SAND STORM

朝ぼらけ

2009年10月12日

Shogun: Total War

Filed under: 未分類 — Tags: , — sajin @ 03:33

Released: Jun 2000
Designer: Michael Simpson
Developer: Creative Assembly
Publisher: Electronic Arts
Engine: Shogun Total War engine

Official: Totalwar.com | The Award Winning series from The Creative Assembly
Forum: Totalwar.org > Shogun Totalwar
Wiki: Wikipedia

かなり勘違いの入った日本の戦国時代を舞台に、3Dで合戦を描くTotal War seriesの初作。


[Edition]

Add-on: Mongol Invasion

Shogun: Total War+Mongol Invasion = Warlord Edition  (Gold Edition)

本編単体版、Warlord Edition(Gold Edition)とも音声まで日本語化された完全日本語版がElectronic Artsより出されていた。日本語化の質はちゃんとした声優を使って原作の雰囲気を再現しており高い。

[Patch]

Shogun: Total War: install -> v1.12
Mongol Invation: install -> v1.01beta
Warlord Edition: install -> v1.01beta

まず本体のみ、本体+拡張、Gold(Warlord Edition)とすべてpatchは別。さらに言語により、European,Asia,Japanと分かれており、European=English、Japan=日本語版。

日本語版の単体最終patchはv1.12。

[Trouble]

現在の環境では不安定な部分が多い。

・Video driverでsoftwareしか選択できない

不明。configure fileもTextでないので強制的に変更できない。

・menu画面がチラつく

互換modeでWin98指定

・起動しても黒画面のままSTOP

ffdshowなどを入れている場合、CODEC相性が原因。ffdshow video decorder configuration > DirectShow Control > Don’t use ffdshow > Edit > Add でShogunW.exeを指定

・合戦時にSound loopが起こりOSごとfreeze

自分の環境では結構な頻度で起こった。forumなどを探しても情報なし。


◇historical Background

一応戦国時代を中心としているが、歴史の扱いは外人にありがちな、戦国時代を元に江戸から南北朝までごちゃまぜの勘違いしたもの。

例えば今川は九州征討時の領地をもっているし武田は安芸半国守護としての領地も持っている。さらにexpansion packでは鎌倉時代の蒙古侵攻まで取り入れられている。これが悪い方に出ているかというとそんなこともなく、戦略の間の芸者だとか、変な大剣を振る侍だとか違和感を感じる部分は例外で動画含め、独自の表現としてまとまっており描写の水準は高い。

Shogun Total Warの場合、こういった勘違いを露悪的に狙ってウケた感が強い。

[Game mode]

・天下統一

まず国内開発を含めた戦略gameがあり、それを使って合戦を行うmode。

・Sengoku Jidai,1530,1550,1580: ほぼ当該年代の歴史通りの配置

・Mongolian Invation: 元寇を扱う、戦国時代とまったく別のgame。

Sengoku Jidaiと各年代は支配領域だけでなく建物などの開発の程度が異なり、そのため登場する部隊の種類がかなり異なる。

・Custom Battle

双方自由に兵種を選んで、選択した戦場で一回限りの合戦を行うskirmish。

・歴史合戦

姉川・山崎など固定設定の戦いを固定された側でのみ戦う。Mongol Invationを入れると文禄の役有り。

・天下統一合戦

織田・徳川・秀吉・Mongolの四者を操り、設定された合戦のみを戦い駒を進めていく。合戦勝利の条件は厳しく、桶狭間なら今川義元の首を取らない限り勝利できないし、Mongolだと兵数半分、八方を敵に囲まれた状態で始まるといった特殊な条件での戦いを味わえる。

[難易度]

Easy/Normal/Hard/Very Hard

[戦略part]

・turn-based
・陸奥・下総・土佐・肥前など旧制の国単位に分けられた分割領域(Area)制

○Board gameの良さを基本にした戦略層

戦略層はboard gameの様にarea分けされた盤と駒による抽象化がなされており扱い易い。基本操作は部隊や忍者・密使などの駒をdrag&dropして動かすだけ。内政もすべてがicon化されていてわかりやすい。

