing Successfully in Changing Markets That Have Made Warren Buffett the World’s Most Famous Investor” (2002) – 『麗しのバフェット銘柄――下降相場を利用する選別的逆張り投資法の極意
      “The Warren Buffett Stock Portfolio: Warren Buffett Stock Picks: Why and When He Is Investing in Them” (2011) – 『バフェットの株式ポートフォリオを読み解く
      “Warren Buffett’s Management Secrets: Proven Tools for Personal and Business Success” (2009) – 『史上最強の投資家 バフェットの大不況を乗り越える知恵』
      “Warren Buffett and the Art of Stock Arbitrage: Proven Strategies for Arbitrage and Other Special Investment Situations” (2010) –
      “The Tao of Warren Buffett: Warren Buffett’s Words of Wisdom: Quotations and Interpretations to Help Guide You to Billionaire Wealth and Enlightened Business Management ” (2006) – 『史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵』
      “Warren Buffett and the Interpretation of Financial Statements: The Search for the Company with a Durable Competitive Advantage” (2008) – 『史上最強の投資家バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール』

    Robert P. Miles [ロバート・P・マイルズ]

    Ronald W. Chan “Behind the Berkshire Hathaway Curtain : Lessons from Warren Buffett’s Top Business Leaders” (2010) – 『バフェット合衆国―世界最強企業バークシャー・ハサウェイの舞台裏
    Janet Lowe “Damn Right!: Behind the Scenes with Berkshire Hathaway Billionaire Charlie Munger” (2000) – 『投資参謀マンガー――世界一の投資家バフェットを陰で支えた男
    Tren Griffin “Charlie Munger The Complete Investor” (2015) – 『完全なる投資家の頭の中 ──マンガーとバフェットの議事録
    Janet Lowe “Warren Buffett Speaks: Wit and Wisdom from the World’s Greatest Investo” (1997,2007) 『ウォーレン・バフェット 自分を信じるものが勝つ!―世界最高の投資家の原則』(1997) 訳:平野誠一 『[新版]バフェットの投資原則―世界No.1投資家は何を考え、いかに行動してきたか』 (2008) – 名言集。

ウォーレンバフェット名言集 – TNODA
Warren Buffett – Wikiquote

John Marks Templeton (1912-2008) – テンプルトン卿。市場を選ばずに、価値を落としすぎた銘柄を国際的に拾う。ほとんどの自著は精神世界物。

    The Templeton Plan: 21 Steps To Personal Success (1987)
    Riches for the Mind and Spirit: John Marks Templeton’s Treasury of Words to Help, Inspire, and Live by (1990)
    Evidence of Purpose (1994)
    Discovering the Laws of Life (1994)
    Is God the Only Reality? Science Points to a Deeper Meaning of the Universe (1994)
    How Large is God?: The Voices of Scientists and Theologians (1997)
    Spiritual Evolution: Scientists Discuss Their Beliefs (1998)
    Worldwide Worship: Prayers, Songs, and Poetry (2000)

    Lauren Templeton “Investing the Templeton Way:The Market-Beating Strategies of Value Investing’s Legendary Bargain Hunter” (2008) – 『テンプルトン卿の流儀――伝説的バーゲンハンターの市場攻略戦略』LaurenはJohnの大姪(兄の孫娘)。

Mark Mobius (1936-) [マーク・モビアス] 1987からTempletonの舵を取る国際投資の専門家。開発経済学のPhDを取得し、中共を筆頭に一貫してriskの高い新興国投資に取り組んできた。

    “Trading with China” (1972) –
    “The Investors Guide to Emerging Markets” (1994,1996) – 『エマージングマーケットとは何か―いま、世界で一番おもしろい投資分野』
    “Mobius on Emerging Markets” (1996)
    “Passport to Profits” (1999,2012) – 『国際投資へのパスポートーモビアスの84のルール』
    “Equities: An Introduction to the Core Concepts” (2006)
    “Mutual Funds: An Introduction to the Core Concepts” (2007)
    “Foreign Exchange: An Introduction to the Core Concepts” (2008)
    “Bonds: An Introduction to the Core Concepts” (2012)
    “The Little Book of Emerging Market” (2012)

【マーク・モビアスに学ぶ】新興工業国企業への投資は大きな可能性を秘めている|名投資家に学ぶ「株の鉄則!」|ザイ・オンライン2,3

Bill Miller (1950) – value investingの手法をIT株など新興企業投資に適用し、市場平均以上の成功を収めた。

    Janet Lowe “The Man Who Beats the S&P: Investing with Bill Miller ” (2002) 『ビル・ミラーの株式投資戦略―S&P500に15年連勝した全米最強の投資家』(2007) 訳:三原 淳雄

Thomas Rowe Price, Jr. (1898-1983) [トーマス・ロウ・プライスJr] – 株を成長期・成熟期・老衰期に分け、成長期の銘柄に投資するgrowth(グロース)投資法を編み出した。この反対がBuffettなどが行うvalue investing(バリュー投資)。

T. Rowe Price Heritage
30分でバッチリわかるグロース投資とバリュー投資 – Market Hack

Philip Lord Carret (1896-1998) [フィリップ・キャレット]

最初期のmutual fund(公開型投資信託)の創設者。分散投資の有効性を説き、portfolioをどのように構成するかに詳しい。102歳まで生きた。格言

    Buying a Bond (1928)
    The Art of Speculation (1930)
    A Money Mind at 90 (1991)
    Classic Carret: Common Sense from an Uncommon Man (1998)

John (Jack) Bogle (1929-) [ジャック・ボーグル/ジョン・C・ボーグル] : no-load(手数料不要)のMutual fund(≒投資信託)を開拓し、さらに最初のindex fundの創設者。

    Common Sense on Mutual Funds: New Imperatives for the Intelligent Investor (1999) – 『インデックス・ファンドの時代-アメリカにおける資産運用の新潮流』
    Common Sense on Mutual Funds: New Imperatives for the Intelligent Investor (2000)
    The Battle for the Soul of Capitalism (2005) – 『米国はどこで道を誤ったか―資本主義の魂を取り戻すための戦い』
    The Little Book of Common Sense Investing (2007) – 『マネーと常識-投資信託で勝ち残る道』
    Enough: True Measures of Money, Business, and Life (2010) – 『波瀾の時代の幸福論 マネー、ビジネス、人生の「足る」を知る』
    Don’t Count on It!: Reflections on Investment Illusions, Capitalism, “Mutual” Funds, Indexing, Entrepreneurship… (2010)
    The Clash of the Cultures: Investment vs. Speculation (2012)
    Bogle On Mutual Funds: New Perspectives For The Intelligent Investor (2015)
    John Bogle on Investing: The First 50 Years (2015)

米バンガード訪問 コスト重視、まるで運用業界の生協|マネー研究所|NIKKEI STYLE – Bogleが創設したVanguardはfund自体が会社を保有し、投資家利益を最大化することから、GPIFなどを遥かに超える巨大fundになっている。

Burton Malkiel (1932-) [バートン・マルキール] : fundamental,technical,mutual fundsいずれも市場平均を上回り続けることは不可能と立証した。

    A Random Walk Down Wall Street: Including a Life-Cycle Guide to Personal Investing (1973) – 『ウォール街のランダム・ウォーカー ― 株式投資の不滅の真理』

Charles D. Ellis (1937-) [チャールズ・エリス] : ごく一部の天才的playerを除いて市場平均を上回る「勝者のgame」をやるのは無理。過ちを減らす「敗者のgame」で勝たねばならない。それにはindex fundが最善。

    Winning the Loser’s Game: Timeless Strategies for Successful Investing (1975) – 『敗者のゲーム なぜ資産運用に勝てないのか』

「保有している資金額や所得の水準、年齢、リスク許容度、投資の知識などは人それぞれだ。違いを受け入れてあくまでも自分にとって正しい投資をすれば、すべての人が勝者になれる。逆に、市場平均を上回ろうとする場合、2つの点でミスをおかすだろう。まず、長期にわたって市場平均を上回ることはできない。さらに、市場に勝とうとすることで自分にとって本当に必要な投資は何なのかを見極めるチャンスを逃してしまう」
特集 『敗者のゲーム』著者チャールズ・エリス氏インタビュー、「誰もが勝者になれる投資とは?」

井手 正介

    『バリュー株投資は「勝者のゲーム」!』 (2010) – value投資を日本に適用したらどうなるか。日本株ではindex投資すら敗者のGameと化す。

Peter Lynch (1944-) [ピーター・リンチ] : mutual fund(自由売買型投資信託)Magellan Fundの資産を何百倍にもした。企業財務からではなく、実際にその企業が提供しているserviceを体験して投資対象を決める「自分がよく知る株を買え」で有名。

    One Up On Wall Street: How To Use What You Already Know To Make Money In The Market (1989,2000) – 『ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け』 – [新版]は2000年の改訂版を訳したもの。右肩上がりを続けた米国の相場環境に依存したもので、到底そのまま転用できない。
    Beating the Street (1993) – 『ピーター・リンチの株式投資の法則―全米No.1ファンド・マネジャーの投資哲学』(1994)。2015の『ピーター・リンチの株の法則―90秒で説明できない会社には手を出すな』が新訳だが、評判は悪い。fund managerの考え方や行動がわかるのと、Peter得意の自身や周囲の人間の身近な体験や消費行動から投資対象を選ぶやり方がよく出ている。特にchain展開の小売が典型。
    Learn to Earn: A Beginner’s Guide to the Basics of Investing and Business (1996) – 『ピーター・リンチの株の教科書―儲けるために学ぶべきこと』は新装版で、『ピーター・リンチのすばらしき株式投資―楽しく学んで豊かに生きる』と中身は一緒。

    – Peter Lynch, 25 Years Later: It’s Not Just ‘Invest in What You Know’ – WSJ – Peterは、後に「自分がよく知る株を買え」の真意は「本職でさえ個別の株を選び出すのは難しい」、「自分の専門知識を分析と研究に使え」が本当と語っている。

    一.投資家としての強みはWall street(ウォール街)の専門家から得るものではなく、すでにあなたが持っているもののなかにこそ見出される。土地勘のある企業に投資することによって、あなたの強みは発揮され、本職をも打ち負かすことが可能となる。
    二.過去三十年の間に、株式市場は一群の機関投資家によって占められるようになってしまった。皮肉にも、このおかげで一般投資家がよい成績を上げることがやさしくなっている。専門家集団を無視することで市場を打ち負かすことができるのである。
    三.しばしば数ヶ月間、時には数年間の株価の動きと企業業績の動きには相関関係が見られないときがある。しかし、長期にわたっては、企業の成功と株価の上昇には密接な関係がある。両者の不均衡に着目することが、株で利益を上げる秘訣である。成功している企業を辛抱強く持ち続けることが、必ず良い結果に結びつく。
    四.何をどんな理由で保有しているのか知っていなければならない。「大丈夫、この銘柄は上がる」式のやり方はあてにならない。
    五.大穴は常に外れるものである。
    六.株を買うということは子供を養うのと同じである。世話を見ることができなくなるほど持ってはいけない。職業としないかぎりは、8~12社以上を十分に調査していくことは難しい。portfolioには五銘柄を超えて保有してはならない。
    七.投資したいという株が見つからないなら、見つかるまで資金は銀行に預けておくのがよい。
    八.企業の財務状態を十分理解しないうちに投資してはならない。財務体質の悪い企業への投資は大きな損失につながる。
    九.人気業界の人気企業は避けた方がよい。冷え切った成長性の乏しい業界でうまくやっている企業への投資は、往々にして良い投資結果に結びつく。
    十.小型企業への投資は、その企業が利益を出しはじめるまで控えたほうがよい。
    十一.1,000$投資すれば、失う金額は最高で1,000$である。もし辛抱強く待てるなら、10,000$あるいは50,000$にまで増やすことは可能である。投資を実りあるものにするためにも、良い企業を数社見つけることが重要である。
    十二.どの業界でも、どの地域でも、観察力が鋭ければ、素人であっても本職が見つける以前に高成長企業を見出すことは可能である。
    十三.株価の下落は、一月のColorado(コロラド)に吹雪が吹き荒れるのと同じぐらい頻繁に起こることである。株価の下落は、慌てふためいて逃げ出した投資家が残していった割安株を拾う絶好の機会である。
    十四.株式投資で利益を上げるのに必要な知能程度は、誰もが持ち併せている。ただ誰もが胆がすわっているわけではない。慌てふためいて何もかも売却してしまうような性格であるなら、株や株式投資信託は避けたほうがよい。
    十五.心配の種はどこにでもある。週末の後ろ向きの考えや、News caster(ニュースキャスター)の恐ろしい予言には耳を貸してはいけない。企業のfundamentals(ファンダメンタルズ)が悪化しているのなら株を売ってもよいが、この世の終りがくるという予言は株を売る理由にはならない。
    十六.正確に金利、経済、株式市場を予測できる者はいない。そのような予測は忘れ去って、投資した企業に何が起こっているかに注意を払うべきである。
    十七.十社の調査を行えば、見通しが明るくなっている企業が一社はあるものである。五十社を調査すれば五社はそのような企業であろう。株式市場にはいつでもWall streetが見過ごしている企業群がある。
    十八.調査なしで投資することは、手札を見ないでPokerするのと同じである。
    十九.優良企業に投資しているのなら、時間はあなたの味方になる。我慢できるからである。たとえ最初の五年間のWalmart(ウォルマート)に投資できなくとも、次の五年間所有していれば満足のいく結果が得られた。option(特定の期日に特定の値で売買する権利。期日が近いほど価値が下がる)を保有していると、時間は敵になる。
    二十.十分な銘柄調査の結果出来上がったportfolioは、債権やその他の金融商品のportfolioよりも長期的には利回りは良い。長期であっても選別が不十分であれば、寝台の下に現金を置いておくほうがましである。
    『ピーター・リンチの株式投資の法則』 pp.313-317

Martin E.Zweig (1942-2013) [マーティン・ツヴァイ] – fund manager。trend予測に優れる。どちらかと言えば、投資(Buy and Hold)基盤の人がtrend次第で売り買いをして損を出さないようにするという手法。活動期間は1960sからで、ちょうど電子表示が始まった頃。贅沢極まりない生活で知られた。

    Martin Zweig’s Winning on Wall Street (1986,1987) – 『ツバイク ウォール街を行く――株式相場必勝の方程式』 大学生での決算分析、証券会社での実務、さらに企業金融論を教え、大学院で株式市場研究の延長でoption取引を詳細に研究、勝利戦略は見いだせなかったものの、そのPut/Call Ratioや残高・出来高が実態市場からの資金逃避や流入を予測することに気づいた。1970sには博士号を取得し、NY大の助教授として教鞭をとりながらBaronsなどへ寄稿する内に評判が高まり『Zweig Forecast(ツヴァイ予測)』というnewsletterを発行。1980sには自身のfundを立ち上げる。

Vitaliy N. Katsenelson [ビタリー・カツェネルソン] : Contrarian Edge主宰。Buy and Holdに売りを導入し、rangeで儲ける手法を開発。

Gary Antonacci [ゲイリー・アントナッチ]

Jeremy J.Siegel (1945-) [ジェレミー・シーゲル]

過去二百年の株式・債権・金など現物市場を調べて、10年以上の長期保有は株式が優位に立つという結論で、生活必需品を扱う大企業の割安株を保有して配当をもらうのが一番良いとの結論。portfolioはそれら企業の個別株が半分、後はindex fundやETF。

    Stocks for the Long Run (1994) – 『株式投資 第四版』『株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド』は旧版。
    The Future for Investors (2005) – 『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』

【本音と建前】シーゲル教授はなぜインデックス投資を推すのか? | Grow Rich Slowly シーゲル流米国株投資で億万長者になる!

