SAND STORM

朝ぼらけ

2016年12月20日

投資日記 2016/12

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◇相場というのは

人は金儲け以外の目的でも取引するのか?
答えはもちろんYesだ。強迫観念に取り憑かれている者もいる。一方、相場を一つの挑戦と見る者もいるのだ。

相場というのは、一つの生きざまである。奴隷とも主人ともなりうる。
相場は諸刃の剣である。夢を実現する手段ともなるし、また粉々に打ち砕くこともある。
相場は舞台だ。群像劇でどんな役を演じるかは本人次第だ。
相場は一層の高みに至ることができる思索の場である。
相場では本当の自分となって試行錯誤することができる。常に次なる機会がある。
相場は今日の問題を越え、明日の約束の地へと続くものだ。
相場師は、頭を雲の上に出しながら足は鍛錬された思考と行動という確たる基礎の上に立つ。
相場は大きな危険を伴う。宇宙に挑むようなものだ。
相場は将来への希望とともにある。必ずや実現されるという保証もないが、手の届かぬところにあるわけでもない。
失敗することもあろうけれど、同じ過ちを繰り返すことは避けるよう努めねばならない。
相場は手に入れたいもののために対価を払う場だ。金を儲けるために金を使う術だ。
恐れが最大の罪となり、諦めが最大の過ちとなる。失敗を受け入れることが勝利への第一歩となる
相場はいつか見つかるとわかっていながら探しものをするような、そう、開かれるとわかっていながら扉を叩き続ける行為なのだ。
相場は個々人自らの腕だ。人の数だけ取引のやり方がある。
相場では勇気が必要な時は大胆になり、進退これ谷(きわ)まれリと思われたときにも優れた判断を下し、用心が必要な時は慎重たらねばならない。
生き残るためには時には風に流される適応性も必要だ。逆境に耐え、傲慢にならぬこと。他人から学ぶことは常に可能だ。
相場は、嘘をつくこと、特に自らを欺くことが世の中で最も危険と教える。
最大の愚行は願望を事実に置き換えることだと理解し、事実に目を向けること。相場では、賢人たらねばならない。知恵と行いが一つに合わさっていることこそが正しい。
世の中で最も潜在的な力ー正しく前向きの思考を使う術。最大の、次なる機会を活かすのだ。最大の勝利ー克己を手にするのだ。
最大の障害ー自惚れ、最も高くつく道楽ー憎悪、そして、最も馬鹿馬鹿しい性(さが)、似非の自尊心に打ち勝つことだ。
最大の痛みは金の損失ではなく、自身の喪失である。そして、もっとも必要とされるのは常識である。

馬鹿な人は相場を安全な賭けだと考え、利発な人は危険を伴った仕事だと考える。

息が詰まり、会社に飽きる―というように自分が鏡の館にいると気づいた時には、鏡を割ることだ。窓を穿ち、新鮮な空気を吸い込むのだ。新しい眺望を獲得するのだ。そうすれば、自由に考え、自由に行動できるようになる。

Roy W Longstreet “Virepoint of a Commodity Trader”
ロイ・W・ロングストリート 『相場のこころーマーケットの見方・考え方』pp.161-164

Q.すべてのトレーダーは勝ちたいんじゃないのですか?
勝っても負けても、皆自分の欲しいものを相場から手に入れる。負けるのが好きなように見える人もいる。だから、彼らは負けることによって手に入れるんだ。
Ed Seykota(エド・スィコータ)

俺が必要なのは単なる金ではない。金は必要だ。それは不具者にとり、やり続ける強制因となりはする。
自己と世界に対する、肌を地面とすり合わせるように踏み込んだ自己制御のための知覚、逃避的な哲学や歴史の知識を実態次元で肉付ける必要がある。
歴史には経済という血の流れが現に世界を動かし、人々の決断を支配し、行動を制御していることがあまりに軽視されている。超人を追求し、大衆を無視する・・・
哲学は真理に迫ろうとしてあまりに身勝手に現実から遊離したものが多過ぎる。相場書と同じぐらい出鱈目で使い物にならない部分が多い。
そして、今これからすべてが覆っていく、人間の機械律的な手法とやり方がどこまで通用するのか、言い換えればどこまで影響するのかも。
真実に対する知覚と制御が骨となり、経済活動への知覚と関与が肉となり、技術が手足となり、そして人々の内心からの動きとそれへの関与という血が必要だ。

◇後講釈

波の形が見えてからうねりの底で仕掛けるなど後講釈に過ぎず、そんな都合よく波の上下が捉えられるなら誰でも儲けられるよといった類の机上の空論でしかない。具体的にどうやってうねりの底/天を捉えるのか?

