SAND STORM

朝ぼらけ

2017年10月13日

投資日記 2017/10 vol.1

Filed under: 未分類 — Tags: — sajin @ 08:12

◇自分の性質に適応した商いの仕方

伊豆熱海温泉の梅林。元日の太陽が照り梅の香の匂うところで、松辰は私を含めた家族を連れて散歩していた。すると、梅の香の中に家族連れが現れた。兜町の取引員とその家族で、すれ違いながら新年の挨拶をした。その人は冗談みたいに、「松村さん、100万円儲けるにはどうしたらよいのですか」といきなり声をかけてきた。この突然の質問に周りの人たちは皆、笑ってしまった。私も子供ながらにおかしい雰囲気がわかったから、よく覚えている。松辰は無口な方だが、この時は珍しくニコニコしながら返事をした。

 「なーに、それはね、ただ自分の性質、長所短所に適応するような商いの仕方を工夫することですよ」

人間はそれぞれ顔が違うように、長所短所などの性質も違っている。長所を伸ばし短所を抑えたり矯正するなどの工夫をすれば、事はうまく運ぶ。相場においては、特にそう言えるだろう。たとえば、引かれ腰が強くて困っているというような人は、初めから引かされた場合に損切るところを決めてかかればよい。株式でいえば三円とか五円とか引かされたら、いかなる事情があっても玉を切ることにする。もともと癖というのは十人十色で、いちいち取り上げていてはキリがない。なくて七癖ともいわれるくらいなのだから、それぞれ自分の長所短所をよく考えた上で、成功のため、一大決心のもとに実行するのが肝要である。

『松辰遺稿』第二編 五常の説 第二項 自分の性質に適応した商いの仕方を工夫せよ

相場で安定して利益を出せるようになるまで永い時間がかかるのは、相場の流れや状態に合わせてどう振る舞うべきかを知るだけでなく、自分の性質に合ったものにそれを変える必要があるからだ。もちろん、自分の性質を深く知っていきながら変えていく必要もある。

◇松村辰次郎の公益論

松辰が公益を重視したのは、今の相場を見れば嫌でもわかることではないか。相場は国家権力から独立して存在しているのではない。必ずその影響、掣肘を受ける。
単にtrendを考えるなら、相場内部での売り買いの均衡が崩れない限り、幾ら振れていってもおかしくない。
しかし、公益=国民経済を害するほど振れてしまった時、中央銀行や政府の介入が始まる可能性が高まるのは当たり前の話しである。
昔から政府が空売りを禁止したり、政府関連組織が公金で株価を買い支えたり、中央銀行が金利を制御して投機熱を抑えたり、逆に煽ったりということは日常茶飯事なのだ。
相場の流れだけに酔って公益に逆らう相場行為を行えば、その最も強大で逆らうべくもない「敵」と真っ向からぶつかることになる。

◇資金管理 – 自動入出金の解除

楽天銀行と楽天証券のマネーブリッジ(自動入出金)を解除することに決めた。

元々は、楽天証券とつながる楽天銀行の口座は相場用途のみにしていたのだが、マネーブリッジで滅茶苦茶な入出金が繰り返されるようになり、信用倍率や追証余裕額がまともに表示されないという相場行為において致命的な悪影響をもたらしているのが一つ、さらに楽天がpointを餌に様々な支払いを楽天銀行で行うように仕向けてくるので資金の用途が混ざりはじめているのがもう一つだが、最大の理由は自分の資金管理がそもそもなっていないことに思い当たったからだ。

資金管理については、まともに書かれた本を自分は見たことがない。単なる玉の大きさや取引ごとの損失ごときは資金管理ではない。自分の繰り広げてきた失敗と、成功している相場師の断片的記述から以下の形が正しいと今は考えている。

1.儲けて~しようというのは最悪の幻想

    「相場(投機)で儲けて~しよう」というのは、今の自分の生活や人生が不味いものであるという現実から逃避して、夢想に救いを求めているだけ。
    相模原で大量殺人を犯した犯人が喋っていたことが「相場で手っ取り早く儲けられる」だった。

2.含み益は幻想

    含み益を出しているが故に、心は浮かれて躍り、「儲けて~しよう」という発想で頭は一杯になる。
    欲をかき浮かれていると、相場はすぐ変動して、含み益など容易に消し飛ぶ。
    適切に扱い、確定した数字以外は幻でしかない。

3.含み損は際限なく広がる災厄

    計算された建玉量を、計画された建玉法で、定められた損切注文で強制的に切るのとともに用いるのでない限り、含み損は無限に拡大する災禍でしかない。

4.現実は口座の金だけ

    相場の変動に影響されない静的な口座の金だけが現実である。

5.証券の口座と生活資金の口座を一緒にしてはいけない

    「味噌と糞を一緒にするな」
    生活と投機という、火と水ほども違うものを混ぜてしまえば心理的に収拾がつかなくなる。
    安定した生活資金の背景がある場合にだけ、安定した相場行為は成り立つ。安定した相場行為の繰り返しからしか益は生まれない。
    「日計り用の口座と長期投資用の口座は別にしろ」というのもある。性質の違うものを同じ口座で混ぜてはいけない。

6.証券口座は資金の最大枠を設けて、枠を超えた分は出金する

    相場で儲けてもそのまま投入資金を増やして再投資しない。相場行為を狂わせ、儲けた金より多くの金を失わせるのは、まさにこの儲けた金をそのままつっこむことに起因する。Livermoreは「相場で儲けた金の半分は出金」していたが、相場を始めて数年の練習期間は枠は固定した方が良い。
    枠は、年に一度といった期間で、自分の生活まで含めた総資金を見た上で、今の自分の実力を勘案して再設定する。

深層心理、それを成り立たせる実存の段階から安定を構築していない限り、相場がもたらす極度の圧力と混乱に堪えられず、必ず大きく吐き出させられる。

◇ひとのため

一貫するのは他人のためということだ。
最初はそれが災いした。最後にはそれが勝利をもたらすだろう。

◇この二年

一年目は、近々訪れる環境の変化をどうにかしようと焦って始めたものだった。無知蒙昧に思惑を張り続けたその結果は、当然悲惨なものとなった。
二年目は、ようやく相場本などを読み散らし始めたものの、安定した手法も規律もロクに構築されないまま、相場を繰り返した。その結果もなるべくして起こり、初年のような損失ではないものの資金は減った。
三年目の結果もなるべくしてなるだろう。積み上げたものに沿って。あるものがそのまま現れて。


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