William J. Bernstein (1948-) [ウィリアム・J・バーンスタイン] : Veniceなどの歴史研究を元にした、短期証券(bills),中期証券(note),債権(bonds)構成の最適化によるriskの最小化と利益の最大化投資。

    The Intelligent Asset Allocator (2000)
    The Four Pillars of Investing: Lessons for Building a Winning Portfolio (2002) – 『投資4つの黄金則』
    The Birth of Plenty (2004) – 『「豊かさ」の誕生―成長と発展の文明史』 書評
    A Splendid Exchange: How Trade Shaped the World (2009) – 『華麗なる交易 ― 貿易は世界をどう変えたか』

投資で成功するために学ぶべき分野として、理論、歴史、心理に加えて、業界構造の理解を挙げている。基本的には物欲を抑えて節約し、自分の所得やloanなど諸々すべてをportfolioとして管理、index fundに投資しろというもの。

George S.Clason (1874-1957)

    “The Richest Man in Babylon” (1926) – 『バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか 』『バビロンでいちばんの大金持ち』。相場でなく、労働収入から蓄財と投資、借金の返済にまわして、どう金持ちになるかという古代(?)の説話。英語版は著作権が切れているので検索すれば手に入る。

Kenneth L. Fisher [ケン・フィッシャー] : Philip Fisherの息子。広範な歴史上のdataを論拠とする。

    Super Stocks (1984) – 『ケン・フィッシャーのPSR株分析――市場平均に左右されない超割安成長株の探し方』 KenはPSR(株価売上高倍率)を開発しこの書で広めたが、広まったために有効性がなくなったと称している。

    James O’Shaughnessy (1960-) [ジェームズ・P・オショーネシー]が”What Works on Wall Street: A Guide to the Best-Performing Investment Strategies of All Time” (1997,1998,2005,2011) 『ウォール街で勝つ法則 - 株式投資で最高の収益を上げるために』を出して、過去45年の相場を調べてどの指標が一番有用かを統計で出したらPSRだったと主張しているが、個人投資家に助言する彼の会社は潰れ、fundが上手くいっているという話も聞かない。

    期待や思惑だけが先行する、利益の出ていない企業用に作られた、指標であるかと思われる。
    「PSR」を考えていたのだけど、やはり、株価を売上で割る正当な理由がわからない。少しも意義が思いつかない。 「利益:Earnings」はとても重要な数字である。もちろん、「売上(Sales)」も、重要すぎる数字である。しかし、売上が重要視するのなら、費用の方も等しく重視しなくてはならないのではないか。つまり、「PSR」という指標が重要であるなら、「PCR」なる指標、そう、「Price Cost Ratio」なる指標も合わせて表記しなくてはならないと思う。しかし、「PCR」なんてものは、算出しようとしたら出すけど、誰が使うかというと、誰も使わないだろう。なら、対の方の「PSR」も、その程度の位置ではないかと思うのである。
    PSR:株価売上高倍率| 初心者投資 Like a Spelunker

    The WallStreet Waltz (1987) – 『チャートで見る株式市場200年の歴史――マーケットのサイクルとアノマリーを図説解説』 ざっと見たが、cherry pickingしたdataを元に結論を語っている感じで当てにならない。そもそも当人が後から見直して、違う違う言っているものばかり。
    100 Minds That Made the Market (1995)
    The Only Three Questions That Count (2007) – 『投資家が大切にしたいたった3つの疑問 行動ファイナンスで市場と心理を科学する方法
    Markets Never Forget (But People Do): How Your Memory Is Costing You Money and Why This Time Isn’t Different (2011)
    How to Smell a Rat: The Five Signs of Financial Fraud (2012) – 『金融詐欺の巧妙な手口ー投資家が守るべき5つの鉄則
    Plan Your Prosperity: The Only Retirement Guide You’ll Ever Need, Starting Now – Whether You’re 22, 52, or 82 (2012)
    The Little Book of Market Myths: How to Profit by Avoiding the Investing Mistakes Everyone Else Makes (2013)
    Beat the Crowd: How You Can Out-Invest the Herd by Thinking Differently (2015)

Jeffrey A. Hirsch [ジェフリー・A・ハーシュ] – 『Stock Trader’s Almanac』を創刊したYale Hirschが父親。Ken Fisherと似たような立場だろう。

吉野貴晶

足立武志 – 公認会計士で企業決算情報の分析を基盤とする。

    『はじめての人の決算書入門塾―まずはこの本から!』 (2007)
    『はじめての人のFX入門塾』 (2009)
    『それは失敗する株式投資です!』 (2009)
    『すぐできる!らくらくネット株入門[改訂新版]』 (2009)
    『超実践・株価チャート使いこなし術』 (2010)
    『知識ゼロからの経営分析入門』 (2010)
    『株価チャートの教科書』 (2015) – 移動平均線が判断の中心。他、部分的にローソク足型など、恐らく決算分析屋としての根が抜けないまま、相場師的なことを取り入れまくっているので洗練されておらず、わかりづらい。動画で見たが、足立の手法はportfolioを組んで、それを入れ替えていくposition trade。
    『株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書』 – この本は本業が生きている。 (2015)

ROEと株のリターンに相関関係は無い – 海外投資データバンク

[Position-trade]

Nicolas Darvas (1920-1977) [ニコラス・ダーバス] : Hungaryからの移民で、Budapest大で経済学を学んだ。元記者かつprofessionalのdancerで世界中を公演しながらBOX理論を発明してposition tradeでの成功談を書き、個人投資家へ大きな影響を与えた。彼の影響で証券業界はカモから収奪しづらくなったため、後に裁判沙汰に巻き込まれる。

    How I Made 2,000,000 in the Stock Market (1960) – 『私は株で200万ドル儲けた
    Wall Street: The Other Las Vegas (1964)
    The Anatomy of Success (1965)
    The Darvas System for Over-The-Counter Profits (1971)
    You Can Still Make It in the Market (1977) – Dar Cardというsystemを説明している。この時には既に売り買い両面の取引へと進化している。

    Timeのinterview ※有料
    An Interview with Nocholas Darvas 1974 – 大本は48頁(実質36頁)に及ぶもので、一部を抜粋しただけ。ただし、中身は既存の本で分かるようなことばかりで、ほとんど得るものはないという。

    Steve Burns “How I Made Money Using the Nicolas Darvas System, Which Made Him $2,000,000 in the Stock Market” (2010) – 401k年金を使って働きながらDarvas法で成功した体験談。実際に2003-2007のbull marketで儲けた後に、2007からのsubprime loan破綻からLehman shockでの急激な下げ相場はDarvas法に従って下落し始めた所をいち早く脱出したため資金を失うことはなかった。

「Darvasは最後は破産してLondonで落魄した姿を見たのを最後に消息がしれない」とかいう出鱈目な話が流布しているが、そんなことはありえない。なぜならDarvasは著書の印税により、投資で稼ぐ以上の金を得ており、これは逐次的なものなので収入が途絶えることはない。著書も死去を挟んで出されているのでHow I Made..だけの話ではない。しかも彼は相当な有名人であり、小銭を稼ごうと思えばいくらでもその有名性を使うことができた。そもそもDarvasは株式や印税で得た金を不動産や他の事業にも投資して成功していた。彼は証券業界の恨みを買ったので、それを根に持って中傷している輩がいるのだろう。

William O’Neil (1933-) ウィリアム・オニール : これから激しく伸びる成長株を、まさに上がる時点で掴む型を示した。

    How to Make Money in Stocks (1988,4th 2009) – 『オニールの成長株発掘法』 『オニールの成長株発掘法 第四版』 Livermoreの新高値更新(上昇相場に入るpattern)にBuffett的な企業判断を組み合わせてCANSLIMとして仕立て上げた感じ。”cup with hundle”型が有名。すべて週足で判断。
    24 Essential Lessons for Investment Success (1999) – 『1銘柄投資のサクセス法―売りルールが鍵』
    The Successful Investor:What 80 Million People Need to Know to Invest Profitably and Avoid Big Losses (2003) – 『オニールの相場師養成講座―成功投資家を最も多く生んできた方法』 この書は、.com bubbleが崩壊した直後にそれを主題として書かれており、成長株発掘法の様なゆるさがない。判断に日足が多く用いられ、cup with hundleの精密な解説、機関投資家のaccumulation/distributionの動向に過敏、時代の変化とともに「今日の優良株が明日の糞株になる」など、長期の上り相場以外で絶えず気にしていなければならないことを、相変わらず冗長にだが適切に記している。
    How to Make Money Selling Stocks Shor (2004) – 『オニールの空売り練習帖』 週足での売り判断。簡便だが基本則と多数の事例を載せているので確かに役には立つ。ただし、O’Neilはあくまで米国市場における買いが中心であり、売りは得意ではない。
    Gil Morales “Trade Like an O’Neil Discipl” – 『株式売買スクールーオニールの生徒だからできた1万8000%の投資法』 O’Neilの弟子が書いた本。

O’Neilの本はどれも教訓書としてはニ流でロクに頭に残らないし洗練されてもいない。実質、chartに基づくpattern集としての価値しか無い。それもいささかpattern病の嫌いがあり、cherry-pickingでないかとの疑いも抜けきれない。Minerviniによると、O’Neilの型には別人の元ネタがあり、米国の相場環境に適合しただけで、汎用性にはかなりの疑問が残る。成功率は低いが強烈なmomentumを持つ株で稼いで帳消しにするというやり方は米国株式市場以外でそのまま通用しない。『マーケットの魔術師』に当人と弟子のDavid Ryan(デヴィッド・ライアン)のinterviewがあるのでそれを見ればだいたい分かる。

Mark Minervini [マーク・ミネルヴィニ] : 中卒ながら山のように読書をして選手権の飛び抜けた優勝者になるまでに至った。

    Trade Like a Stock Market Wizard (2013) – 『ミネルヴィニの成長株投資法』 Minerviniが成功した時期は米株が最高に上昇し、さらに.com bubbleまで迎えた時期であることに注意。得るべき点はあるが、日本株で真似するとまず失敗する。
    Momentum Masters (2015) – 『成長株投資の神』 成功者へのinterview集。

MinerviniはO’Neilの手法(正確にはO’Neilのパクり元)を1980-2000の米国株式市場最高の上り相場で実践したから異常な好成績を収めただけだと思う。見るべき所は幾つもあるが、到底まともに受け取れない部分が多過ぎる(肺炎でもtradeを続けたとか何の自慢にもならない)。真似するなら、彼の地道で人並み外れた努力を見習うべき。『マーケットの魔術師[株式編]』に一番儲けている時のinterviewと、それに追加し.com bubble崩壊後の聞き取りが載っている。彼は買い中心だが、それが不利な時は徹底して休むも相場、余計なことをしない、資金を次の上げ相場に向けて保全することが身についている。失敗と大量の学習の中でつくり上げたこうした防衛戦略が身についていることこそがMinerviniの真の強みなのだ。

Stan Weinstein [スタン・ウエンスタイン] : 一冊しか書いていないが評価は高い。O’Neilより遥かに洗練されている。

    Stan Weinstein’s Secrets for Profiting in Bull and Bear Markets (1988) – 『テクニカル投資の基礎講座 チャートの読み方から仕掛け・手仕舞いまで』旧題:『ウエンスタインのテクニカル分析入門』 – 30週移動平均線を核としてchartのみで判断するpositoin trade。出来高急増とtechnical抵抗線を抜けた時にrelative strength(RSIではなく、株価/市場指数)を参照しつつ仕掛ける。加えて市場全体・所属分野の流れに決して逆らわない、anomaly。実際のchartが多数掲載されているので理解しやすい。売りのstop orderの図示も多数ある。空売りも適切にしてある。「株価の崩壊速度が上昇時のそれより遥かに速いのは、貪欲がギリギリまで高まるには時間がかかるのに対して、恐怖心はpanic的反応をひきおこすからだ」

小林正和 (1936-) : 個人投資家教育や指南を数多く行ってきているのでわかりやすい。手法は週足~月足での玉操作。悪くはないがゆるく素人向きで、高度成長期の様なtrendがないと無理。

    『株の心理作戦 成功の決断と自信をつかむ本』 (1973)
    『株の落し穴82ー損してからでは遅すぎる』 (1978)
    『小林流株の成功法則』 (1979)
    『はじめての株式投資―買い方・売り方・儲け方』 (1979)
    『株の実戦教室』 (1980)
    『兜町見聞録―繁栄証券界の光と影』 (1980)
    『あなたの株のやり方は間違っている―自分に合った株式投資のすすめ』 (1981)
    『株式欄の知的読み方』 (1981)
    『株はタイミングのゲーム』 (1982)
    『入門株の売買40のポイント』 (1982)
    『初めての人にもわかる 株の売買一切―どうやったら株で儲かるか』 (1983)
    『兜町の犯罪―投資家の財産はこうして狙われる(1984)
    『12段活用 出世株の買い方―証券アプローチ速習法』 (1986)
    『女性のための株式投資法―金融新時代を勝ち抜く利殖テクニック』 (1986)
    『追及!悪徳投資顧問業者』 (1987)
    『人の体に奇跡は起こせる―株式評論家が書いた体験的健康法』 (1996)
    『証券・金融の命運を読む―そして、ビッグ・チャンスはやってくる』 (1998)
    『『株は「逆張り」が面白い』』 (2001)
    『小林正和の実戦・信用取引―カラ買い・カラ売り・ツナギ売りのすべて』 (2002)
    『養生道―元気な百寿者になってみませんか』 (2012)

M&Aを専門とする公認会計士の小林正和は別人。

山崎和邦 (1937-) – Singapore生まれ。野村證券のdealerから三井ホームを経て武蔵野大学教授。博学というか雑学というか当て屋っぽい。

佐藤新一郎 () : 週足でのposition trade。具体的かつ実践的。

    『プロの株価測定法』(1988) – Bubble崩壊前までの上がり相場前提。具体的。
    『プロの逆張り投資法』(1991)
    『株で儲けるキーポイント6章』 (2004)
    『資産を築くプロの悠々投資法―短期投資から長期投資まで』(2010) – 月足からのtrend判定と移動平均線のbandを使って判断。

[Swing-trading]

短期取引時代の人物・著作。どうも短期取引として売られている本は、「独自の」Technical手法を多用したmechanical trading system色が強いものが多い。一番惑わされやすいものなので注意した方がいい。

ある書籍は「素早く金持ちになる」というエサで気を引く。「いかに努力せずに一晩で百万ドルを手にしたか」ーーーこれらは単に誇大宣伝である。彼らが売っているものは、虹の端にある宝物であり、望んでも手に入らない。貪欲は非常に強力な感情であり、多くの人が風変わりな公式に従うことによって、その捕らえどころのない夢を実現することができるだろうと期待して、それらの書籍を買う。もちろん、そのようなことは不可能である。『ツバイク ウォール街を行く』

George Douglas Taylor ジョージ・D・テイラー – 商品先物で場帳によるrhythm確認と機械的な取引を為した。再現性は低いようだ。

Gary Smith ゲイリー・スミス

    Live the Dream by Profitably Day Trading Stock Futures Hardcover (1995) – 1970sにbrokerをやったりして元々株式市場の先物に慣れていたからこういう本も出している。
    How I Trade for a Living (1999) – 『ゲイリー・スミスの短期売買入門 ホームトレーダーとして成功する秘訣』 長年上手く行かなかった後に、index/mutualなどfunds投資でどうにかした経験談で1980s-1999の相場環境に恵まれただけ。元々努力家であり、本を500冊近くも読んだり、point and figureに精通しながらまるで儲からなかったという話は典型的。林輝太郎の言う、時間軸を無視した一次元の値足はやはり人を惑わせるだけ。話の前半の失敗談は役に立つが、中盤以降は結局Smithは聖杯探しに終始しただけということしか見て取れず読む価値がない。