基本的にはtechnicalでの支持線・抵抗線、水平線、移動平均線などから反転の可能性が高い所に想定して仕掛けるしかない。ここで重要になるのが玉操作で、試し玉、先玉・本玉、乗せ玉を一定の受け入れ可能損失の中でどう構築するか、また潮の流れから想定した方向に流れる可能性は十分あるのに、目の前は逆への目も強くなってきたので反対方向のツナギ玉を建てる、外すといった動作。もちろん反転の前提が崩れたら即すべて切る訳だが、その判定をどう、どの割合で行うか。

立花義正の流儀では、うねりの中で玉を重ねるほど平均値が有利になる、つまりナンピンこそが本職の玄人に至る道だと言っているが、それが本当かどうかは彼のように一銘柄に集中して何年もやってみないとわからないことだ。結局、ナンピンが成功するとしたら、損失額を限定した上で、可能性の高い場所へ向かって計画的に玉構築をする場合だけであり、その可能性の高さは市場の流れ・潮の流れを背負う、反転の理由になる場所が明確にある場合にのみ仕掛けるといったことでしかない。

結局は根拠のある枠組みを軸に自分で試して練習を繰り返していくしかない。

うねり取りとコストダウン – 相場戦略研究所 – Yahoo!ブログ – 林輝太郎のうねり取りは、商品相場における限界性・回帰性(株と違い高値安値双方に限界があり極端に振れた所から回帰しやすい)や周期性(商品の特質から周期的な変動が起きやすい)を利用して、うねりの中で買い建玉・売り建玉双方を細かく調整し、うねりの天井では買い建玉を減らす一方売り建玉を増やす、うねりの底では逆に買い建玉を増していき同時に売り建玉を減らしてゆるやかに途転(ドテン)を繰り返す高度で芸術的な玉操作である。立花は商品から初めて株を一銘柄に絞り、それのうねり取りの泳ぎを繰り返した。


◇潮の流れ

初期の取引からそうだが、自分が損失を重ねてきた根本原因は月足で見える潮に逆らった逆張りを値ごろ感や思惑で行ってきたからだ。単純に大きな流れの方向を認識し、その方向にだけ仕掛けるということをやってこなかったから、自然な相場の流れに乗れず、波先で間違っていても大きな流れで助けられることもなく、逆にほとんどが損で、大きな損失が幾度も発生してきた。

その点はすでに修正し、市場全体の流れ、分野の流れに沿う方向にだけ建てることにしたのだが、それだけではダメで、大きな潮の中でも株価は上下に揺れて中波を形成しつつ流れていく。問題はこの上下の揺れのどこで仕掛けていくかということになる。仮に上げ潮に買い方で入るとして、中波・小波のうねりが保ち合いの天井抵抗線を破って上げた際に買うのか、それともうねりが支持線近くまで下げた際に入るのか。

上は亀田の週足だが15/07過ぎの上方breakoutはそれまでの月足での上げ潮の流れに沿ったものだったのに、次の足で買建てしてもそこが天井で逆に中波の下げに入ってしまっている。これは16/07手前のbreakも同じで、下げ流れの天井を突き破って上げ始めたと思ったら、その次は陰線、更にその次はbreakした陽線の始値近くまで一時下げてしまっている。結果的に押し目であっても10%近い下げだから、通常の損切り限度を超えてしまっており切るしかないだろう。そこまでいかなくとも、trend反転が確認されるまで幅があるので、限界まで待った挙句下に突き抜けて逆の流れが顕在化した場合の損失幅は常に最大化される。

逆にうねりの底で支持線を頼りに反転した所で買いを入れればどうだろう。それがtrend継続の中でのうねりであれば、最低限うねり天井までの利幅、もしそこから再度breakすればそれに乗ることもできる。逆にすぐ下げて支持線を下抜けた場合、損切りはごく近いので損失幅は最小化される。