◇選べる大名

選べる大名は織田、武田、今川、毛利、島津、上杉、北条の七つで、今川(徳川)は南北朝時代を反映して九州に飛び地を、武田は支族が安芸半国守護だったことを反映して安芸に領地を持つ。この二者、特に武田は連携の取れない場所で別個に領地開発を行わねばならないので弱く、逆に上杉は東北を、島津は九州を簡単に抑えられるため簡単、北条も本拠武蔵・下総が豊かな上に川があって侵略されてもほとんど勝てるので容易、織田・毛利は中間ぐらいの難度だ。

◇浪人system

このplayer選択可能な大名以外の国は浪人と呼ばれる独立勢力が支配している。浪人は一体ではなく、土地ごとに家が分かれ、発生する浪人の名字は伊勢なら北畠、安房なら里見、美濃なら土岐とちゃんとその土地に根を張っていた武家の名前だ。民忠が低いと浪人の反乱(=一揆)も高確率で発生する。

◇開発と経済

信長の野望の様に細かく数値を上げていくのではなく、施設を建てるか上級の同系施設をまた建ててupgradeする形で開発していく。すべては金銭同様の石高で表わされ開墾/開港/鉱山の三つが領地の石高を上げる手段だ。開墾は20%,40%,60%,80%,100%と五段階もあるが、元の石高に掛けられるので飛騨など百石ほどしかないと開発する意味は薄い。

もう一つ大きな要因が領域ごとの忠誠度(いわゆる民忠)と五段階の税率で税率が高いほど、秋の収穫時に民忠が上下する。民忠は軍隊を置いて安定統治していれば自然と上がるので領地全体の忠誠度を見ながら毎年税率を定めるのは重要な仕事。

◇軍備

軍事unitを生産するには城の建設に加え、それぞれ専用施設の建設が必要。さらに上級部隊をつくるには更なる城の拡張に加えそれ用の施設が必要、と部隊生産は特定の国に集中しないと厳しい。また鉄資源のある国でのみ防御力強化のbonus施設が建てられるので尚更。

◇軍事unit

槍兵:民兵。対騎馬隊にのみそこそこ戦えるが弱体で士気崩壊も早い。

槍武者兵:正規兵。槍兵に比べれば戦闘能力がかなりあるので、序盤~中盤の主力。対騎馬に強いので常用できる。

野太刀兵:二刀流で攻撃力大、だが防御力が低く使い所が難しい。

長巻兵:重装兵。防御が堅く強力だが、かなり足が遅い。

弓兵:投射部隊。攻撃力が高く、使い方次第で勝敗を左右する。矢玉は比較的早く切れ、弾が切れた後は近接戦も可能だがもちろん最弱。

鉄砲隊:南蛮船が渡来した領地でのみ編成可能。弾薬は無限だが、それほど攻撃力が高い訳ではない。

騎馬隊:弓騎兵。源平時代の騎馬弓兵。名乗りはない。弓兵同様の攻撃力で敵に掴まることなく射撃し続けるので強力な部隊。弾切れ後の近接戦闘も弱くない。

槍騎馬隊:軽騎兵。もっとも足が速く、襲撃・追撃に活躍。

騎馬武者隊:騎兵。攻防ともに強いが少しばかり足が遅い。

長巻騎馬隊:重装騎兵。特に防御力が高いが足が遅い。

忍者: 十二人しかいないが、他の部隊では森にいないと得られない隠蔽効果をどの場所でも持つ。飛び道具の手裏剣は飛距離は短いもののその能力は高い。

剣聖:たった一人だが超越的な強さを発揮し、投射部隊で集中攻撃しない限り格闘で倒すことできないほど。

軍事unitは施設の程度次第で攻撃・防御・士気すべてにbonusがついた状態で登場する。経験を積むと士気のみは上がるが、他は施設のある場所で再訓練しない限り得られない。