Larry R.Williams (1942-) ラリー・ウィリアムズ : 「Commodityで100万$儲けた」と売名し、seminar商法。Willams %R,Ultimate oscillatorとか色々発明したが誰も使っていない。この人物は、明白にmechanical traderとして市場に関わっている、『ラリー・ウィリアムズの相場で儲ける法』に出ているので、参照すれば一発で分る。

    How I Made One Million Dollars Last Year Trading Commodities (1979) – 初出1972?
    The Definitive Guide To Futures Trading (1988) – 『ラリー・ウィリアムズの相場で儲ける法
    Long-Term Secrets to Short-Term Trading (1999,2011) – 『ラリー・ウィリアムズの短期売買法』 – 様々な手法をbacktestした結果を謳うmechanical tradeの内容。
    The right stock at the right time (2003) – 『ラリー・ウィリアムズの株式必勝法』 – 米国株式市場における10年/4年cycle、FRB/信用残/投資家のsentimentなどから底を探るなど長期のcycleの中での変動を捉えることに特化した本。fundamentalsに基づくvalue投資でなく、technicalに基づくvalue投資法の部分は面白いが、全般にごった煮。
    Trade Stocks and Commodities with the Insiders (2005)『ラリー・ウィリアムズの「インサイダー情報」で儲ける方法』 – 商品先物市場において、報告が義務付けられた公開情報からCommercials(現物業者・当業者)や機関投資家の動きを知り、それによって取引するという内容。12章に最大の価値がある。「マーケットに対して100%機械的なアプローチでは対処できないということを理解しなければならない。状況は常に変化している」「人生とは判断を下すことだが、その判断は人生をさらにうまく機能させるためのデータとシステムにもとにしたものでなければならない」「人生の第一のルールは「生き残ること」、第二のルールは「第一のルールのためならばすべてのルールを破ってもよい」ということだ」「システムは新しく生じた現実に対応していない。だから、その部分はわれわれの頭を使って考え、記録し、変化を書き留め、既存のシステムを最大限利用できる方法を導き出さねばならない」
    Ralph Vince [ラルフ・ビンス] – Larryが雇っていた、最適の枚数はどれだけか調べさせる為の数学者。自身は相場を張っておらず、相場師の側で研究をしていただけ。

Larry Connors ローレンス・A・コナーズ : 独自のConnorsRSI/bollingerと絡めたETFやVIX。手法屋(≒教材屋)としての性質が非常に強い。

Dave Landry [デーヴ・ランドリー] – Connors/Raschke辺りの技法をわかりやすく統合。気持ちいいぐらいの削ぎ落としを済ませているが元が元だから所詮役に立たない。ADXを多用。

Richard Donchian (1905-1993) – Armenia出身の商品先物trader。一時栄華を極めたTurtlesの大元となるDonchian breakout(ドンチャンブレイクアウト)などの発明者。

Toni Turner [トニ・ターナー] – 初心者向けの程度の低い知識を並べた本。

Alan S. Farley [アラン・ファーレイ] – 食うか食われるかの市場の厳しさ、そこに落ちた投資家心理を、前線で闘ってきた戦士が非常に現実的に書いている。Alanの様な者こそが一流の相場師であり、これに合わせて自分も実践し続けようと思えないなら相場からさっさと逃げ出したほうがいい。

Marcel Link [マーセル・リンク]

Josh Lukeman [ジョッシュ・リュークマン] – Morgan Stanleyの本職trader。それに相応しい内容で質が高い。

    “The Market Maker’s Edge : Day Trading Tactics from a Wall Street Insider” (2000) 『トレードの教典』(2011) – 技術から精神全般。本玉の構築を段階的に行うだけでなく、十二章で段階的手仕舞いをちゃんと説明しているのは珍しい。段階的手仕舞いと利確による精神的優位を組み合わせつつ利益を最大化していく。経済指標やFundamentalsは適量を詳しく説明しているが、technicalはローソク足・支持抵抗線など基本的なことだけで、絞込が効いている(それがいい)。全体に、環境認識・技法・精神の均衡が取れて調和している。

秋津学 – 移動平均線と補助に一目、BOX(水平支持抵抗線)中心。わかりやすく実践的だが、一目が出てくるなどtechnicalの絞り込みの洗練度に難。

    『株で毎日を優雅に暮らす法』 (2000)
    『株価チャート練習帳』 (2006)
    『株価チャート練習帳 スイング&デイトレ編』 (2006)
    『『会社四季報』練習帳―誰も気づいていない成長株・割安株・不人気優良株を見つけ出す』 (2007)
    『裏読み「会社四季報」』(2008)
    『勝率9割を目指す 株価チャート練習帳』 (2012)
    『最強の株ワザ25』 (2013)
    『投資の魔術師13人の超技法』 (2013)
    『『株黄金ルール』信じてよいか』 (2013)
    『「雲と線」私だけの株・FX教科書』 (2013)
    『大きく稼ぐトレーダーは『ロスカット』が上手』 (2013)
    『大きく稼ぐトレーダーは『ブレーク法』を使う」 (2014)
    『「移動平均線」満足度99%の株売買術』 (2015)
    『株チャート実戦ナビ(1)~トレード脳は模擬戦で作る!~』 (2015)
    『株チャート実戦ナビ(2)~稼げる投資力その鍛え方!~』 (2015)
    『株チャート実戦ナビ(3)~利食い損切り生き残り術!~」 (2016)
    『もうだまされない! 株式相場のダマシを簡単に見抜く法』 (2016)
    『「株デイトレ」錬金術~たった4技法を日々淡々と繰り返し雪だるま式に利益を積み重ねる実戦法~』 (2016)
    『「株スイング」錬金術~2日~2週間で小気味よく儲かるリッチで超カンタンな実戦スキル~』 (2016)

[Day-trading/Scalping]

1990sにInternetによりdaytradingが盛んになった後、FXも含め日中取引の技術が進化した。

Jake Bernstein (1946-) [ジェイク・バーンスタイン] – 元々は商品先物取引で、鞘取りやcycle論の本を出していた。Day-trading boomに合わせて初心者向けに書いた本が翻訳された。評価は低い。

    The Investor’s Quotient: The Psychology of Successful Investing in Stocks and Commodities (1980)
    How to Profit from Seasonal Commodity Spreads: A Complete Guide (1983)
    How to Profit in Precious Metals (1985)
    Seasonal Concepts in Futures Trading: Turning Seasonality into Profits (1986)
    Beyond The Investors Quotient: The Inner World of Investing (1986) – 『投資の行動心理学』 こういう心理系の本を何冊も出している割に言うことが浅い。
    Cyclic Analysis in Futures Trading: Systems, Methods and Procedures (1988)
    The Compleat Day Trader (1985) – 『バーンスタインのデイトレード入門』。窓開けや移動平均、Stochastics/RSIなどOscillatorを判断基準として具体的に売り買いを図示してある。役に立たないものの方が圧倒的に多い。第三章システムトレードの錯覚だけは素晴らしいが、著者は指標や手法に基づくsystem tradeをするのに、mechanicalでの自動取引には否定的。
    The Compleat Day Trader II (1998) – 『バーンスタインのデイトレード実践』。教訓集みたいなものになっている。何も読まないよりはマシだが、全体に二流~三流。
    30 Days to Market Mastery: A Step-by-Step Guide to Profitable Trading (2007) – 『バーンスタインのトレーダー入門―30日間で経済的自立を目指す実践的速成講座』。

Oliver Velez [オリバー・ベレス] – Pristine(T3 Liveに統合)を主宰。本質的なことを言うが、人に受け入れさせるように語るのは上手くない。特に初心者向けではなく、相場の厳しさと向き合う覚悟を決めた経験者向け。

    Tools and Tactics for the Master Day Trader (2000) – これの前半部分の心構えだけを翻訳したのが『デイトレード――マーケットで勝ち続けるための発想術』。本質を突いているが、精神的に受け入れがたい。
    Strategies for Profiting on Every Trade (2007) – 『罫線売買航海術』Pristineの技法に基づく、15分scalpingからposition tradeまで。実践的だが、無駄に独自用語を使ったりと今ひとつ。

大体言っていることは合っている。しかし、精神指導は心に残らないし、技法も部分的に採用できる程度で、到底そのまま使えない。結局、精神指導・技法両面で二流と思う。

Mike Bellafiore [マイク・ベラフィオーレ] – 雇った人間を教育して鍛え上げ取引させるprop farm(SMB Capital)の創設者。

    “One Good Trade” (2010) – 『ワン・グッド・トレードーシンプルな戦略に裁量を加味して生き残れ』 素人からの質問に応えたり、教育者としての立場からの現場感に満ちた説明が多い。”Stock in play”と呼ぶ、変動の激しい銘柄だけを対象にday tradingを行うことを絶対視しており、他のtrading手法は扱わない。
    “The PlayBook: An Inside Look at How to Think Like a Professional Trader” (2013)

Al Brooks (1952-) [アル・ブルックス] – 医者。図表で示さずに文章で大半を表現するので読みにくいが、言っていることは本物。

Bob Volman [ボブ・ボルマン] : 値動きを勢力争いと見抜き、その動向から抜ける可能性が高くなる方を取る。technicalは必要ないと言い切っている。

サンチャゴ : 5分足以上、歩み値と板読みで機関など大口投資家の動きを読んでそれに対処する方法を示したのは大きい。pivotを使うのが欠点。

    『日本一即戦力なFX講座 初級編: FXをプライスアクションで攻略』(2015)
    『徹底攻略 板読みデイトレード 板読みスキャルピングと価格帯別出来高の極意』(2014)
    『プロになるためのデイトレード入門 1巻 板読みと歩み値を極めてライントレードの精度をあげる編』(2014)

[Mentor]

精神・心理は投機において中核を占める。

Alexander Elder (1950-) [アレクサンダー・エルダー] : 精神分析医。本職なので語り口が柔らかく、聞き入れやすい。基本的な資金管理と精神面において素晴らしいものがあり、特に初心者には有り難い。一方で、技法は無意味な独自technicalに依存したもので役に立たない。よってQ&Aや「スタディガイド」の類いは無価値。

Brett N. Steenbarger [ブレット・N・スティーンバーガー] – 精神医学者だが、自身取引会社で働いた相場師で、同じ相場師の心理を実体験で知っている。

行動心理学の本筋から投機家がなぜ失敗するのか、その失敗を自己批難して懲罰するだけではなぜ駄目なのか。そしてどう自分を変えていくのかを詳しく説いている。精神・心理系では最上の部類。

Mark Douglas (1945-2015) [マーク・ダグラス] : 人間存在の成り立ちに迫り、深層心理からtraderの在り方を示した。基本的には心理学的知識と相場実践を統合して、心理的制限を受けない最適行為を目指したもの。

    The Disciplined Trader (1990) – 『規律とトレーダー
    Trading in the Zone (2000) – 『ゾーン』 様々な経験や技術を身に着けたが、その経験故に自由に振る舞えなくなった中級者が上級者になる鍵。

Richard L. Peterson [リチャード・ピーターソン] : 行動経済学・精神医学者

NLP(Neuro-Linguistic Programming)

    Adrienne Laris Toghraie(エイドリアン・ラリス・トグライ) “Winning Edge 4: Traders’ & Investors’ Greater Success” (2004) – 『NLPトレーディング 投資心理を鍛える究極トレーニング』。神経言語プログラミング (Neuro-Linguistic Programming) 。実際の行動がこれまでの経験で構築されてきた深層心理や自分を取り巻く環境で構築されているということ、それをどう改善していくかということをこれほど仔細に語った相場本は他にない。
    『新マーケットの魔術師』の第七章 トレーディングの心理学 チャールズ・フォルクナー pp.431-456もNLP。「時間と経験を積んで、一つのsystemを極めるものだけが成功する」「成功するのはリスクを探すのではなく、避けることを習得したトレーダーなのである」
    “A Lesson a Day for Traders” () 『トレードのストレス解消法-毎日5分で克己心を養う相場心理学

NLP(Neuro Linguistic Programming [神経言語プログラミング])というのは1980sに米国で開発された疑似科学のNew Age 心理学宗教。NLPはGestalt therapy(ゲシュタルト療法)やCybernetics(サイバネティクス)から影響を受け、方法論や意味論など言語学的手法を組み合わせた研究から始まり、LGAT(Large-group awareness training [自己啓発セミナー])を批判したりしていたが、逆にseminarに取り込まれて、現状はseminarそのものである。
人間の深層部分の構築や在り方にtradeは強く支配されているという基本認識は当たっており、Mark DaglasのZONEとかなり重なるが、手法に科学的裏付けは一切ないので、どこまで信用するかというもの。少なくとも『NLPトレーディング』については、巷間言われるNLPの怪しげな部分はまったく見えない。恐らくNLPはそれを取り入れて応用しているtrainer次第でかなり異なるものになっていると思われる。

David Cohen – 精神分析学者。致命的なのは著者当人が相場をやっていないのでかなり的外れ。無用。

    Bears and Bulls: Psychology of the Stock Marke (2000) – 『相場を動かすブルの心理、ベアの心理』(メトロブックス)。Fear,Greed&Panicが増補新版。
    Fear,Greed&Panic – The Psychology of the Stock Market (2001) – 『相場を動かすブルの心理、ベアの心理』(主婦の友) 心理学者が色んな相場関連のことや相場師をネタに色々書き連ねたもの。

Thomas F. Basso (1956-) [トム・バッソ]

    Panic-Proof Investing: Lessons in Profitable Investing from a Market Wizard (1998) – 『トム・バッソの禅トレード』旧題:『成功者への道―ウォール街実践投資マニュアル』 – [★☆] 投資信託やMMF(高金利預金)など金融商品で失敗した人を例に、それらとどう付き合うかしか書いていない。言っている教訓は間違いではないが、特に役に立つようなものはほとんどなく、底の浅いものが大半。強いて言えば、17-18章が役に立つと言える次元のことが書いてある。

Ari Kiev (1934-)[ アリ・キエフ] : 精神医学者

    A Strategy for Handling Executive Stress (1974)
    Drug Epidemic (1975)
    A Strategy for Success (1977)
    Active Loving: Discovering and Developing the Power to Love (1979)
    Executive stress (1979)
    How to Keep Love Alive (1984)
    Breaking Free of Birth Order (1993)
    Trading to Win: The Psychology of Mastering the Markets (1998)
    Trading in the Zone : Maximizing Performance with Focus and Discipline (2001)
    The Psychology of Risk: Mastering Market Uncertainty (2002) – 『リスクの心理学』
    Hedge Fund Masters: How Top Hedge Fund Traders Set Goals, Overcome Barriers, and Achieve Peak Performance (2005) – 『トレーダーの心理学 – トレーディングコーチが伝授する達人への道
    Hedge Fund Leadership: How To Inspire Peak Performance from Traders and Money Managers (2008)
    A Strategy for Daily Living: The Classic Guide to Success and Fulfillment (2008)
    The Mental Strategies of Top Traders: The Psychological Determinants of Trading Success (2009)
    Mastering Trading Stress: Strategies for Maximizing Performance (2009)

田中泰輔 『マーケットはなぜ間違えるのか 揺れる相場の情報行動学』(1995) 日本で行動経済学で相場を説明した走りみたいな本。最後の章が全部technical手法の解説。