つまり、市場全体の流れ、分野の動向、月足での潮の流れには従わねばならないのだが、目の前の波の動きには逆に対応しなければならない。

◇追っかけ買いの正しい時と誤っている時

もうひとつの損を重ねた理由が日足や日中の波先の変化に釣られた追っかけ買いだ。boxからのbreakoutやresistance/support lineを破って動いたbreakは一般に仕掛けどころとされるが、私はこれで成功したためしがない。

亀田製菓の日足。左足の四半期決算報告で三連続長大陰線とそれが押し目をつけての追加の陰線連発こそ追っかけ売りが通用したものの、その下落が底を突いて、上げ戻しの潮でのbreakっぽい長大陽線と11月手前の新高値更新は騙しで、次の四半期決算報告でドン下げし、中期の下げ潮となる。それが12月に底を突いて、うねりの山が前のそれより高くなる出来高増大付きの長陽線でbreakしたので買ったら、その次はニ連続で下落。このまま落ちたら騙しのbraekoutで損失という状態だ。breakout後に連続で上げない場合は、期待剥落から利確での売りの動きが重なって、trend継続でも短期移動平均線や支持線まで下げてしまうのである。

上は旧親会社で今でも過半数近くの株を握るマルフク(現シークエッジ)が、数年にわたって無茶なIRを打ちまくらせて仕手操作をし株価を釣り上げて売り抜いた、数多い仕手株の中でも札付きのFISCOだが(月足週足で見るとよくわかる)、breakoutに見えるのがすべて騙しという値動きだ。もっともこれもTrump相場以降はようやく下がり続けてきた週足移動平均線が水平化し、それとcrossして上げ潮転換かと思わせる流れになった。その最中の出来高増大、長陽線で仕掛けたら、その次は毎回陰線調整で、かつてのようなSTOP高連発には程遠い。

これは、breakoutが相場の流れの中でのちょっとしたことに過ぎず、fundamentals変化の裏付けがないからである。新興技術株やSocial game株などでは、そもそもPBR/EPSなどは無茶苦茶な値で、期待感を煽る材料だけがfundamentalsとなる。FISCOは仕手が繰り返されたせいで、期待して買うのがイナゴの残骸だけという状態であり、毎度僅かに上げては刈り取られるということを繰り返している。

一方でfundamentals変化に裏付けられたbreakoutの例。MUFGはTrump当選でのbreakから強烈な一方向の上昇を見せ、連日窓開けの上昇を続けたが、これはそれまで世界中で負の金利がかかる銀行に不利な状況と金融の中心であるUSAで投資銀行の抑圧制度ができていたのが次期政権で失せるのが確定したからだ。明確なfundamentalsの変化(ここでいうfundamentalsは単に利益や時価総額に基づくPBRやEPSのことだけでなく、市場環境全般を含むその企業の事業全体の先行きが大きく変わる要因の変化)に拠らないbreakは、むしろ行き過ぎの下げを待ってtrend変化を捉えるべきだが、こういうfundamentalsの根本的変化がある時のbreakでは、それこそ追っかけ買いをしなければならない。

FISCOの様に、stop高連発の可能性がある一方で、breakが騙しの可能性が高い場合はどうすればよいのだろうか。損切りを長大陽線の終値か、fibonacciの76.4%、幅をとっても50%でさっさと切った方がいいだろう。もちろん、trend自体は上昇継続の可能性が高く、『続高勝率トレード学のススメ』ではbreakした足の始値をstopにしろといい、それは確率的には妥当性があるが、逆に流れた際の損失幅が大き過ぎるので、強いmomentumの継続が危ぶまれるならさっさと切って、再度上げの流れができそうな場合のみ入り直した方がいい。
追っかけ買いをするなら、連日窓開けであるとか、昨日終値から一方的な陽線継続でないと意味がない。

◇北浜~中之島

中之島公会堂目当てで北浜で降りて歩いて行く。公会堂の姿はかなり遠くからはっきりと見えた。

この一帯は江戸時代の堂島米会所や金銀など通貨の両替所、干物など産物の取引所などが集中していた場所で、今でも大阪の商業の中心地だ。

公会堂は誰でも入れるようになっていて、地下には展示室があり、そこで岩本栄之助の事や、当時の大阪の発展ぶり、第一次大戦の資材の急騰が起きる少し前に建設を始めたので無事完成にこぎつけられたことなどが当時の資料で解説してある。特に地図を用いて説明される当時の大阪の様子が興味深い。

