SAND STORM

朝ぼらけ

2009年10月31日

見えてきたEuropa Universalis 3の拙劣な点

In Nomineである程度playを重ねて各expansion packに付けられたmanualなどを読んでみるとなぜEuropa Universalis 3が駄目なのかおよそ見えてきた。

EU3で新たに付け加えられたものは、一応歴史をネタにして引っ張ってきたsystemではあるが、その結果は全体を歴史gameとして機能するものになっておらず、EU3を浅薄な4X gameへと堕落させている。

・Adviser

芸術家、商人、海賊などを毎月給料を払って雇うと様々な補正が付くというsystem。

このAdviserは変に色をつけて無駄手間を増やしただけで、日本の歴史gameが陥った悪い意味でのcharacter game化を促進するものとしか見えない。Board gameをやったことがない人間が思いつくようなくだらないやり方で贅肉そのもの。その上、costと効果のbalanceも悪く、楽しめる要素としてすら機能していない。

こういったものを付け加えるなら、simulate対象を一国に絞り、その中での廷臣たちの権力闘争と絡めてgame化するぐらいに掘り下げないと浅薄にしかならない。

Napolen’s Ambitionで加えられた各項目のHistolical optionをOnにするとAdvisorやLeaderはほとんど登場しなくなる。しかし、3はそれらがいることを前提にgameが組み立てられているので、historicalになることはなくつまらなくなるだけ。

・National Idea,National Decision

Government Technologyを開発すると一定Lvに達するごとにNational Ideaという特定の国家補正をつけることができるSlotの枠が増加する。

2同様にDomestic Policy sliderが表象しているのだからそれで十分ではないか。すでに存在するdomestic sliderと表現しようとするものが被っており、一見面白そうな要素を増やして、その実態は無駄の上塗りに過ぎない。

・政府形態の変更、CoTの破壊/創設、首都移転、容易いCore province/Religionの変更

歴史を無視した何でもありの可塑systemにしたため、歴史の中での苦闘ではなく、単に設定された状況の中で叩き合いをするだけの4X対戦gameに成り下がっている。

このような贅肉と連動しているだけのGoverment Techは不要。Production Techも他の技術と並べる程の意味が見いだせない。歴史基準の設定にしておけばいい。

・やたらと多い建物の種類、領地ごとの特殊政策

これも贅肉以外の何でもない。EUは建物を建てて回るのが面白いgameか?一般的な経営gameと比べればその下等さは比べるべくもない。

自分が作っているのがどんなscaleで何を中心に争うgameかわかっているのか。

・細かな軍の種類の選択

一定levelにland technologyが上がる事にFire/Shock/Moralの能力が異なる様々な軍種(例えばLong Bow=長弓兵やTercio Infantry=テルシオ)を選択できるようになる。これによって軍種を進化させていかないと幾らlevelが上がっても基本となる能力は弱いままに止まる。

全く必要ないどころか有害。そもそもLand Technology/Naval Technologyがそのまま軍形態を表現する方がスッキリしてわかりやすいし、欧州文明だと軍事技術の進化がそのまま高い能力の軍形態の選択に繋がるのに、AsiaやIslamでは例えlevelが上がっても欧州同様の軍種に変態できないのでlevelと軍の強さが一致しない。技術levelに応じたunit種のupgradeはHearts of Ironであれば改良sliderで自動的に行われるが、陸軍は瞬間的に士気が0になるだけで何の経費もかからないし、一方海軍はすべて手動でつくり直すことになるのでかなり面倒。

・宗教寛容度の任意変更不可(In Nomine)

In Nomineでそれぞれの宗教に対する寛容度の設定は行えなくなり、National Decisionと同形態のReligious Decisionに変更された。

各宗教に対する寛容さは君主の一存で決まり設定次第で様々な影響が現れるという以前の任意slider変更の方が遙かにhistoricalで優れたsystem。やらなくていい所をやたらとifを追求できるようにする代わりに、こういった妥当であった部分を固定するのは支離滅裂でまったく意図がわからない。

・Papal Control

教皇庁の枢機卿に金を渡して自国の言いなりにさせ、他国君主を破門したり、聖戦の宣言を出すというmini-gameをもう一つ増やした。十字軍の時代ならともかく、教会大分裂から新教勃興の時代を扱うEUにこんなものが必要あるのか。mini gameとしても、cheatで補正の効いたAI国家相手との競合で金ばかりかかってbalanceが取れておらず面白くも何ともない。無駄。

・Spy

HoI2:DDのような恒常的にSpyを送り込んで諜報合戦を行うというものではなく、金に任せた一発勝負で反乱を起こしたり要塞のLvを下げる。CKのように廷臣が存在し、その廷臣個々に影響が及んで反乱や技術漏洩というのならわかるが浅薄で贅肉そのもの。

◇computer game化による並列的なsystem/data増加の陥穽

Board game界隈出のdesignerがcomputerに進出すると、これまで人間が手で処理せざるを得なかったため削っていたり抽象化していたものを次々と濾過しない形で残して、際限なくsystemを並列的に増加させてしまう悪弊があり、そういった並列的な増加は個別細部のdetailに凝るかわりにほぼ間違いなく統合的なgame性を破壊する。

ギリギリまで削り込みながらも本質的な部分を残した高度な抽象化を行うことで、優れて遊び易いgameでありながら歴史や題材の本質を反映する作品を作るのが他が及ばないBoard gameの優れた点だ。

EU3はその歴史を正確に再現しようとするが故にsystemを増やすという次元にすら達しておらず、無駄手間ばかりが増えている。このようなsystemをやたらと増やしたgameは複雑な攻略のネタにしかならない。

各国ごとの歴史eventを廃止して共通systemで代行するというのがEU3の命題だが、下らないsystemを乱立しただけで失敗に終わったというのが妥当な評価だろう。


関連記事

No Comments »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment


sand-storm.net