Michael Martin : CTAのtrader

    The Inner Voice of Trading: Eliminate the Noise, and Profit from the Strategies That Are Right for You(2011) – 『内なる声を聞け

Jason Williams ジェイソン・ウィリアムズ – Larry Williams(ラリー・ウィリアムズ)の息子で精神科医。

    The Mental Edge in Trading – 『トレーダーのメンタルエッジ』三流の脳科学・精神本。外交的<=>内向的が縦軸、神経症的かどうかを横軸とする性格診断が中心。一応、正規の学説を元にしているらしいが程度が低く中身が薄い。雑学以上の中身は無い。

Bo Yoder [ボー・ヨーダー]

    Optimize Your Trading Edge: Increase Profits, Reduce Draw Downs, and Eliminate Leaks in Your Trading Strategy (2007) – 『トレーディングエッジ入門 利益を増やしてドローダウンを減らす方法』 [★★★★☆] 本当の意味でrisk-reward ratioを説明。投機家の成長段階、成長曲線にも詳しい。これは彼が投資家教育を行って回っていることによる。基本的な考え方、立ち回りは日中のday tradingのそれだが、swingにも応用は効き、positionも説明している。

筆者はfundamentalsを基本とした「投資」心理で市場に臨んだ。事業の徹底的な分析というきつい労働の割にあまり成果が出ないこの手法で、「割安株(value)」や素晴らしい会社を割安で買う機会を探していたのだ。そして、筆者が分析した会社の大部分は、株価が膨れ上がって割高だという結果が出た。ところが、この割高で「悪い」はずの銘柄が何度も驚異的な利益を上げる反面、筆者の分析では「良い」はずの銘柄がtrendをなくして失速していった。この経験から、筆者は「市場で儲けるためには、虚偽の前提に基づいたtrendを探し、それが誤りであると判明する直前まで乗り続ける」という概念に徹することを決心した。 筆者にも、「認識がいずれ現実に成る」という思考に動かされている政治によく似た世界が市場だということがだんだん分かってきた。重要なのは客観的に見た株の本当の価値ではなく、大衆が認識した資産の魅力と潜在利益なのだ。もしある銘柄や業種が「流行」していれば、決算発表という冷たいshowerで現実に引き戻されるまで、大衆は株価を天文学的な水準までお仕上げていく。「序文」

Van K. Tharp – ヴァン・タープ。R倍数を売りにする役立たずの三流学者。seminar屋。

    “Trade Your Way to Financial Freedom” (1999) 『魔術師たちの心理学』『新版 魔術師たちの心理学
    “Safe Strategies for Financial Freedom” (2004) 『魔術師たちの投資術 経済的自立を勝ち取る』
    “The Definitive Guide to Position Sizing” (2008) 『タープ博士のトレード学校 ポジションサイジング入門』は抄訳。英語版はseminar教材並の高さ。
    “Super Trader: Make Consistent Profits in Good and Bad Markets” (2009)
    “Trading Beyond the Matrix: The Red Pill for Traders and Investors” (2013) 『トレードコーチとメンタルクリニック ──無理をしない自分だけの成功ルール』

Tharpの著書はつまみ食いの寄せ集めで役に立たない上に、『魔術師たちの心理学』はまったく関係の無い題名を改竄したものなので注意。

[Technical]

Technical(テクニカル)分析

Ralph Nelson Elliott (1871-1948) – ラルフ・ネルソン・エリオット。自然界の全てに共通する波動理論を構築。

William Delbert Gann (1878–1955) [W.D.ギャン] : 様々なGann Theory(ギャン理論)を生み出したTechnicalの元祖の様な人物。Cycle理論、Gann角度など。占星術も取り入れる。

    “Truth of The Stock Tape” (1923) – 著作集1
    “Tunnel Thru The Air” (1927)
    “Wall Street Stock Selector” (1930) – 著作集1
    “New Stock Trend Detector” (1936) – 著作集2
    “Face Facts America” (1940)
    “How to Make Profits in Commodities” (1941) – 著作集2
    “45 Years in Wall Street” (1949)
    “The Magic Word” (1950)
    “WD Gann Economic Forecaster” (1954)

    W.D.ギャン著作集-株価の真実・ウォール街 株の選択
    W.D.ギャン著作集〈2〉株式トレンドを探る・商品で儲ける法

    林康史『ギャンの相場理論』 – 著作集I,IIを元に技法だけを説明。林は著作集にも解説を寄せている。

    James A. Hyerczyk “Pattern, Price & Time: Using Gann Theory in Trading Systems” (1998)『実践ギャン・トレーディング―相場はこうして読む』- 理論の実践。

      青柳孝直 – Gann理論を勝手に一目均衡表などと組み合わせた独自のやり型をさもGann専門本かの様に見せかけているだけ。いい評判は見ない。例えば、Geoge McLaughlin(ジョージ・マクロークリン)・青柳孝直 『ギャン理論―すべての現象の中にルールがある』 は、”Geoge McLaughlin”もしくは”George McLaughlin”なる者は検索しても出てこない。英題名”The Basic Gann Theory”の英書も存在しない。青柳の『[新版] ギャン理論』などは、Gann Theoryを一目均衡表と組み合わせて適用した本であり、この本も恐らく青柳の単著。内容はGann theoryを彼流に解釈・利用したもの。

    Gannについては、林輝太郎『うねり取り入門』 pp.149-153が面白い。他にも『ラリー・ウィリアムズの株式必勝法』にGannの息子が親父のやり方でまったく儲からないので素人騙しをやって糊口をしのいでいる話とか。

ギャンの決して失敗しない24のルール
ギャンの価値ある28のルール(W. D. Gann’s “Twenty-eight Valuable RulesW. D. Gann’s “Twenty-eight Valuable Rules)

Robert D. Edwards他

John J. Murphy [ジョン J.マーフィー]

    “Technical Analysis of the Financial Markets” (1986) 『先物市場のテクニカル分析』 – [★★★☆] Dow TheoryからElliot,trend line,flag/penantなどchart形、移動平均、出来高、Cycleなど辞書的に一通り抑えてある。無味乾燥な内容でなく、読んで面白い部分もある。point and figureに詳しいのは珍しい。chart・図版も多く、一冊は持っておくべきだが、実践に用いることの出来る次元の内容ではないのが難。鏑木繁の『先物罫線』の方がわかりやすい。
    Study Guide to Technical Analysis of the Financial Markets: A Comprehensive Guide to Trading Methods and Applications (1987) – 『先物市場のテクニカル分析スタディガイド』 – 辞書の内容を試験にしてしまったことで、より実践性から離れた。資格をとるのでもない限り無用。
    The Visual Investor: How to Spot Market Trends (1996)
    Intermarket Technical Analysis: Trading Strategies for the Global Stock, Bond, Commodity, and Currency Markets (1991) – 『市場間分析入門~原油や金が上がれば、株やドルや債券は下がる! 』 – 異なる市場間の動きの関連性を調べた本。
    Charting Made Easy (2012)

Jack D. Schwager “Getting Started in Technical Analysis” (1999) – 『シュワッガーのテクニカル分析 初心者にも分かる実践チャート入門』は、『マーケットのテクニカル百科』と『先物市場のテクニカル分析』を部分的に混ぜたような内容。より初級者向けかつ実践的。出来高を無視しているのが欠点である一方、chart patternは理解しやすい。またinterviewと自身の実践を通して創り上げた教訓やsystem構築は単なる紹介を越えたものがある。

Thomas N. Bulkowsk

    Encyclopedia Of Chart Patterns (2nd 2005) – 単なるpattern総覧ではなく、それぞれの成功や失敗の確立を検証している。

David Aronson

野坂晃一・増田克実

    『移動平均線の新しい読み方 – 6つのポジションで相場を見通す』(2010) – 単純移動平均(SMA)・加重移動平均(WMA)・指数平滑移動平均(EMA)などの各移動平均の計算方法はもちろん、移動平均線bandを使った売買や、「グランビルの法則」も図示。初心者はこれ一つ抑えておけば十分で、むしろ余計なtechnicalは害になる。

Joseph E.Granville (1923–2013) [ジョセフ・グランビル] – 日本では「グランビルの法則」で知られるが、On-Balance Volume (OBV,累積騰落出来高指数)が有名。Newsletterを通じて預言者のように振る舞い大きな影響力を持った。

    A Schoolboy’s Faith: Impressions of a Todd student (1941) – Todd Seminary for Boysについて書いた本だと思われる。
    Everybody’s Guide to Stamp Investment (1952)
    Granville’s New Strategy of Daily Stock Market Timing for Maximum Profit (1960) – 『グランビルの投資戦略―株価変動を最大に活用する技法』
    Granville’s New Key To Stock Market Profits (1963)
    How to Win at Bingo (1977)
    The Book of Granville Reflections Of A Stock Market Prophet (1984)
    The Warning: The Coming Great Crash in the Stock Market (1985) – 『グランビルの警告―大暴落は来るか?』
    The Stock Market Teacher: Technical Analysis for the Post-crash Period (1988)
    Granville’s Last Stand: Secrets of the Stock Market Revealed (1995)
    Price Predictions for the Next Five Years in Mint U. S. Commemoratives and Airmails, 1947-1951 (2013)
    Price Predictions, V2: Mathematical Tables and Supplementary Data (2013)

    川合正治 『グランビルの投資戦略早わかり―アメリカ式株式チャート実践入門』 (1986)

OBVは『先物市場のテクニカル分析』 pp.203-211ないし鏑木繁『先物罫線』pp175-176に解説。

川口一晃 基礎から学ぶテクニカル教室 「11.OBV」 

1981年のはじめに、株式市場のカリスマ的存在であるジョセフ・グランビルが、株式市場は崩壊しようとしていると断言した。「すべては売れ」と、グランビルは彼の助言サービスを購読する数千もの弟子たちに指示した。予想された崩壊は起こらなかった。市場は1981年を通じて上がったり下がったりを続けた。グランビルは依然として弱気相場を予想していた。翌年の1982年、すばらしい強気相場が始まり、それは人の記憶に残る最も強力な強気相場だった。取り残された人々は心底、後悔した。グランビルだけが強気相場を予測できなかったわけでも、その反対を予想していたわけでもない。『マネーの公理』第四の公理

John A,Bollinger [ジョン・ボリンジャー]

    “Bollinger on Bollinger Bands” (2001) – 『ボリンジャー・バンド入門』。開発者当人が書いており、その分細かすぎる面も。bollinger bandsは、一定期間の移動平均線を中心に変化した量の偏差値で段階をつけて幅を取り、外側に行くほど可能性が低くなるという指標。

Thomas J. Dorsey “Point and Figure Charting” (1995) 『最強のポイント・アンド・フィギュア分析――市場価格の予測追跡に不可欠な手法』 – Point and Figureや新値足といった時間軸を無視して一次元の価格上下変動だけを並べるものは、玄人にはあまり評判はよくない。FXなどでは役に立つという成功者もいるが、その個人に依存する芸技の要因が強いものだろう。

林輝太郎 『定本酒田罫線法』(1997) – 輝太郎唯一のtechnical本。本間宗久作と謂われる諸本を分析し、その実相に迫ると同時に、酒田罫線法の本来の姿を解き明かしている。backtestを行っての統計も出している。しかし、複数の限月が並行取引される先物を前提とした解説であり、読んでそのまますべてがすっと身につくようなものではない。

世界的に有名な酒田罫線法は日足を用い、三~七本の組み合わせを見て強弱を判断するものだが、基本は「どういう日足の組み合わせ(線組みという)が自然な動きか」それに「どういう変化が現れたか」を見るのであり、まさに異常の発見そのものなのだ。『財産づくりの株式投資』 pp.218-219

小澤實 『相場に勝つローソク足チャートの読み方』(2002) – “明けの明星”や”赤三兵”などローソク足の型を実例とともに多数紹介し、その裏にある相場参加者の動きや心理を解説している。欠点なのは週足基準であるために、無理があること。『定本酒田罫線法』を読めばわかるが、ローソク足の変化はあくまで日足で判断するのが本来で、しかも型は一種の迷信である。とは言え、面白く親しみやすい良本。

伊本晃暉 『ローソク足パターンの傾向分析-システムトレード大会優勝者がチャートの通説を統計解析』 – 酒田五法のpatternを統計的に分析している。検証期間を「全期間(1983-2009)」と、その中の「バブル(1983-1989)」「崩壊(1990-1992)」「もみ合い(1993-1999)」「暴落(2000-2002)」「暴騰(2003-2006)」「金融危機(2007-2009)」と分けている。

ローソク足の基本・応用について | 波動展望の部屋 – 基本形や組み合わせを売り方・買い方の攻防から説明している。
ローソク足の基礎知識 | 株チャート分析と個人投資家の心理学 – 連続する足を合算して見るのは、そもそも一本の足にも行き戻りが含まれるのだから合理性がある。

細田悟一 (1898-1992) – 商品市場担当記者。一目山人を称し、1936ADに新東転換線(一目均衡表)を開発し、発表した。

一目均衡表は、難解で役に立たないという人の方が多い。日本の一部でしか使われていないので、自己実現性が低い。高価な商材商法(しかも意図的に一部を絶版にして密教化)をやっており、その商材を見たりseminarを受けないと理解できないというのでロクでもない、と三拍子揃っているので相手にする必要はない。実態は林輝太郎『相場師スクリーニング』pp.201-204に出ている。

柴田秋豊 (1901-1972) – 5000年に及ぶ罫線を分析したとかいう柴田罫線の発明者。天底での転換を捉えられるのが特徴で、本流・亜流含めて随分商法として売られた日本版の「聖杯」。柴田自体は東証・業種の修正平均(DOW30などと同じ)を売っていた。

    柴田秋豊 「私の履歴書」』 柴田の弟子であった谷畑侊昭と関係の深い清光経済研究所が詳しい。

    田丸好江『女だって株で勝つ!―私の1年間132連勝全記録(売買報告書付)』 (1998) – 柴田罫線で転換を捉えて一割の利食いを繰り返すという手法。著者の本は全般に評価が低いが、この処女作は売買報告書がついているので柴田の実践例として役立つと思われる。

全体を見渡して見た所、罫線のパターン分析の数の多さ、細かく念入りな所は全く脱帽してしまいます。パソコン分析のない時代にこれは最も周到で緻密な研究のひとつであるだろうと思わせるものが確かにあります。何しろこ罫線パターン分析というのは、現在、相場分析の中では最先端のそのまた最先端を行く分析なのですから、分野としては最も新しいことをやっていた、ということになるのです。従来の100年程築かれてきたテクニカル分析は全て、相場という全体の市場活動を何らかの断面で切ってその切り口の特徴点で予測の手掛かりを掴み出そう、というものだったのですが、それ以降の最新の分析は、折角コンピューターを使っていながらこんな一面的な数式処理をいくらやっても仕方が無い、全体を全体として、無数のパターンを記憶し参照し、比較し引用し、そして最終的に「判断する」ことがコンピューターにはできる筈だ、というのが分析の最先端です。となると、これは正に柴田罫線が大昔に念入りに試みているのと方向は同じなのです。ただそれが全てのパターンを人間が見て、人間が参照比較し、判断するので、何ともハヤ…。見ている内に目が回って来てしまいました。普段の3:30から取り掛かるコンピューター作業よりはるかにしんどいものがあり、翌日まで疲れが残りました。果たしてこれが実践の時に有効な判断に結ぴ付けられるだろっか、それぞれのパターンの当てはめの作業を通して本当に取捨選択や重みの判定ができるだろうか…という思いが正直言って残りました。正にこの複雑な作業が今コンピューターに求められているもので、人間ができないからこそ相場のカオス全体をコンビューターに「総合判断」させている訳です。それを全部自分の目と判断力でやるとなると…。これは大間題だ、という気がします。テクニカル分析講座 サンライズ CO. 幻の柴田罫線 中川隆