隣の図書館にでも行こうかと思っていたのだが、近くに多くの近代化遺産があり、東の方へ行くと大阪取引所やらが色々あるのがわかったのでそちらへ行ってみる。大証の正面には五代友厚の銅像が立っていて、建築様式とあいまって威厳のある雰囲気だ。入ってよいのかなと思っていたら、人がポロポロ入っていくので自分もぐるっと回ってから中に入ってみた。

中に入ると取引価格が表示された電光掲示板が目立つが、それ以外はことさら相場師や証券関係者が集う取引所という感じがする訳ではない。歴史展示室が見学できるというので、喫茶店で食事をしてから上に上がることにした。喫茶店の客はさすがにそれっぽい人が多く気分が高まる。

四階で受付に記帳して、五階の展示室へ。大証の開設許認可証や、立会取引時代の板などが展示されてあるのとともに、江戸時代の米相場の価格を全国にわずか数十分で伝えていた体制であるとか、戦前から戦中を経て戦後の証券史、先物・OPTIONのsimulatorであるとか、色々時代が混ざった展示だ。建物自体の解説本が一番面白かった。

高槻泰郎 「近世日本における相場情報の伝達―米飛脚・旗振り通信」 『郵政資料館 研究紀要 第二号』 (2011年3月)

大証:134年半の歴史に幕 現物株の取引終了 - 毎日新聞 – かつての立ち会い取引は今では姿を消し、今では東証に現物株の取引はすべて移管されて、大証はもっぱら先物などを取り扱っている。

東の方に歩いて旧大林組の建物三階に残されている大林組歴史館を訪ねる。

大林組は通天閣のある新世界の元となった第五回内国勧業博覧会の建設を一挙に引き受けたのは元より、戦前から日本の大工事・巨大建築を数多く手がけてきた関西の巨大総合建設業(ゼネコン)だ。あのSky Treeも大林組により建てられたので、Sky Tree関連の展示が一角を閉めている。他にも工場内でのrobotによる無人製作工程を建物の建設に応用した全自動ビル建設システム「ABCS」(Automated Building Construction System) 宇宙軌道エレベーター建設構想、他にも展示はされていないがCYBERDYNEのrobot suits HAL建設現場に導入するなど、その先進的なことに感心する。

歴史展開の説明にも多くを割いていて、中でも関東大震災で東京市の人口が激減し、一方で大阪市は大大阪市と呼ばれる世界で六番目の規模を誇る日本一の巨大都市となっていたことに強く関心を惹かれた。戦前はほとんどの新聞社や住友・鴻池など大財閥が関西に拠点を置いていたが、経済において大阪の方が名実ともに上だったのである。

写真館|大阪 梅田 このまちアーカイブス – 三井住友トラスト不動産

◇日常を優先せよ

日常の身の回りのことが上手くいかないのに、まともな相場観を持つことはないし、相場に入り込んでの行いがうまくいく筈もない。日常が上手く行っていないなら、全てを手仕舞い、憂いの種を消して、休んで身の回りを整えるのが、何よりも、体調よりも先だ。

◇中之島公会堂

最早応援する気もなくなったし、金の無駄なので大阪行きは取りやめようと思ったが、本来ついでであった堂島の中之島公会堂に行く方が主になったので余興ついでに行くことにした。

北浜で降りて中之島へ歩き、岩本栄之助の破滅を間近に感じてくるとしよう。

「我運命ハ定マレリ、今日迄百万弥縫シ、親戚友人ノ援助、店員ノ努力ニ依リ、幸イ維持シ来タリシモ最後ノ『支払猶予ヲ請フ』ノ結幕ハ単ニ事実ノ問題タラン耳(のみ)」
「事茲ニ至リシハ一ニ自分ノ罪ニシテ周囲ノ忠言、諫止モ幾多聴キナガラ、猶最後ノ悪戦ニ回復ノ僥倖ヲ捨テザリシ為、益々深味ニ陥リ、債務額ヲ増大ナラシメシハ実ニ不明不徳ノ致ス処ト慚愧ト後悔ニ不堪候事実ニ申訳無之」
「今日ノ不穏ノ行動ハ精神興奮ノ結果ニテ有之ト自覚シナガラ猶ホ遂ニ決行被候」
「今ヤ生死ノ岐点ニ立テバ往時夢ノ如キニ非ラズ皆因縁ニ胚胎セルヲ知ル、只毀誉・風声ニ過ギズ、我四十年ノ生涯怒濤ニ浮ヘル小舟ノ如ク生死ハ観スレバ風木ノ樹葉ト同シ場合ノ死ハ無意味ナルベキモ今回ノ大失敗ノ無意味ナリシ最後ニ可有之候」

