SAND STORM

朝ぼらけ

2009年10月10日

送り雛は瑠璃色の

Filed under: 未分類 — Tags: , — sajin @ 23:34

Okuribina

Released: 1 June,1989 (ウォーロック) / 30 October,1990 (社会思想社 文庫) / May,2003 (創土社)
Developer: 思緒雄二(門倉直人)
Publisher: 社会思想社
Engine: original

Official: AGN-15 送り雛は瑠璃色の @ 創土社

後のかまちたちの夜につながる日本の神話を背景にした80年代伝奇小説風Adventure game book。

[Edition]

日本版ウォーロック#30,#31に原型が発表。その後、’顔の無い村’とともに文庫化された。

2003ADに創土社により復刊されるが、これは改悪版で原作の風情を損ねている。’顔の無い村’もない。


話は変わるが、こういう観点からすると「Hyper Text」という新しいficttionの形態はとても興味深い。

(訳注)ここでいう「Hyper Text」とは、読者の選択によってplotや結末が変わるinteractive小説のこと。いわゆる「Adventure Gamebook」もその一種。

本質的にHyper Textは直線的ではない。したがって、従来の小説作法はHyper Textを作る上で全く役に立たない。

Hyper Textの作者だって、伝統的な作家と同じく実存的苦悩といったthemeを表現しようとしたりするわけだが、伝統的な作家と違うのは、それを複数の視点でとらえたり、plotをあちこちに飛ばしたり、全体的な流れを読者に決めさせたりすることである。

Hyper Textの作者がやっている作業は、伝統的な作家の仕事とgame designerの仕事を合わせたようなものだが、本人が意識する以上にgame designerとの共通点が多いような気がする。

ともあれ、もしHyper Text小説が文学的な高みに達したら(もっとも私が読んだ限りでは、そういう水準の作品は全く無かったけど)、それは新しい物語叙述手法、もはや「story」と呼ぶことは出来ない何か別のものを生み出すに違いない。

Greg Kostickanのgame論

私が読んだ限りではそういった水準に達した唯一の作品は’送り雛は瑠璃色の’だけだ。

◇思緒雄二の正体

[ゴメン!秘密ということで] < 1998/5/15 16:38:50 >
どなたかも予想はされてましたが、”思緒雄二”はN.K.氏のPNです(まぁ、直.門.もPNなんですが)。当時、HJ社に社員として働いていた氏としては他誌で書く以上、建前的であれPNを使う必要があったわけです。実際バレバレなんですが。よってNET88の方も思緒氏とGMは同一人物ということです。その後、相模原のY社に移ってからはBLやFLなどのTRPGに携わっていたのですが、6年越の超大作コンピュータRPG「W.H.」と格闘している間に第一線から忘れ去られた感がありますね。「W.H.」開発後半、体調を崩されて療養されておられましたが、その後体調は回復されたのでしょうか? 大貫氏、多摩氏という日本RPG界の大御所が亡くなれている今、批評に耐えれる作品を書ける数少ない(というより唯一の)方なのですから、ぜひとも再びメディアに復活してもらいたいものです。 余談ですが、氏の弟子筋に当たる司史夫氏がPCgameブックなるものを発売しているはずですので、興味のある方は探してみてはいかがですか? 発売元とかは忘れちゃったんですが、ゲムル発行の「ゲムレ」とかに載ってたような気もするな。
では、また。

K.N.=門倉直人。TRPG ‘Roads to Lord(ローズ トゥ ロード)’の作者。
HJ=HobbyJapan
WH=忘れ得ぬ炎
BL=Beyond Roads to Lord (ビヨンド・ローズ・トゥ・ロード)
FL=Far Roads to Lord (ファー・ローズ・トゥ・ロード)

同じく加藤直之がgraphicを担当したCRPG’ディガンの魔石’は関係ない。

ネットゲーム90′ 『蓬莱学園の冒険!』の門倉=思緒雄二


[game system]

それまで大量に製造されたgame bookと異なり、後に弟切草・かまいたちの夜などに繋がる世界の探索と物語の選択を行うgameへと進化している。computer gameで言えば純粋な物語選択式のAdventure gameに近い。

・dice rollはなし
・唯一のparameterは霊力点

時間制限がある中で数多い場所を探索しなければならないことがある。

◇欠点

このgameで最たる欠点を挙げるとしたら、
・時間制限のある中、探索できる箇所が酷く限られている
・霊力点が少なすぎて、正解路をあらかじめ知っていないとgame overになり易い

ある程度自由な探索・探検によって物語世界を味わうことを主眼におくべきなのにbalanceが過度に悪く、行動を制限してしまっている。

・霊力点を倍に
・多くの場所をうろつける時の時間進行を1/2(1/4だったかも知れない。それぐらいで丁度良い)

にしてplayした。実際創土社版では開始霊力点が増やされている。

送り雛は瑠璃色の @ 雑居空間

game作り、system面での欠点はこのreviewがよく描き出している。とは言え、後のかまいたちなどに比べて劣るのは当然だが、game bookというほとんどがFighting Fantasyの流用であった低次元のgame媒体の中で革新性は突出している。

[顔の無い村]

Fighting Fantasy game bookのsystemを流用。叙述感性や和風の情景作りなどは送り雛とほぼ同じで、送り雛が好きな人ならやって損は無い。

内容は脱出物。clearに要するflagが一点あり、そこを抑えておかないとどうにもならないのが拙劣に感じた。


[Link]

送り雛は瑠璃色の @ 雑居空間 – 主にsystem面とbalanceを概括したreview


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