Richard W. Arms Jr.(1930s-) [リチャード・W・アームズ・ジュニア] – TRIN(TRading INdex/Arms Index)や出来高対応chartなど出来高を組み込んだtechnical toolの発案者。

    The Arms Index TrinBeppin School (1988)
    Trading Without Fear (1996) 『相場心理を読み解く出来高分析入門ーアームズ・インデックスによる勝利の方程式』旧題 『アームズ投資法』- Arms Index(TRIN)というのは市場の(上昇銘柄数/下降銘柄数)/(上昇銘柄の出来高合計/下降銘柄の出来高合計)で算出するもので、騰落率を出来高比率で割って、より確実に市場が上昇傾向にあるか下降傾向にあるかを見る指標。Armsはローソク足chartの時間軸を出来高で膨らませる出来高対応chartを開発して値幅だけでなく出来高運動を可視化できるようにし、さらにその変形ローソク足の縦辺を横辺で割ったEMV(Ease of Movement)、他にも出来高調整済み移動平均(VAMA)など、既存のtechnical toolに出来高を組み込んだものを判断に使っている。その独自性を除けば、表現は自然でわかりやすく、指標の有効性はともかく基本的な道理に則ったもの。もっとも役に立つのはTRINと出来高対応chartだが、後者は出来高次第で幅が異なるので時間軸を歪めてしまう危険性がある。

Anna Coulling – アナ・クーリング。評価の良い初心者向けの本を書いている人。

Timothy Ord [ティモシー・オード] : Wyckoffのやり方を改良したとかいうOrd Volumeが売り。

    The Secret Science of Price and Volume:Techniques for Spotting Market Trends, Hot Sectors, and the Best Stocks (2008) – 『スイングトレードの法則: 出来高分析で仕掛けがわかる』。swingごとの出来高を合算して平均値を出し、それを上下変動と比べることで天底を判断する手法。この人はtechnical研究mania的な面がかなりある。

Mark B. Fisher “The Logical Trader” (2002) – 『ロジカルトレーダー』。pivot(前日高値+安値+終値/3)を基盤とする、ACD system。役に立たない。

J. Welles Wilder, Jr. (1930s-) – J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア:ATR(Average True Range)、RSI(Relative Strength Index)/ADX(Average Directional Index)/Parabolicなど多用されるtechnical toolを幾つも開発。

Gerald Appel – ジェラルド・アペル。MACDの開発者。著書は多いが評価が高いものは少ない。

Thomas R. DeMark – トーマス・R・デマーク

[Algorithm Trading]

Charles LeBeau – チャールズ・ルボー

Thomas Stridsman – トーマス・ストリズマン

Tushar S. Chande – トゥーシャー・シャンデ

Robert Pardo ロバート・パルド

Brent Penfold – ブレント・ペンフォールド

    The Universal Principles of Successful Trading (2010) – 『システムトレード 基本と原則』 単なるalgorithm取引の本ではない。「勝者と敗者を分かつものは心理以外の何物でもない」というメッセージに対して、「私はこれに賛成しない。 敗者が勝てないのは、自分の手法を確認して検証することを知らないからだ。心理も大切だが、私は資金管理と売買ルールのほうを上位に置くべきだと思っている。」資金管理について非常に優れており、technical toolの有効性についてをこれほど切り込んだものはそうない。「変数を含むどんなtoolも主観的すぎるのだ。それは柔軟すぎて頼りにならない。それは単にあなたを電子的に複製するだけだ。それらは進んであなたの家来になり、あなたが入力したものを喜んでそのまま返してくれる。あなたがまだ知らないことは何も教えてくれない。それらはあなたが与えたものの姿を変えているだけだ。それらは頼れるだけの客観性や独立性を持っていない。それらは売買法を過去のdataにぴったり合わせるのを、進んで助ける協力者になるのだ」「12際の子供があなたと同じようにそのtoolを解釈できなければ、それは捨てるべきだ。解釈の余地はない。それは固定されていなければならない。単純明快で、白黒がはっきりしている。あちこち灰色の部分はない。」

あらなみの里 検証について

林輝太郎 『相場師スクリーニング』 pp210-222



[相場環境]

[Environment]

Charles Mackay (1814-1889)

Edward Chancellor (1962) [エドワード・チャンセラー]

    Devil Take the Hindmost – A History of Financial Speculator (1999) – 『バブルの歴史ーチューリップ恐慌からインターネット投機へ』 1637 Netherlands Tulip mania(チューリップバブル),1690s UK Exchange street,1720s France 南海泡沫事件,1800s,1820s UK 南米新興市場鉱業熱,1840s USA 鉄道熱,1860s Gilded Age(金ピカ時代),1929 USA 世界恐慌、1940-1990 戦後体制と西側資本主義,1980s 日本の土地泡沫経済。単に事件の説明だけでなく、前後の歴史に詳しい。

Lars Tvede (1958-) [ラース・トゥヴェーデ] – 工学修士、fund manager。

    The Psychology of Finance: Understanding the Behavioral Dynamics (1991) – 『相場の心理学―愚者は雷同し、賢者はチャートで勝負する』 初版は著者の母語で書かれたDenmark語版か。 心理学の歴史の説明とか。他の本でもそうだが、この人は学説を引用したり解説することが多い。そういうのが好きなら。
    Business Cycles: History, Theory and Investment Reality (1997) – 『信用恐慌の謎―資本主義経済の落とし穴』 改定三版まで出されているが、邦訳は初版の”Business Cycles: From John Law to Chaos Theory”。前半は信用恐慌の事例集と景気変動のcycleなどが文系でも楽しめるように描かれるが、後半がChaos理論など、理系の学説紹介みたいになる。

      一・二章 John John Law de Lauriston(ジョン・ロー)
      三章 経済学の創始者たち Adam Smith(アダム・スミス(経済学の父))、David Ricardo(リカード)、Say’s Law(セイの法則)、Henry Thornton(ソーントン(中央銀行))
      四章 John Stuart Mill(J・S・ミル)、Jay Gould(グールド)、James Fisk(ジム・フィスク)
      五章 景気循環の「発見」六章 景気循環理論の発展
      七章 資産形成の導師 Ludwig von Mises(アービング・フィッシャー(貨幣数量説))、Roger Babson(バブソン)
      八章 破局への予感 John Maynard Keynes(ケインズ)とLudwig von Mises(ミーゼス)
      九章 1929
      十章 Joseph Schumpeter(シュンペーター)の循環・技術革新統合研究
      十一章以降は、カオス理論、conputerによる玉突きmodelなど。

    Marketing Strategies for the New Economy (2010)
    Supertrends: Winning Investment Strategies for the Coming Decades (2010)
    The Creative Society: How the Future Can Be Won (2015)

Fred Schwed Jr.

John Brooks (1920-1993) – ジョン・ブルックス・The New Yorkerの記者

    The Fate of the Edsel & Other Business Adventures (1963) – 1969のBusiness Adventureの元になるような本。雑誌に発表したものの寄せ集め。FordのEdselを取り扱っている。
    Once in Golconda: A True Drama of Wall Street 1920–1938 (1969) – 『アメリカ市場創世記 ──1920-1938年大恐慌時代のウォール街』。和訳が中学生以下の最悪水準。
    Business Adventures: Twelve Classic Tales from the World of Wall Street (1969) – 『人と企業はどこで間違えるのか?』
    The Go-Go Years (1973) – Roller coasterの流行とその終焉。
    The Games Players: Tales Of Men And Money (1980)

Michael Lewis [マイケル・ルイス]

Nassim Nicholas Taleb (1960-) [ナシーム・ニコラス・タレブ]

    Fooled by Randomness: The Hidden Role of Chance in Life and in the Markets (2001) – 『まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか』
    The Black Swan: The Impact of the Highly Improbable (2007,2010) – 『ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質』 上・下
    The Black Swan: Second Edition: The Impact of the Highly Improbable: With a new section: “On Robustness and Fragility” (2010) – 『強さと脆さ』
    The Bed of Procrustes: Philosophical and Practical Aphorisms (2010) – 『ブラック・スワンの箴言』
    Antifragile: Things That Gain from Disorder (2012)

Edgar E. Peters (1952-) [エドガー・E. ピーターズ]

    Chaos and Order in the Capital Markets: A New View of Cycles, Prices, and Market Volatility – 『カオスと資本市場―資本市場分析の新視点』 random walkでなくchaosであるというのが新しい潮流だが、かなり質の悪い訳らしい。




[Gamble]

Juel E. Anderson


[相場師]

[Interview]

著名投資家へのinterview(聞き取り)は『マーケットの魔術師』で流行った。そのようなinterview集や第三者による著名人の集合的記述。

Jack D. Schwager (1948-) – ジャック・D・シュワッガー

    Market Wizard (,2012) – 『マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣

      Michael Marcus – マイケル・マーカス
      Bruce Kovner
      Richard Dennis – リチャード・デニス。Turtles。
      Paul Tudor Jones – ポール・チューダー・ジョーンズ
      Gary Bielfeldt
      Ed Seykota – エド・スィコータ
      Larry Hite –
      Michael Steinhardt
      William O’Neil – ウィリアム・オニール
      David Ryan – デヴィッド・ライアン。O’Neilの弟子でその会社で働く。
      Marty Schwartz
      Brian Gelber
      Tom Baldwin – トム・ボールドウィン
      Tony Saliba
      Dr.Van K.Tharp – ヴァン・K・タープ

    The New Market Wizards: Conversations with America’s Top Traders (1994) – 『新マーケットの魔術師 米トップトレーダーたちが語る成功の秘密

      Bill Lipschutz
      Randy McKay
      William Echhardt – ウィリアム・エックハート
      The Turtles
      Monroe Trout – モンロー・トラウト
      Al Weiss
      Stanley Druckenmiller
      Richard Dreihaus
      Gil Blake
      Victor Sperandeo
      Tom Basso – トム・バッソ
      Linda Bradford Raschke – リンダ・ラシュキ
      Mark Ritchie
      Joe Ritchie
      Blair Hull
      Jeff Yass
      Charles Faulkner
      Robert Krausz

    Stock Market Wizards: Interviews with America’s Top Stock Traders (2003) – 『マーケットの魔術師 株式編』は旧版。『マーケットの魔術師【株式編】《増補版》

      Stuart Walton
      Steve Watson
      Dana Galante
      Mark D.Cook
      Alphonse “Buddy” Fletcher Jr.
      Ahmet Okumus
      Mark Minervini – マーク・ミネルヴィニ
      Steve Lescarbeau – スティーヴ・レスカルボー
      Michael Masters
      John Bender
      Claudio Guazzoni
      David Shaw
      Steve Cohen
      Ari Kiev – アリ・キエフ

    Hedge Fund Market Wizards: How Winning Traders Win (2012) – 『続マーケットの魔術師 トップヘッジファンドマネジャーが明かす成功の極意
    “Market Sense and Nonsense: How the Markets Really Work [and How They Don’t]” (2012) 『シュワッガーのマーケット教室

Art Collins [アート・コリンズ] – Algorithmic trade絶対主義者。

[Biography]

John Boik [ジョン・ボイク]

    “Lessons from the Greatest Stock Traders of All Time” (2004) 『黄金の掟―破産回避術』 – 旧版『伝説のマーケットの魔術師たち』だが、改良された新訳版なので『黄金の掟』の方がいい。内容は、O’Neilの手法を具体的な%でのやり方で説明していたり、Livermoreの手法を現代株に当てはめたりしていて、軽いがかなりの良本。Jesse Livermore,Bernard Baruch,Gerald Loeb,Nicolas Darvas,William O’Neil
    “How Legendary Traders Made Millions” (2006)
    “Monster Stocks: How They Set Up, Run Up, Top and Make You Money” (2007)

    癌の免疫療法の本を出しているJohn C.Boikは別人。

John Train (1928-) [ジョン・トレイン] – 投資助言家だが物書きとしての側面が強い。父親は弁護士ながら著名な大衆小説家。

    “Dance of the Money Bees: A Professional Speaks Frankly on Investing (1974)
    “Remarkable Words with Astonishing Origins” (1980)
    “The Money Masters: Nine Great Investors The Winning Strategies and How You Can Apply Them” (1980) 『ファンド・マネジャー―相場に賭けた9人の男』 Warren Buffett,Paul Cabot,Philip Fisher,Benjamin Graham,Stanley Kroll,T.Rowe Price,John Templeton,Larry Tishch,Robert Wilson
    “Preserving Capital and Making It Grow” (1983)
    “Famous Financial Fiascos” (1985) 『金融イソップ物語―“あと一歩”で儲け損なった男たちの話』(1987)
    “The New Money Masters: The Winning Investment Strategies of Soros-Lynch-Steinhardt-Rogers, Neff-Wagner-Michaelis-Carrets” (1989) 『新ファンド・マネジャー―相場を動かす8人の男たち』(1989)
    “The Craft Of Investing: Growth And Value Stocks; Emerging Markets; Funds; Retirement And Estate Planning” (1994)
    “Oriental Rug Symbols: Their Origins and Meanings from the Middle East to China” (1997)
    “Investing and Managing Trusts Under the New Prudent Investor Rule: A Guide for Trustees, Investment Advisors, and Lawyers” (1999)
    “This Universe” (2000)
    “Money Masters of Our Time” (2000) 『マネーマスターズ列伝―大投資家たちはこうして生まれた』(2001)
    “The Olive: Tree of Civilization (2004)
    “Continental Drift” (2005)
    “The Orange: Golden Joy” (2006)
    “Happiness, A Treasury” (2007)
    “Comfort Me With Apples” (2008)
    “The Midas Touch: The Strategies That Have Made Warren Buffett “America’s Preeminent Investor” (2009)
    “Discoveries: Cold War Adventures Building Capital Expeditions” (2011)
    “Animals and Us A Very Special Relationship” (2011) – ここら辺りから投資と関係ない本が増えるが、庭師ものなどはLinda Kerryとの共著。
    Molly Guptill Manning “The Myth of Ephraim Tutt: Arthur Train and His Great Literary Hoax” (2012) – Johnの父親Arthurの伝記。Johnも協力。
    アーサー・トレイン『タットとタット氏』(クイーンの定員)
    “The Unruly Monkey: Reflections on Life, Love, and Money” (2012)
    “Garden Magic” 2013
    “Joy of the Seasons” (2014)

Max Gunther (1927-1988) [マックス・ギュンター] 元軍人のjournalist。

    The Weekenders (1964)
    The Split-Level Trap (1964)
    Wall Street and Witchcraft (1971)
    The Very, Very Rich and How They Got That Way (1973)
    Instant Millionaires: The Secrets of Overnight Success (1973)
    Writing and Selling a Nonfiction Book (1973)
    Virility 8: A Celebration of the American Male (1975)
    The Lucky Factor (1977) – 『「ツキ」の科学 運をコントロールする技術』
    The Zurich Axioms (1985) – 『マネーの公理ースイスの銀行家に学ぶ儲けのルール』 父親世代に構築された原理で、Gerald LoebやLivermoreが登場する。思想は、仏教的な欲の抑制や悟りを否定し、「inflationで給料や資産が減価していく中、riskを取った方が遥かにマシだし、そうじゃないと人生つまらねぇだろ!?」というもの。全体に二流~三流程度だが、見るべき所もある。
    How to Get Lucky: 13 techniques for discovering and taking advantage of life’s good breaks (1986) – 『運とつきあう―幸せとお金を呼びこむ13の法則』

[Person]

David Ricardo (1772-1823) [デイヴィッド・リカード]

経済学者。どちらに転ぶかわからないWaterloo(ワーテルロー)の戦いを前に英国公債を引き受け、戦勝により莫大な富を得る。それ以前に裁定取引での鞘取りを得意する相場師であった。

Cornelius Vanderbilt (1794-1877) [コーネリアス・ヴァンダービルト]

19世紀の米国資本市場はGilded Age(金ピカ時代)と呼ばれ、Robber baron(泥棒貴族)が派手に立ち回った。この当時の投機家に事業と相場の境はなく、株式市場も規制などほとんど何も無い状態で、買い占め、乗っ取り、風説の流布、あらゆることが可能だった。中でもVanderbiltは、その事業の都合次第で中南米諸国の政権すら左右する恐るべき帝国主義の事業家だった。

    『アメリカン・ドリーマーの末裔たち―ヴァンダービルト一族の栄光と没落』 – 子孫が書いたCorneliusだけでなく、一族のその後。帝国主義時代に興味があるなら甚だ面白い本。
    『本当は恐ろしい世界の名家』 – Vanderbilt,Rockefellerなど世界の有力一族をわかりやすく説明している。

Daniel Drew (1797–1879) [ダニエル・ドルー]

Vanderbiltと死闘を繰り広げた好敵手。家畜を扱う貧民の家庭に生まれ、徴兵された後、Circus団員や宿屋の主人など様々な経験を経た後、詐欺的な家畜売買から投機へ進出し長期間成功した。Erie鉄道買い占めを巡るVanderviltとの死闘は、詐欺的な新株発行が裁判で違法判定され、法律の及ばない隣州に逃げて武装闘争まで行ったが、子分のJames FiskとJay Gouldに裏切られて敗北。以後は破産に突き進み人生を終えた。

    Bouck White “The Book of Daniel Drew: A Glimpse of the Fisk-Gould-Tweed Régime from the Inside” (1910)

わしはニューヨーク証券取引所の相場師になった。ブロード街に看板を出したんだ。・・・水を飲ませて20kg重くなった牛を売って稼ぐやつがいる。それならば、鉄道会社や汽船会社の株を大量に新規発行して、それをもとの株として売ってどこが悪い?