岩本栄之助は、仲買人の息子であったが生来義侠心に富む性格で、他の相場師・仲買人が日露戦争後の暴騰で苦しむ所、野村證券の創設者野村徳七らに頼まれて売り方に転じ、それが契機となって相場は大崩れし巨額の富を得た。その内から、現在価値に換算して五十億円ほどを寄付して中之島公会堂の建築資金となる。栄之助の行動は他の相場師にも多額の寄付を行わせる発端となった。

しかし、堂島米穀取引所での買い占めに立ち向かって一敗地に塗れ、さらに第一次世界大戦の前に市場の弱気に逆らって一人買い進み巨額の損失を出した上、戦争が始まり逆に株価が高騰し始めるとまたそれに逆らい売り方に回って破滅、自ら熱心に足を運んだ建築途上の公会堂の完成を見ることなく、拳銃でその命を絶った。

◇練習

よいものだよ。当て物から離れ、当てた外れたの乱痴気騒ぎを抜け出し、しかとした安全法を背後に色々調べ上げていくのは。錯誤が消え去り、すべての歯車が噛み合った時、ようやく出走地点に立てるだろう。

◇根本的な誤り

ようやく根本的な誤りに気づいた。資金を半分失う筈だ。
「市場の行く先を向いて決して後ろを振り返らず、潮の方向にのみ従って、中波のうねりを見極めつつ、波先に惑わされずに仕掛けよ」
細かいことを詰めねばならない。だが、練習がすべてを明らかにするだろう。

◇今日の教訓

日中の闘技場は大引けで消え去る。日を跨いで持ち越すなら、stopを日中のそれから日足でのtechnicalに変更せよ。この場合は損切りの幅を緩めても良い。

◇20161212 電通

上が日足、下が5分足。先週から持ち越したが、夜間に米株などが上昇継続、円安も進んで週明けの日本株も上がるのは分かっていた。案の定、東証はこれまでのup trendを継続する窓を開けての上げで、保合への復帰momentumが働いている電通での売り方は逃亡、寄り付きから一気に上げていく。

問題は、今は玉分割での練習売買が中心課題なので増し玉するかどうかだが、電通は一枚(最低単位の100株)50万円はするので、増し玉を乗せること自体が金銭的・精神的に重いし、寝不足で体調も悪かったので玉はいじらずそのまま監視してtrailing stopだけを行う。

今日の場合、売り方が逃げるのを見越して寄り付きから乗せるか、一度押し目をつけて寄り付き30分が来ても上げが継続するのを見越して乗せるのが良かった。上がってからの玉の乗せは逆に振れたら即損失になるので躊躇われるが、こういう明白な流れがある時は、そのまま流れたら追従すればいいし、逆に流れたらtrend逆行で即全玉損切りという状況なので、stopをかなり厳しい所(今日なら始値)に置いた上で乗せておけば損失は最小限に抑えられる。だから、むしろstopが明瞭におけることを前提に増し玉すべきであった。「増し玉の前提は直近に明瞭なstopがおけるかどうか」というのは、また一つ基礎となる学び。

trailing stopだが、一旦天井保合に移行した後、一つ前のbox天井に指定しておけばよかったものを、5%を超える上昇はあまりに行き過ぎかと思い利食いの心が逸り、天井から1%も開きがない天井保合のすぐ下に置いてしまう。255が為替とともに下げ始めたのにつられて電通も一瞬下げたが、そこでそのstopに引っかかって処分。十分利食ったし、これで良いとすべきと思ったら、その後また天井に回帰した。追従があまりに近いのはやはり早過ぎる利確になる可能性が高い。

◇相場と人間の性

だから根本的に人間の性が相場・投機と反しており、そのまま発揮すると悪く働く、という言葉では生ぬるいほど損失と破滅を重ねていく様にできているので、虫みたいに湧いてくる個人投資家の性をゴソっと刈り取るのが上手い人が一流の相場師です。