わしがウォール街でもういい年になっていたころ、Jim Fisk(ジム・フィスク)はほんの赤ん坊で、Jay Gould(ジェイ・グールド)はまだこの世の光すら目にしていなかった。わしは奴らのウォール街の父親だと言ってもいいぐらいだ。奴らが使う方式や方法はたいていこのわしから学んだものだ。わしは開拓者だった。わしがこのビジネスに足を踏み入れた時、株価操作をしたり、ウォール街の取引を操縦したりする方法はほとんど知られていなかった。そうした方式の多くは、わしがこの頭で考えだしたものさ。あとから来た奴らはわしのアイデアをただ真似するだけだった。GouldとFisk――奴らは二人揃ってわしの弟子さ。一人前になる手助けをしてやったのだ。両方とも青二才だった。それを訓練したのだ。今では相場を操るキャンペーンを張ることは簡単にできる。だが、昔、わしがまだ若かったころは、絶対にそんな簡単なことではなかったのだ。わしは自分でその方法を考え出さねばならなかった。従うべき手本なんぞなかったのだ。

わしは、ウォール街で、エリー鉄道の株を使って、一ヶ月以内に時には10pointも株価を動かすやり方も見つけた。そんな風に突然ピョンピョンと跳ねる株には、大勢のとうち家(投資/投機家=イナゴ)連中が群がってついてくるものなのさ。

外部のとうち家連中を出し抜けないなら、内部情報に通じていたって何の役に立つのだ。

『ストックマーケットテクニック基礎編』 pp.157-160 「Daniel Drew(ダニエル・ドルー)の教え」

John Pierpont Morgan (1837 –1913) [J.P.モルガン] 企業向け金融の支配者。

父親の代には既に資本家という家庭に生まれる。南北戦争で南軍に廃棄物寸前の銃を大量に売りつけたり、都市陥落の逆張りで大金を得る。その金融の力はRothschild(ロスチャイルド)家に匹敵した。

Jason “Jay” Gould (1836 – 1892) [ジェイ・グールド]

貧農の家庭に生まれ、厳冬でも裸足で近在に牛乳を搾って配達して生計を立てた。南北戦争の英雄Grant(グラント)大統領を嵌めて金相場を高騰させて売り抜き、暗黒の金曜日を演出した。

    Robert Irving Warshow “Jay Gould: The Story of Fortune” (1928)

米国の投機家でGouldほど口汚く罵られる相場師はいない。「痩せ型で、腺病質で、陰湿で、秘密主義で、狡賢い、だれにも毛嫌いされ、例外は自分の家族と吝嗇で有名な大金持ちの高利貸しだけ」「キリスト誕生以来、地上に登場した最悪の男だ。平気で人を裏切り、嘘をつき、臆病で、卑小な虫けらで」「グールドは自分がはまった墓穴に他人を身代わりに入れて自分だけは脱出した」『バブルの歴史』

ウォール街には数種類の型の人間がいる。まず、気質からいって建設者と呼べる人間がいる。この手合は、ウォール街が金融の中心だという理由からたまたまそこにいるだけのことだ。その活動の中心は全国のあちこちに散らばった事業にあって、そのすべてに深い関心を寄せている。建設者とも企画家とも言えるこの型の人間は、必ずしも良い相場師とはいえない。いったん事業計画を心に描くと、それが形となって実現するまで追求する。鉄道事業を始めたとすると、最初の第一歩から最後までそれをやり抜く。そして、完全に達成し終えた時に初めて満足する。Vanderbilt(コーネリアス・バンダービルト)は成功した企画家の一例である。

ウォール街の第二の型は銀行家である。この手の人物はものを所有し、それを上手く活用してお金を手に入れる。

第三の型は、真のウォール街の人間であり、その感心はEast RiverとTrinity(トリニティ)教会の間に限定されているのであるが(Manhattanの証券街がそこにある)、投機家とも相場操縦師とも博打打ちとも呼ばれる。以後、相場操縦師と呼ぶことにするが、この手合はまず第一に良い取引人でなくてはならない。もし、まだ必要な背広を売ってもいいという気にさせることができるなら、古着屋もある意味で良い取引者である。しかし、その想像力は家庭の裏口に限定されている。小商人はtraderである。例えば、「雪になりそうじゃないか」とFinland人たちは言った。それは、雪靴を売るためであった。彼らは広告が有効だと信じていたし、勧誘によって物を売った。みんながIVORY石鹸(アイボリーというbrand)を使っているのも宣伝の力によるものである。

しかし、大規模な相場操縦師は、その性質上取引人であるだけでなく、ものごとを大まかな輪郭でとらえる意欲的な想像力を備えていなくてはならない。見えないものを思い描かなくてはならないし、目に映る蜃気楼を信じなくてはならないし、想像の産物に賭ける勇気と度胸を持たねばならない。込み入った計画を立てる者は、その核心をはっきりと心の中で捉えているし、信念を貫く勇気を持っている―そういう者が相場操縦師になれる。これらは彼が備えているべき肯定的な資質の一部である。一方、少なくとも仕事が終わるまでは、あってはならない資質もある。それは、同情、寛容、哀れみなどと呼ばれる、人間的には魅力のある弱さである。

もしもウォール街でお金持ちになった者たちの物語を書いたらなら、数冊の本になるであろう。ウォール街でお金持ちになって、その後破滅した者たちの物語を書いたなら、図書館いっぱいの本になる。お金持ちになった者たちはほとんど例外なく有能であり、優れた相場師であり、頭の切れる仕事人であった。しかし、彼らは強気の勝負に出すぎた。いつ仕掛けるかは知っていたが、いつ手仕舞うかを知らなかったのだ。完全な投機家、あるいはこう言いたければ、完璧な博打打ちは、もちろんいつ仕掛けるかを心得ていなければならない。しかし、もっと大事なのは、いつ手を出さないかを心得ていなければならないことだ。そして、一番大事なのは、いったん仕掛けたあとでいつ手仕舞うかを心得ていることである。

『ストックマーケットテクニック基礎編』 pp.127-130「Jay Gould(ジェイ・グールド)の哲学」

Andrew Carnegie (1835-1919) [アンドリュー・カーネギー] 鉄鋼王。投機的事業中心だが、その延長で株も取り扱った。

John Davison Rockefeller (1839 – 1937) 石油業界の支配者。歴史上、世界で最も裕福な男。

Edward Henry “Ned” Harriman [E.H.ハリマン] (1848-1909) 鉄道王。世界一周鉄道の野望を抱き、次々と中小鉄道会社を買収、J.P.Morganと対決して屈服させる。満鉄の経営参加を桂太郎に打診したがひっくり返された。これが戦前の日本が破滅した遠因ともなった。

George Soros (1930-) [ジョージ・ソロス] – 為替と債権の相場師。leveragedの短期投機を得意とする。大量の著作があり、反共和党的な政治活動も多い。

    The Alchemy of Finance (1987,2003) – 『新版 ソロスの錬金術』(2009)が加筆された新版(2003)の訳出。1987版は『ソロスの錬金術』(1996)『相場の心を読む』(1988)だが評判はどちらも良い。再帰性理論を語った最初の著作で、その分難解。
    Soros on Soros: Staying Ahead of the Curve (1995) – 『ジョージ・ソロス』 自伝。
    The Crisis Of Global Capitalism: Open Society Endangered (1998) – 『グローバル資本主義の危機―「開かれた社会」を求めて』
    Open Society: Reforming Global Capitalism (1998) – 『グローバル・オープン・ソサエティ―市場原理主義を超えて』
    George Soros On Globalization (2002)
    The Bubble of American Supremacy: The Costs of Bush’s War in Iraq (2003) – 『ブッシュへの宣戦布告―アメリカ単独覇権主義の危険な過ち』
    George Soros on Globalization (2005)
    The Age of Fallibility: Consequences of the War on Terror (2006)
    The New Paradigm for Financial Markets: The Credit Crisis of 2008 and What It Means (2008) – 『ソロスは警告する 超バブル崩壊=悪夢のシナリオ』
    The Crash of 2008 and What it Means: The New Paradigm for Financial Markets (2009) – 『ソロスは警告する 2009 恐慌へのカウントダウン』 似たような題名なのは増補版だから。
    The Soros Lectures: At the Central European University (2010) – 『ソロスの講義録― 資本主義の呪縛を超えて』
    My Philanthropy (2012) – 『ジョージ・ソロス―投資と慈善の哲学 (NHK未来への提言)』
    Financial Turmoil in Europe and the United States: Essays (2012) – 雑誌や新聞への寄稿のまとめ。
    The Tragedy of the European Union: Disintegration or Revival? (2014) – EU崩壊の予言。

天才投資家ジョージ・ソロスの「再帰性理論」をもっと分かりやすく!=東条雅彦 | MONEY VOICE

Jim Rogers (1942-) 冒険家。SorosとQuantum Fundというhedge fundを運営した。

    “Investment Biker: Around the World with Jim Rogers” (1995) – 『冒険投資家ジム・ロジャーズ 世界バイク紀行』『大投資家ジム・ロジャーズ世界を行く』
    “Adventure Capitalist: The Ultimate Road Trip” (2003) – 『冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見』
    “Hot Commodities: How Anyone Can Invest Profitably in the World’s Best Market” (2004) – 『大投資家ジム・ロジャーズが語る商品の時代』
    “A Bull in China: Investing Profitably in the World’s Greatest Market” (2007) – 『ジム・ロジャーズ中国の時代』
    “A Gift to My Children: A Father’s Lessons for Life and Investing” (2009) – 『人生と投資で成功するために 娘に贈る12の言葉』『人生と投資で成功するために 娘に贈る13の言葉』
    “Investment Strategies with Adventure Capitalist” (2006) – 『冒険投資家 ジム・ロジャーズが語る 投資の戦略』
    “Street Smarts: Adventures on the Road and in the Markets” (2013) – 『冒険投資家ジム・ロジャーズのストリート・スマート 市場の英知で時代を読み解く』

    『徹底大予測 21世紀「この国が買い、この国は売り」―天才投資家の世界バイク紀行』 (1999) – 英語の原著が見当たらないので、記事やinterviewを翻訳したものか?
    『世界的な大富豪が人生で大切にしてきたこと60』 英語の原著が見当たらないので抜粋と思われる。

元々Jimは豊富な世界経験を元にした情勢分析屋で、その全盛期は相場師Sorosと組んでいた時ぐらい。袂を分かってからは中共や北朝鮮など社会主義国に異様に肩入れするようになり、特に21世紀に入ってからは自分が見つけた理由や正当性を最重要視して法螺に近い出鱈目を吹かすようになって、相場観も完全に狂っている。

Carl Icahn (1936-) [カール・アイカーン] : 乗っ取り屋。Trumpを支援。

Paul Tudor Jones II (1954- ) [ポール・チューダー・ジョーンズ II世] – II世は大概省かれる。見習いから初めて大きな成功を収め続けた現代の成功者。1987のBlack Mondayを予測、さらに2015のChina shockを事前に予測してfundを精算、trader養成学校を設立している。TechnicalとしてはElliott Waveを重視し、value investingは行わない。

ポール・チューダー・ジョーンズ: 私たちが資本主義を見直すべき理由 | TED Talk | TED.com

Paul Tudor Jones, Analogs, and Jeff Bezos | The Irrelevant Investor
ポール・チューダー・ジョーンズに学ぶ株式投資の教訓 『マーケットの魔術師』に失敗談やらを色々語っている。

Martin S. Schwartz (1945-) [マーティン・“バジー”・シュワルツ] – 1984のU.S. Investing Championshipの優勝者。

日本の相場師

市場における投機という分野において、日本は歴史上特殊な地位を占めている。
それは、江戸時代に米先物市場が成立し、それが連続的に近代的な株式・先物市場へと移行したからだ。

[相場環境]

細金正人 『兜町の四十年』 (1990) – 敗戦間際の政府統制からGHQによる接収を経て復活する昭和二十年から平成の泡沫経済崩壊までの兜町がまさに兜町であった時期を描く。写真類が一切ないので東証に行って見てからのほうがわかりやすい。

鍋島高明 – 相場師伝記作家。江戸時代から現代まで。

    『今昔お金恋しぐれ 文学に見るカネと相場99話』(2000)
    『相場師異聞―一攫千金に賭けた男たち』 (2002)
    『相場師奇聞―天一坊からモルガンまで』 (2003) – 一人十頁。
    『ヘタな経済書より名作に学べ 古今東西52編が語る金と相場』 (2004)
    『賭けた儲けた生きた』 (2005) – 一人十頁。
    『相場ヒーロー伝説 -ケインズから怪人伊東ハンニまで』(2005)

      フッガー家三代 銀と銅の先物買いで巨富
      神屋寿禎・宗湛 秀吉の寵愛を受けた「筑紫の坊主」
      ヤコブ・リトル「ウォール街の巨熊」と呼ばれた男
      ヴァンダービルト 七十歳でウォール街に乗り込む
      山城屋和助 生糸相場で豪快な取引
      渋沢喜作 大敗も喫した投機道の達人
      安田善次郎 売り手とならず買い手に徹す
      九代目渡辺治右衛門 東京屈指の土地長者
      浅野総一郎 憧れの「銭五」を超えた事業王
      中野武営 四半世紀に亘り東株を指揮〔ほか〕
      竹原有三郎 相場道に徹し、巨富築く
      今村清之助 ドル相場で奇略縦横
      小野金六 甲州財閥三人男として勇名馳せる
      寺田甚与茂 徒歩主義に徹した「貨殖の奇才」
      高橋直治 一代で没落した「小豆将軍」
      坂谷宮吉 北の海運王は戦争のたび巨利
      岩下清周 リスクを引き受ける「男の中の男」
      清水石松 蛎殻町切っての名物男は侠骨の士
      小池国三 堅実なサヤ取りで大成果
      杉野喜精 七番番頭から一気に山一社長
      バーナード・バルーク ボクサー志願から相場の達人へ
      山本唯三郎 大正バブル飾る「虎大尽」
      吉村友之進 横浜取引所切っての大相場師
      穴水要七 投機心の塊、紙業界揺るがす
      鈴木 隆 小学校教師から大富豪へ
      J・M・ケインズ 右手に『一般理論』、左手に八十万ポンド
      林 荘治 金解禁めぐる混乱で巨利
      近藤荒樹 金融王にして“相場の神様”
      伊藤ハンニ 昭和の天一坊か、天才か
      アンドレ・コストラニイ ブダペスト生まれの大投機師

    『相場師秘聞 波瀾曲折の生涯』 (2006)
    日本相場師列伝』 (2006) – 文庫で一人四頁。名前・経歴・信条で埋まるので実質三頁の記述。
    日本相場師列伝II』 (2008) – 同様。基本的には日経新聞の連載が元。
    語り継がれる名相場師たち―明治・大正・昭和を駆け抜けた「勝ち組」53人―』 (2010) – 文庫で一人5-6頁。
    天才相場師の戦場』 (2008)
    『一攫千金物語 日本相場師群像』(2009) 単に人物だけというより、頁数を定めず一章で時代そのものを描く。

      「北浜の平ちゃん」が行く 最後の相場師・畠中平八
      先見力で風雲呼ぶ木下茂 – ある鉄商の栄光と挫折
      児玉富士男の北浜奮戦記 – 小僧上がりの相場名人
      「蛎殻町は俺の戦場だ」 – 米騒動で名を残す増田貫一
      米騒動で失脚した仲小路農商務相 – 相場師を市場から放逐した男
      中共の怪傑・林茂 – 元の無一文に戻る
      足るを知る男・川村佐助 – 近藤紡・山種を連覇
      「桑名筋」板崎喜内人-相場師が経営者になって失敗
      ハマイト黄金期の電光将軍-NYまで轟く「コジマ」の名
      自由民権壮士と相場師 – 山栗門下の大矢正男
      下関米穀市場繁盛期(豊永長吉)
      堂島を沸かせた面々
      東株の黄金時代築いた二人の男(取引所を産業インフラに育てた郷誠之助・相場は「God Knows」河合良成)
      異彩の商品取引所理事長二人(新聞社社長で米穀取引所を仕切る斉藤修一郎・大阪財界のドン杉道助)
      先物寸言

    侠気の相場師 マムシの本忠 吉原軍団が行く』 (2010) – 戦後の商品先物業界で「マムシの本忠」と恐れられた本田忠―

青野豊作 (1934-) – 経済誌記者、商訓研究。

    『相場師入門ー株のプロを目指せ』(2000) – 本間宗久の研究者。福沢桃介に多くの頁を割いている。他、雨宮敬次郎や田附政次郎など相場師の記述。戦前~戦後の日本株式市場の様々な出来事が経験的に語られるので、日本株市場の歴史的背景を知るのにもいい。例えば、III章では、Dow Theoryを日本株式市場で見たような、theme(テーマ)株がもてはやされるのはどういう時かよくわかる。

[相場師]

18世紀後半 – 米先物取引
堂島米会所 前史 (1697-) 米 (1730-1869) 綿など商品全般 (1871-1939)

本間宗久 (1724-1803) – ローソク足・酒田五法の考案者であるとされる。

    『宗久翁秘録』
    『相場三昧伝』 – 秘録もだが、当人の著作かどうか疑わしい。林輝太郎の『定本 酒田罫線法』がそこら辺りを詳しく調べている。
    『本間宗久相場三昧伝-相場道の極意-』 (1994)原文は抄録。
    青野豊作『相場秘伝 本間宗久翁秘録を読む―希代の天才相場師に学ぶ必勝の法則』(2002)

牛田権三郎 (?~1755~?)- 世界初の先物市場である大阪米相場で活躍。『三猿金泉秘録』(1755) は和歌で本髄を表現し、評価が高い。

    喜多村政一『三猿金泉秘録-和歌で相場道を極める-』 (1991) – これが唯一原著に忠実なようだ。
    清水洋介 『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」』(2006) – 本間の三昧伝と三猿を引用して極意を解説するという手法。余計な文章が多い。

三猿金泉秘録より 相場戦略研究所

猛虎軒 (?~1756-1798~?) – 実体不明

    『八木虎の巻』
    『八木豹之巻』
    『八木竜之巻』 見機館主人著とも謂われる。他と違って、見込みや天底の見分け方などない徹底した技術論。

    一連の八木(はちぼく)本は具体的な手法を解説しており、松辰、林輝太郎などは高く評価しているが、原文が手に入らない。

他江戸時代の相場本で引用されるようなものは、『売買出世車』(1758)『商家秘録』(1771)『相庭高下伝』(1801)など。

戦前 – 株のposition tradeと買い占め合戦。日本版金ぴか時代。

田中平八 (1834-1884) – 幕末の志士。「天下の糸平」。東京株式取引所設立。
雨宮敬次郎 (1846-1911) 「大いなる脱線男」 若い頃に洋行。鉄道王。相場は下手。

松村辰次郎 (-1931) – 『松辰遺稿』を残した米相場師。買い占めで有名だが、そういった実需の妨害は間違いだと語っている。最後に失敗したものの、その才能は「天下の糸平」を超えると評価され、言う所も深い。

福沢桃介 (1868-1938) – 福澤諭吉の娘婿。洋行後、結核で相場へ。ただし、日清・日露戦争など大相場での買いだけ。投機的実業家に転身して電力王となり、川上貞奴などを妾にした。

鈴木久五郎 (1877-1943) – 日露戦争景気でボロ儲けしたが、大隈重信の忠告を無視し、その後の暴落で破産。孫文を援助。衆議院議員。

株で兆った男――現代語訳・鈴木久五郎の告白記三編

野村徳七 (1878-1945) – 日露戦争後の暴騰を「相場は、狂せり。」と断言、売り方に回る。野村證券を設立。
岩本栄之助 (1877-1916) – 児玉源太郎副官。中之島公会堂の寄贈者。第一次大戦後の暴落を予見して売りに回ったが、時期が早すぎて破滅した。
太田収 (1890-1938) – 東大出。犬養毅が秘書に求めたが山一證券に入社、「兜町の飛将軍」と呼ばれるようになる。社長にまで上り詰め、鐘紡のinsider情報で勝負をかけるが、政府命令で抑え込まれて破滅し自殺。

戦後

鈴木隆 (1882-1978) – 小学校教師でありながら相場で莫大な金を稼ぎ、衆議院議員となって犬養内閣の会計監査官にまでなった。その相場法は甚だ投機的で浮き沈みが激しい。戦前の相場師で著作を表したのは松辰と鈴木だけと謂われる。概要

    『欧米漫遊百話意外の意外』 (1922)
    『株式成功大觀』 (1948) – これを改題した『株式成功大学』が、『株式商品 成功相場大学』に収録されている。
    『政界うらおもて』 (1952)
    『株式成功哲学』 (1954)
    『株で儲ける法』 (1954)
    『相場で機会を掴む法』 (1955)
    『学園と観光の鎌倉』 (1955)
    『株式富豪への道』 (1957)
    『鎌倉と各郷土の縁故』 (1957)
    『お金のため方ふやし方』 (1959)
    『成金とは』 (1960)
    『房総と鎌倉との縁故』 (1962)
    『鎌倉と信濃』 (1961)
    『鎌倉の富源開発』 (1962)
    『政界思い出百話』 (1966)
    『出よ英雄私の英雄論 日本編』 (1971)
    『株式商品 成功相場大学』 (1990) - 株式成功大觀に中村佐熊の無意味な本をくっつけた本。

山崎種二 (1893-1983) – 「売りの山種」。活動時期は戦前~戦後の早い内。

林輝太郎『ツナギ売買の実践』が山種の手法を探って色々書いている。山種が米相場で儲けたのは戦前の三月限月の時で、さやすべり取りが手法だったかららしい。

川村佐助 (1898-?) – 糸将軍。「足るを知る者は富む 相場に逆らうこと勿れ」 足るを知る者は勝つ~「糸将軍」川村佐助氏の教え | 週間先物ジャーナル 2015年5月4日─第1281号

    『足るを知るこころ : 奉仕報恩の人生 』(1987) – 自伝

佐藤和三郎 (1902-1980)

是川銀蔵 (1897-1992) – 戦前大陸にわたって地を這うような商売を凌ぎ、そこで得た経験から鉱山株の投機に進出。同和鉱業や住友鉱山買い占めなどを行った「最後の相場師」。

    『自伝 波乱を生きる―相場に賭けた60年』(1991) – 『相場師一代』がその文庫化だと思われる。
    木下厚『最後の相場師 是川銀蔵』(2011)

“最後の相場師”こと是川銀蔵 遺産は2LDKマンションだけ│NEWSポストセブン

清水正紀 (1915-2014) – 日本商品先物振興協会(振興協会)の前身である全国商品取引員協会連合会(全共連)の会長。戦後商品先物界を象徴する人物。「相場に度胸はいらない」 – 相場に必要なのは、自分の出来る相場技術を駆使する冷静さのみ。(週刊 先物ジャーナル 2015年2月2日 第1268号)。

岡部寛之 (1917-) – 著書百五十以上。高度成長期に表向きは会社や家庭にとらわれない自由な生き方と当時としては優位性のあった基本的なtechnical技術を使って成功した個人投資家。

    『株の売買入門』 (1974)
    『金儲けのライフワーク―半生で数十億円!岡部式丸儲け術』(1978)
    『素人投資家を出し抜く「大儲け」の極意』 (2006) - 『株 大儲けの定石集』(1973)と『岡部寛之の丸儲け自伝(金儲けのライフワーク)』(1972)を再編したもの。

岡部は定年まで会社勤めを続けて退職金は貰う、ダンス教師、免許を取って大学講師、百五十冊以上の著書を書きまくって印税で儲けるなど稼ぐ機会は徹底利用する一方、飲み代はケチる、戦時中の火災保険を利用、妻子は持たず養わない、国家愛・郷土愛・会社愛など所属集団への愛情は一切ない徹底した利己主義者でかつ享楽主義者でもあったので「遊ぶヤツほどよく儲けられる」と嘯いている。若い時分は文学志望だったが、Marxismに触れ唯物論にハマり、疑似科学の資本論などの延長で一種の社民主義革命の資金集めのために株取引を始める。当初は親の預金を無断で引き出してやるというものだった。腸捻転で入院した際に入院費としてその親に金を使い込まれたので以後一切家族すら信用しなくなる。その活動は戦時中を挟んでおり、詐病で徴兵を回避した話やら・・どうも自伝を読んでいると読者を喜ばすために脚色した面白話でないかという気がする。「百五十冊の著作」だが、国立国会図書館の検索で調べると、1939の『配当制限と今後の株式』からだから相当な数になるだろうが、実体は不明である。

 「定石を体得し、実践で鍛えられた相場師が、なぜ敗北したのか。これは5,60歳を越しても、なお相場の世界に足を突っ込んでいたからだ。老いたアルピニストが、いつまでも若い者と同じように山に登り続ければ、いつかは遭難する。相場もそうだ。年をとれば判断力、決断力、自己制御力が鈍り、アクセルもブレーキも効かなくなる。このような状態で、壮年期と同じ姿勢で勝負に出れば敗北するのはむしろ当然のことだ。」『大儲けの極意』

☆相場に秘伝ありとすれば 己の脳力の低下を知り、資金を限定することである。老相場師の最大の敵は無能化した自分である。忍耐力を喪失し、刹那的売買になりがちである。歳を取って視力が落ちれば、それに比例して脳の働きも鈍っている。増大する損失に耐えられずに大きな損をすれば、精神的に消耗、疲労し、何をやってもうまくいかなくなる。何もせずに休んで、市場と自分が冷静さを取り戻すのを待って動き出せばよいのだが、老化により、それができなくなっている。

相場というものは
 計画的な建玉以外は儲からない。
 体調と精神状態が良くなければ儲からない
 運が良く、ツキがなければ儲からない
 負けが続いているときに、損を取り戻そうとすれば致命傷になるものである。
相場師 引退 – 相場戦略研究所

「金儲けのライフワーク」を手に入れることが出来た。「大儲けの極意」には書かれていない内容も多く、彼の人生を学ぶ上で大きく役に立った。手に入れて良かった。しかし、一番良かったのは、彼の虚飾が幾分か剥がれたことである。彼は家族を愛さない、頼らないと公言し、家族が金をせびりに来て、それをいかに拒絶したかを「大儲けの極意」では書いている。彼は家族に対して本当に情を持っていないんだな、と読者は信じるはずだ。ところが「金儲けのライフワーク」を読むと、脳溢血で倒れた弟のために、自らが設立した会社の取締役に雇い入れてやり、仕事をほとんどしなくても給料を支払って、養ってあげているのである。それでも文句を言う弟のことを挙げて「だから血縁なんて面倒なもんだ」と愚痴をこぼすのだが、なんだ、岡部さん、意外にいい人なのね、とちょっと心外であった。

また、いかに会社で仕事をしなかったのか、を延々と自慢しているが、実は岡部氏、結構なやり手で“日本で第5位の証券会社”を設立することを決意し、実際に証券会社の事務所を設立、中小の証券会社の大同団結のとりまとめまでしている。しかし、それがうまくいかなかった理由として、自分の会社、住友生命が、岡部がとりまとめた証券会社に次々に人を送り込み、トップを浮かしてしまったからだ、と分析している。なんだ、岡部さん、会社の余剰人員の受け皿を大量に作るだなんて、一介の社員としては、随分な功績なんじゃないの、それだけ優秀だから、遅刻をいくらやっても許されたんであって、「俺はこれだけ遅刻している、それだけ会社に縛られてなんかいないんだ!」なんて自慢しても、そりゃあんたのように優秀だからこそ許される行為でしょ?と問いかけたくなるのである。

また、株式の運用だけで一財産作ったように説き、自慢しているが、この人、著書が55歳の時点で120冊もあるのだ。印税だけで膨大なものになろう。株だけで財産を築いたのではなかろうに、まるで株の運用だけで金持ちになったかのように振舞うのは、よしていただきたいのである。また、彼は大学教授の肩書きを得るために、31歳から36歳までの5年間、土曜は昼の1時半から深夜12時まで、日曜は朝の10時から深夜12時までを毎日勉強に充て、論文を書き、経済博士号を取っているのだ。努力嫌いで楽して生きているかのように振舞っているが、嘘ばかり。猛烈な努力家なのであった。

結局この人、無頼を気取っているけれども、努力を怠らず、家族も助け、会社に莫大な利益をもたらした堅実な男なのであった。家族に対していかに冷たいかを自慢しているが、誰だって時には冷血漢のように身内に振舞った経験くらいあるだろう。それを、さも毎日そうであるかのように描いているだけなんじゃないか?
売れば暴騰 岡部寛之を読む

無頼を気取っていたが、実際は一流企業のできる社員で、大変な努力をして教授の肩書も得、親族の世話もしていた。また、印税で稼いだ額も大きい。岡部の場合、相場以外の収入がしっかりしているので、それ自体が金銭的・精神的余裕に繋がるし、単なる女遊びでなく温泉旅が趣味だったので、「休むも相場」として上手く機能したのだろう。