現実の相場にぶち当たって人間の性、自分の性質、人間構造、神経構造、精神構造の駄目な所を知って知って知り抜いて、改めて改めて改めて、自分の過去のどうしょうもない部分までひっくり返してひっくり返して見つめ直して見つめ直して、ジワジワジワジワ直していこうとする人しか無理です。

◇儲けよう

投下資金を増大させるのは、至上命題であり、そもそも相場に関わる時点で考えるまでもなく向いている方向であって、わざわざ「儲けよう」などと欲する必要はない。

通常の競技やgameであれば、前にどれだけ上手く進めるかを争うようになっている。どんなに下手でも成績が0(零)から下になりはしない。どれだけscoreを増やすかの勝負でしかない。

しかし、投機・相場は正の方向だけでなく、まったく逆の負の方向にも等しく振れる。Golfで言えば、前だけでなく、まるで逆の後ろの方向にも玉を打つようになっている。現実のGolfにはcourseとholeが予め見えており、courseから外れたりholeから遠ざかる方向に意図して打つことなどない。しかし、相場では、どこがholeか、courseがどうなっているかはすべて打つ者の想像に過ぎない。儲けようとして欲が先走ると、身勝手にcourseやholeを夢想し、前後出鱈目に打つだけならまだいい方で、自分の身体や頭をfull swingでぶん殴るような行為を平気で行う。藪や森の中に打ち込んだ後に、本来のcourseに戻るのでなく、さらに奥深くに打ち込んでいくのが相場に落ちた人間の性だ。

情報に踊らされて知りもしないcourseに大枚払って駆けつけ、「holeに入れさえすれば莫大な儲けですべて帳消しになる」と口車に乗って高額な賭金を借金で賭け、思いっきり前に飛ばしたら、実際の相場の動きは真逆だった・・・などということはザラに起こる。半々の五割でなく、九割それだと思っておいた方がよい。そうやって踊った欲ボケが落とした金で証券会社やら株式評論家やら本業が儲けているのだ。

投下資金を増やす前提は損失を極力発生させず、発生しても最小化することだ。幾ら一時儲けても、その金をさらにつぎ込んでより大きな損を出すようではまるで意味はない。前提となる「損失を発生させない」、「損失が発生したら最小化する」ことに腰を据えて年単位で取り組んでいれば、儲かりそうな方法など幾らでも見つかるし、それを時間をかけて損失を出さずに試すこともできる。golf clubを思いっきり振り回したいなら、courseの使用料以上に取られることもなく成績が0以下になることもない練習場の打ちっぱなしでもやればいい。成績が真反対に膨らむ相場でそれをやれば破滅が待つだけである。

◇最近の事例

・2220 亀田製菓

日足で見ると、Trmump後の上げ相場に反して中期で下落trendがあり、陰線新値四本目翌日のこの日も寄り付きはその流れで下げた。自分もその流れに従って売建したつもりが、建てた時点が底。5分足をしっかり見ていれば、四度にわたって底抜けを試し、すべてが支持されたことで明白な支持線の底が形成、これにより割安感を狙う買い方が出動し、昨日終値を超えていく。

問題は50%の半値戻しは元よりFibonacciでの61.8%超えすら無視して、3.5%に依存し、損切りを昨日終値超えまで引き上げたこと。建玉したまま日中監視で防げる損失が倍増した。

亀田はここ数年積極的かつ着実な海外事業の拡大で売上・利益を増加させ続けており、市場全体も上げの流れにある状況では、chart上に下落の流れが現れていても、押し目買いや上昇trendの再開が起きやすい状況なのだから、そもそも売りで仕掛けるべきではなかった。日足でも昨日の時点でトンボ型の下ヒゲ支えが見えていたのだから。

また日足では市場の流れに反した下げの流れで弱く見えても、週足で見ればそれほどでもない。

総じて見れば目の前の動きに釣られた素人の典型的な「追っかけ買い」で、高値で買いを入れて掴まされ、底値で売りを建ててやられるといういつものヤツである。

・5711 三菱マテリアル

同分野の住友鉱山・同和鉱業などと同じ動き。週足で見れば典型的なGranville(グランビルの八法則)で、down trend中に中期平均線(緑)を抜けるのは騙し、底を突き、水平化してから出来高とともに上げて平均線を抜けたら上昇trendの再開だった(右の方の出来高が急減しているのは株式統合があったため)。より確実な入りの時点を探すなら、移動平均線を抜けた後押し目をつけ、それが再度の上昇によって前の山を抜けたcup with hundle型での新高値で買うのがまったくの正解。日本株市場では、週足での移動平均線などtechnicalが機能することが多いが、恐らく機関などfund managerが週足でそれらを参考に売買している。

自分は同和鉱業を底値圏から監視していたが、それまでの長期下落の流れ、同分野の比較対象企業や彼らが取り扱う主要物(金・銅・Nickel・亜鉛など)の価格変動、需要をまるで見ておらずこの分野の素人だったので買いを行わなかったり、間違った空売りをしかけて損を出した。単にEPS(利益/株数)を見るのではなく、最低限その企業の主要事業を見て、それの見通しと主要変動因(この分野の場合資源価格)を経済状況と相場変動から見ておかないと、trendが転換したのに相場の流れの中で「間違って上げた」「上げすぎた」などといった妄想に陥る。期待と恐怖で動く株式市場では主要事業への変動因が決定的に作用するというのがわかっていなかったのだ。

・4324 電通

戦時中の統制経済での企業合併により日本の宣伝業界に君臨しすべてを操ってきた企業。最近、それが緩んできて、批判的な報道が続出するようになった。芸能界やTV業界といった閉じられた世界でこれまでなかった批判報道がでてくるようになったというのは凋落の兆しと見て良い(和田アキ子の例を見よ)。一方株価は批判的報道が出続けていた時期にも何ら影響されず保合のboxを維持し、しかもそれは緩やかに切り上げている。Trump当選の反動で極端な上抜けを示したがこれは即座に否定されて元の保合に戻った。これが意味するのは安くなったら買う、trendが発生したら買うという勢力がこの銘柄にはいるということ。一方で上抜けた際に売りを仕掛けて保合に回帰させる勢力がいて、両者の均衡がある。上抜け後に急激な揺り戻しの下げがあるのは電通の絶対的な力が揺らいでいるのが透けて見えるために参加者に潜在的恐怖心が仕込まれていて、それが売り方に有利に作用するからだ。

直近では再度の上抜けをした後、五連族の陰線新値で下抜けしたが、Trump shock,その前の支持確認を結ぶ水平支持線で再度支持され長い下ヒゲをつけて反発した。

日中では50%の戻し、さらにfibonacciの61.8%を超えた時点で試し玉は入れて良い。自分は前場起きて時間が経っていなかったので、後場まで待ち、朝方の天井を抜けた段階で買い建玉。市場全体のtrendに助けられそのまま上昇維持。損切りは下落再開の恐れがあるので、前の保合を参考にtechnical stopで厳しく設定しておいた。

追っかけ買いは中長期の相場転換を見定めてやることで、短期の相場変動の中で利益を上げるには逆張りを狙っていくしかない。ただし、逆張りは明らかに技法と修練を積んでいないと難しく、酷い過ちを犯しやすい。

◇失敗ばかりの相場人生

結局、相場で確実にできることは「相場の先行きを予測する」「当たりそうな銘柄を見つける」ということではなく、「こういうことやったら失敗する」「こんなことをやったら損失を拡大させる」といったことを実際の相場の失敗を通じて自覚し修正することだけだよ。当て物にのめり込んでいっても、「理由」ばかりが積み上がり破壊的な損失を蒙ることから逃れられず、相場技法はまるで上がらない。最近は負けばかりで薄く資金を減らし続けているが、何も感じなくなってきた。これが続いて資金が半減し、全部なくなっても当たり前のことだろう。それぐらいでないと、客観的に見ることができない。失敗を続けられない。失敗を通じて効率よく己の技法や相場観を修正できない。

負け続けで資金が半減して頭がおかしくなったのだろうか?
必要に駆られて今すぐ稼ごうとすれば最大の損失を最速で被って破滅する。焦って儲けようとすれば、大きな損失を断続的に喰らい続け消え去る。儲けようとしている限り、chartの見方が自己中心的になり歪んで見え、建玉すれば執着で頭は狂い盲目になる。要は修正の方向がどちらを向いているかということなのだが。