林輝太郎 (1926-2012) – 商品先物から始めて技法を核心とする。投資家教育に尽力した。日本の相場師で林輝太郎を読んでないのはモグリと言って良い。技法・心構え両面で知っていると知らないとでは比べ物にならない。

    小豆相場の基本 -勝利への知識と技術ー』(1961)
    『サヤ取り利殖 確実な高利回りの追究』 (1967)
    中源線建玉法』 (1974) – 資金を三分割して建玉を操作する手法。Pan Rolling 相場に関する研究発表・雑学他
    『商品相場の技術―相場師の技法と練習法』 (1984) – 技法が凝縮されているが、徹底して商品と先物。両者に取り組む気がないとつらい。
    『株式上達セミナー―これで成功は約束された』 (1986) – 随筆風だが実践より。
    『ツナギ売買の実践』(1989) – うねり取りにも繋がるツナギの両建て、玉操作からサヤ取りまで。技法寄り。
    『定本 酒田罫線法』 (1991) – 本間宗久発案と呼ばれる酒田五法やローソク足の見方について、他が俗書と呼べるほど深い。
    『商品相場必勝ノート』 (1991) – 随筆・心得寄り。
    『相場師スクーリング』 (1994) – 相場師として生きる心得という点で評価が高い一冊。technicalやalgorithmic tradingへの正しい批判が多い。
    『株式成功実践論―勝者への道標』 (1997) – 板垣浩との共著だが、実質的に林の本。
    『うねり取り入門―株のプロへの最短コース』 (1998) – うねり取りの本だが、技法はほとんどなく随筆・戒め。
    『売りのテクニック』 (1999) – 空売りの有用性から、心理的克服、制度的に貶めてきた国の批判まで。
    『脱アマ相場師列伝―具体的な売買法と練習上達について』 (1999) – 先物が主なのでややこしいが、移動平均線の部分は輝太郎がいかに凄まじい罫線研究を経てきたかが見える。
    『財産づくりの株式投資―売買の基礎の基礎』 (2000) – これが一番体系的に基本を教授している。他も重要だが、まずこの書を持って実践すべき。
    『相場金言集―世界の名手が発見した定石』 (2001) – 単なる名言寄せ集めでなく、それも含めて重要な基本手法を説明している。必携。
    『脱アマ・相場必勝法―プロの「企業秘密」公開』 (2001) – 立花義正ら、輝太郎が付き合いのあった本物の相場師であった人物を取り上げている。ほとんどが障害者や身体的劣等を背負う特殊な人間。駆け出し時代の輝太郎のことも語られている。
    『株式売買記録と解説』 (2007) – うねり取りの売買記録と説明を公開。
    『勝者へのルール』 (2008)
    『相場技法抜粋-相場技術論の核心-』 (2010)
    『相場の道 松辰遺稿・現代語訳注』 (2012) – 松村辰次郎の遺稿を息子が纏めた『松辰遺稿』の現代語訳。原文は無い。

    林輝太郎「もし、私が相場をはじめた頃に技術の一片でも知っていたら、他人にいえないような失敗や、またあれほどの苦しみの連続も相当に軽減されていたかもしれない」

    輝太郎の本のわかりにくさは、複数の限月が並行的に取引され、限月間の乗り換えやサヤ取りなどが起こる商品先物を前提としている所にある。技法やtechnicalを語る際にも、それらが絡められるため複雑さが二乗・三乗となり理解しやすいとはいえない。しかし、他で軽んじられる玉の操作を中核に置いたのは輝太郎とその周辺だけで、それだけでも突出している。基本的にはうねり取りの技法を核としつつ、後年はFAI投資法へと傾斜するが、輝太郎の著作で仔細が語られることはなく、clubで実践され、解説は林知之が行っている。輝太郎の本に似たような内容が登場することが多い割に具体的な売買が一冊を使って構造的に説明されることが少ないのは、林投資研究所の会報をまとめたものが基盤となっているのが原因。精神指導の部分において似たことが角度を変えて繰り返されるのは、それだけ人間が本能的にやってしまいやすいことであるのを、投資家教育の中で知っているからで、悪いことではない。

    ~林輝太郎・ダイワフューチャーズ講演(1) ~ : シンプルトレード日誌

    金野秀樹 『金野式商品先物入門』 – 輝太郎の手法で行った小豆の商品先物取引を実践的かつ簡潔にまとめたもの。CD-ROMは十年分の小豆相場のdata。

    相場師朗相場師朗の株は技術だ! 倍々で勝ち続ける究極のチャート授業』 (2016) – うねり取りでの建玉操作と判断を図示でわかりやすく説明したのは現状この書だけではないか?「練習、練習、練習」と繰り返し言っているが、売り買い両方の玉を逐次操作して、段階的にドテンを繰り返すうねり取りはまさに練習と鍛錬でしか身につかない。technicalとして、5\20\30\100\300日移動平均線のみを使用し、環境認識はそれが中心。この人の商売は、著書は安く売って客を集め、一方、過去三十年のdataとそれを一本ごとに表示して仮想演習できる毎月五千円の練習utilityで散々練習してからやらせるというもの。うねり取りそのものが、相場環境と周期を見、損切、分割建玉、分割手仕舞い、売り買い交錯の両建てなどが複雑に絡み、その一つ一つの基礎に習熟した人間がやるものなのに、いきなりそれをやろうとしても長い時間をかけた上、途中で混乱して失敗し、資金を失うのが落ちだろう。相場は両建てのうねり取りから始めないほうがいい。ややこしすぎてうまくいく訳がない。つまり、技法としてかなりの経験を積んで、一つ一つを詰めた性質的にもそれが合う上級者がやるもので、中級者以下がいきなりうねり取りの練習を積んでもうまくいかない。

    上岡正明 『うねりチャート底値買い投資術』(2016) – うねりチャート投資で1億円!|ダイヤモンド社が関連連載。初心者向けかなという感じ。

立花義正 (1909-1985) – 戦後の高度成長初期にたまたまもらった自社株の売買で相場を始めるが多くの失敗を重ねていた、そんな中、工場の事故で片足を失ってしまい以後は相場師人生を歩む。本当の意味での失敗、そこから成功する個人投資家の姿と技法を記した。

    『あなたも株のプロになれる―成功した男の驚くべき売買記録』(1987) 。失敗の経験談、本当の売買技法の説明においてこれ以上はない。売買譜付き。

知識と実行力とは別なもので、知識は思索という道を通りますが、実行力には作業という道程が必要なわけです。そして、その作業は決して楽なものではありません。売買の練習と上達という作業は一人で行うものですから、なかなか長続きしません。水泳の練習や碁、将棋の勉強などでは話し合う人もいますし、他人のやり方や進歩をみて励みにもなり、「よし、自分もやってみよう」と心を奮い立たせることもあるでしょう。また、指導してくれる先生もいますから、スランプのときなど力になってくれるでしょう。そういう精神的な支えになることが周りにたくさんありますが、売買の練習と上達は本当に一人だけで行うものなのです。知識先行がどうして悪いかというと、第一に知識のみ先行してしまって、技術の習得をおろそかにするという一般的な欠点が指摘てきます。そして、技法の習得は簡単なものから出発すべきなのに、なまじ知っているものだからいきなりむずかしいやり方をやって失敗してしまう場合が多いのです。たとえ簡単な方法でも、何回か繰り返してやらないと出来るようにならないし、身につきません。p.51

資金が増えると、知っているがまだやったことがなく、できないことをやろうとして失敗してしまうのです。できること以外は知らないほうが利益があがります。中途半端、くだらない知識は失敗のもと。p.54

長期的な資産運用のための元株、中短期のものでは計画的な建て玉――以外は、越年してはいけないというのが売買益で生活していく上での鉄則。その年の暮に株も商品も全部手仕舞いし、暮れから正月にかけて冷却期間を置いて、なおかつ持続すべきであると判断したならば、一月の大発会に改めて買い直すというのが鉄則です。手数料を払うとか、大発会が高かったら損をするとかいうのは、ほんとうにつまらないことです。そんなものは、手仕舞いすれば冷静になれるという貴重な自己の向上の代償としては、まことに安いものといえるでしょう。現物でも信用の建て玉でも、十二月末にはできるかぎり手仕舞いする事ですp.69

正しい売買をやっていると、でたらめにやっていたときには想像もしなかったようなことが起きてきます。世間一般のしごとや技術では、そうしたことを”新しい世界が開けてくる”と表現しています。が、それが相場の場合は、自分の玉に対して値動きの強さとか感じがわかってくるということです。強さが分かってきたことも手応えが感じられるようになったこと、さらに乗せが出来るようになったことや興奮せずに売買注文を出せるようになったことなどは、毎日あきずに場帖をつけ、自分の仕事として売買を行っている過程で起きた出来事なのです。p.143

自分の欲望の赴くままに売買して損するのは、下手なアマチュアに共通する欠点です。それを是正するために、行き当たりばったりの売買法をやめ、ある時期、自分の相場観を殺して昔からの定石の真似をするか、一定のパターンを決めるなどして考え方から具体的な売買の方法論まで一貫したものを習得するとよいでしょう。つまり型というか、やり方の洗礼を受ける必要があるということです。私はそういう”洗礼”を受け、通り越したら定石やパターンから抜け出せると思ってやってきたのではなく、自分の失敗の経験から、欲望を表面に出した売買よりも、昔からの定石やパターンの方が優れていると思って実行してきたのです。そして、それはあきずに同じことを繰り返し行うことによって身につく”慣れ”とでもいうべきものだったのです。慣れてしまえば自分なりの手応えがつかめますから、失敗も分かります。したがって早く逃げられるようになりました。また、押しを待って手応えある買い乗せが出来るようになったということで、これも欲からつかんだものではありません。p.146-147

何回か成功して少し自身がついてくると、真面目に勉強していこうという他の人々に教えてあげようかなどと思ったりもします。そして実際に教えてみると、相手が練習の苦しみを経験しておらず、早く利益を得ようという欲のために、その親切心も理解できず失敗して、逆に恨まれてしまうのがオチです。
本当にそうなのです。損している人を見ると、ついつい教えてあげたいという衝動にかられてしまいますが、相手がつらい練習はしたくない、楽して儲けたいという無理な欲望のために苦しんでいるのですから、教えて上げる必要はないのです。p.158

急伸の翌日に買うとか、急落を追いかけて売るということは、そのやり方が不利なことを十分に理解した上で、あえて行うという場合以外は現に慎むべきです。将来の大成のためには絶対に追っかけをしないことです。増し玉そのものでさえ、値が同じところならば資金的に不利になっていくはずですし、平均値ということを考慮に入れればさらに不利になってしまいます。そのうえ、不利な方法を行使するということは、つまるところ三重の不利を背負い込むことになるのです。多くの投資家が上達しないのも、私が失敗して家族を泣かせたり自殺寸前まで追い込まれたりしたのも、結局は乗せを積極的に(と錯覚して)実行したからなのです。pp.164-165

二股では力半減以下 pp.165-166

私はプロであるから前進しなければいけないが、背伸びをしてはいけないのだ。 p.172

ツナギは保険ツナギ、利益確保のツナギ、ドテンのためのツナギなど、理論的にはいろいろ解説されていますが、私は”本玉維持のための反対玉”という実用的な解釈をしています。p.173

順張り専門のプロはまずいないといわれています。順張りは心理的に楽でやりやすいでしょうが、実質利益が少ないうえ、失敗の確率が高く、その金額も大きいからです。そのあとは、やはり逆張りの押しを狙うのです。最初の玉は順張りで入れても、二度目からは絶対に追っかけ買いをしないことです。また、上げの途中の保合いからの再上伸の場合には、はじめの玉でさえも順張りでは買わないことに留意しなければなりません。p.229-231

プロでも、買いそびれてしまったときには初心者がやるような単純なやり方をしているのです。そもそも上手な人とは、むずかしいやり方をする人のことをいうのではなく、やさしいやり方をしながら失敗を減らしていくことを心がけている人のことをいうのではないでしょうか。自分の心(欲)のままに売買する人は、そういう方法を心がけているつもりでも、結局は独りよがりで、分割という売買の基本から外れており、あとで苦労することになるのです。それにひきかえ、こんな簡単な方法でも、基本を守ってさえいればいいわけで、これに慣れが加わってくれば立派にプロの技術として通用するわけです。p.232

ただいえることは、「自分で売買しようという固い決心をしたら、それを実行しなさい」ということです。もっと具体的にいえば、売買技術の向上意欲をもち、自分の型をつくろうという方向に向けることです。そして、自分の型をつくるまでは証券会社側の人たちとは絶対に話をせず、そういう類の本も読まないようにすることが肝要だということです。p.241

パイオニアの株価データ(昭和50~51年) | ¥∞ – 立花の売買譜のdataとそれをchart化して理解できるsoftwareを配布している。
上達のプロセスこそ秘訣 その24・・・うねり取り考察② ( 株式 ) – あらなみの相場技術研究所
「立花さんは、逆張りナンピンばかりを主張されておられますが、私が売買譜を読んだ限り、トレンドフォロー派であって、玉の入れ方はリトレースメント(押し、戻し)を狙う、という戦略」上達のプロセスこそ秘訣 その25・・・うねり取り考察③ ( 株式 ) – あらなみの相場技術研究所
立花義正の売買技法 – 相場戦略研究所 – Yahoo!ブログ

板垣浩 (?~1990-1997~?) – 証券会社で修行し、後独立して十億円稼ぎ米国へ移住。林輝太郎などと組んで内情暴露や証券屋・個人投資家双方への厳しい本音の意見を出した。板垣が実際に相場に参加したのも、bubble破裂前の高度成長期であることに注意。

    『自立のためにプロが教える株式投資』(1990) – 基本の技術を身につけるための精神指導、解説書。証券業界の実態について露骨に本当のことを述べた。
    『株式成功実践論 勝者への道標』(1997) – 実質的には林輝太郎の本。Technicalだの知識をひけらかして肝心の相場行為で破滅したA氏の話を核とする。

林知之 – 輝太郎の息子で輝太郎の創設した林投資研究所を引き継いだ。seminar屋としての色彩が濃く、FAI投資法・著作ともに評価は低い。

「FAIは何を買っても儲かるような上げ相場の時期にしか機能しない。下げ相場で行なえば大きく資産を減らすことになる。これは買いを主体にした、どのような投資法でも同じである。」「株式市場の不況期に低位株は選別して上がるといっても、上記のとおり手持ちはボロ株ばかりになるし、買いサインは大量発生するから当てるのは至難の業。
いくつかの銘柄が当っても、最大24銘柄に分散するから、資金効率は良くないし、ツナギを想定していないので下げ相場にはノーガードになる。」「そして、こういう精神的に苦しい作業を永年続けていくと、人によっては次第に精神的に錯乱し、ノイローゼになる」ボロ株集め(FAI)はやめよう – 相場戦略研究所 – Yahoo!ブログ

自己流のFAI投資法 – 相場戦略研究所 –

鏑木繁 (1930-2013) 筆名「風林火山」。投資日報主筆。日本株式市場の経験者としての言は役立つ所が多い。一方で、霊・占い・宗教などを持ち込んでいる。

「かつて筆鋒鋭く商品取引業界の悪事を攻めまくり、勢い余って、あることないこと書き立て、先物業界のドン、清水正紀氏の逆鱗に触れ、鏑木さんの新聞がさっぱり売れなくなった。」(週刊 先物ジャーナル 2013年10月7日 1203号

矢口新 – 元証券dealer。『生き残りのディーリング』は証券会社で働く人向けの教科書となった。


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