◇新たな基盤

結局、玉を試し玉、先玉、本玉、乗せ玉に分割(1-3-3-3とか1-2-5-2)した上で、percentage stop,time stop,technical stopの三つを重ねがけするのを基本とすることにした。
すべての機能している商品・證券市場では、機会は時間が経てば何度でも現れるのだから、とにかく資金を失わない、下手に突っ込まないことが重要なのであって、一度玉を建てたら逆行時に失わないことだけを常に考えているべきである。思惑通りの方向に行った時は単にtrailing stop(損切り設定の追従)をしていけばいいだけなので精神的に難しいことは何もないからだ。

・Percentage stop(割合切り)というのは一般的なstop lossで自分が建玉した価格からその割合分逆行したら切る(自分の基本は3.5%)、この際最大損失は全資金の2%以内に抑える。新興株など変動幅が大きく高い変動割合を受容せねばならない危険性が伴う商品であれば、受け入れ可能な最大損失に応じて建玉の量を抑えねばならない。

・Time stop(時間制限切り)というのは、一定期間内に思った方向に動かなければそこで手仕舞いする。day tradingならその日の大引けだし、swing tradingなら週末やせいぜい10日ほどで強制的に決済されるように注文時に定めておく。玉はダラダラ持っていてもいいことになる可能性はほとんどなく、むしろ危険性だけが増していく。そして建玉しているということは、その数と量だけ精神をかき乱すのでさしたる理由や見通しもなく建ててておくことはありえない。

・Technical stop(前提崩れ切り)というのは、support line(支持線)/resistance line(抵抗線)/機能している平均線を買い方・売り方の勢力均衡や思惑を想像しつつ見て、その線を逆に抜けたら(もしくはboxの50%まで抜けたら)最大損切りに達していなくとも切り捨てる。technicalは理由のひとつであり、より大きな意味では建玉に至った前提となる理由が崩壊した時点で即座に切り捨てる。

損切り注文は建玉注文と同時(ないし直後)に出し、technical stopなどを追加して厳しくしていくことはあっても緩めていくことは絶対にしない。緩めるぐらいなら即座に切り捨てて、流れを見定めた上で新たに入り直す。

玉を処分して空にするということは、単に資金を失う可能性を消し去るだけでなく、精神を解放し新たな機会に集中できるようにするという点で決定的に重要だ。結局、取引は待つことの大事さを知ると同時に、何も持たない状態がいかに有利かを理解するのが本当に足を立てるための基盤となる。

◇あらゆる投資・投機・相場

他の自営業・事業と一緒。
費用をかけて基本を学び、すでに百戦錬磨の本職が無数にいる中でしのぎ合う。
そこにおいて無数のやってはならないこと、やるべきでないことを経験・体験で学び続けるのは当たり前。
問題はその早さと効率、わかっていない段階で多くを失わないこと。

◇紙で貼る

「悪体調 すべての取引過ちの元」
「起きてから二時間ぐらいは何もするな」
「寄り付き30分、まるで違うぞ手を出すな」
「流れに乗るのが仕事、流れに逆らうのはタダの我儘」
「3.5%逆行 あらゆる場合に即切り捨て」
「逆行で増し玉(ナンピン)するのは自殺と一緒」
「知らないことを本玉で試そうとするな」
「建てる前、買い残・売り残よく見とけ」

紙に書いて貼り出すことにした。
結局、原始的な手法が一番神経の原始的な部分に響く。

◇初心者

してはならないこと、すべきでないことを身体感覚次元で心底しないようになるのが先決なのに、儲けよう、いい目を見よう、格好をつけよう、さっさと抜け出そうとするから全部失う。

◇leveraged

信用で何倍にも膨らまして取引した時ほど、相場が建玉に逆行していても切れなくなる。
なぜか?
そもそも信用で多額の建玉をつっこむ時点で、有力な理由に囚われてしまっているから。

◇頭で理解

頭で理解するのと実際にできる様になるのは、「武術の本を読んでみた」程度と「長年の修行の後に実戦で闘う」ぐらいに違う。

本当に経験を経た相場師ほど、自身の失敗と実際にやることの苦労を語る。偽物ほどいかにも簡単、出来て当たり前と成功談を吹聴し、失敗をなかったかのごとく覆い隠す。


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