The Complete Total War Unit Guide

◇外交

密使を派遣して停戦/同盟交渉を行う。

○友好度の類がないのでAIの判断は軍事balanceのみで判断するすっきりしたもの

また密使は多額の金銭が必要になるが敵領地の部隊すべてを買収できる。

◇諜報

忍者の類を用いると偵察・暗殺が行える。

軽くまとまった戦略層のgameは面倒な作業なしに合戦を楽しませてくれる。

×建造物単位の内政の積み上げが中途半端に大雑把な上にbalanceがかなり厳しい

強いunitが登場するまでかなり開発を蓄積しなければならないこと、同様に部隊数を揃えるには開発の蓄積とturn数が必要なため、合戦は一桁の部隊同士の小規模な戦いになることが多い。

序盤~中盤にかけて兵が揃わず、小規模な戦いしか行えない。またその段階ではunitの種類も槍兵・弓兵辺りの低段階のものに限られる。中盤以降、自分の側が一地方を制するほど強力になると数・質ともに揃ってくるが、AI playerがそれに追いつかない。数だけは揃えても質が劣るため、本格的に質・量揃った者同士の合戦が行えない。


[合戦part]

<graphic/Sound>

Rome/Medieval2などのLord of the Ringの合戦sceneをgame内で再現!といったことは期待してはいけない。3Dで大量のunitが戦うということ自体が凄い、という段階。派手さはあまりないが、湿った日本の風景とあっており、違和感はない。

多数のunitが号令一下陣形を取ったり移動するのは迫力がある。

×全体に濡れたような薄暗さでハッキリしない

効果音、graphic共に戦っているのか戦っていないのかハッキリしない。何かごちゃごちゃやりだしたなと思ったらいつの間にか兵士がバタバタ倒れているといった具合。

この肝心の合戦がハッキリせず迫力が無いのがShogun Total War最大の欠点

<視野・操作性>

Num Pad(10KEY)を中心とした操作になり、Arrow key+mouseではまともなplayはできない。menuからkey customは可能。

視野変更で可能なのは
・前後左右移動
・視点の高低移動
・上下角度変更

mouseは右clickを押しながらが位置固定視野変更、上下で前後移動左右で視野角左右変更

全体に洗練されておらずやりにくさが目立つ。一番難儀なのが

×高低差を取り俯角をつけて上から見れない

最大でも30度/20Mぐらい上からしか見ることができない。このせいで上空俯瞰ができないので部隊の多くや敵味方全体を把握することが困難。

これは後のTotal Warではもっと上から見れるようになっているのだが、実はこれがgame性を薄めていた。

Shogunでこうなっているのには理由があり、後のseriesと違ってShogun: Total Warはある程度距離が離れたり、敵が森の中にいると敵部隊を視認することができない。兵を伏せての奇襲や、第四次川中島の様な遭遇戦といった合戦の偶然性、不規則さ、奇襲といったことを考えた作りになっているのだ。視認性の悪さと奇襲や不規則性はTrade offになっている。

○user Interface

Minimapが別window扱いで拡大縮小=zoomは元より場所の変更も自在。その直下に速度変更barがついており、0-100%(倍速)まで自在に調整できる。このUIは後のseriesのものより使い易い。

<陣形>

○Presetされた固定型陣形が取りにくい替りに自由な陣形を描くことができる

個々の部隊が取れる陣形は集合/散開/楔形の3つ。複数部隊を選んで大陣形を取ることができるが、これは種類ごとに単純に配置するだけで実戦には使い物にならない。その変わり、個別部隊・複数部隊を問わず、部隊選択状態で左buttonを押したまま四角い図形を描くようにグッと引き伸ばすと長方形のみだが自由に陣形を描くことができる。これはTotal War systemの革新の一つだ。

<天候>

攻撃側は天候を選んで合戦に入ることができる。その種類は快晴から豪雨まで多種多様で、強風なら弓矢の命中率は落ち、雨では鉄砲隊は使い物にならない。他にも冬季雪が積もれば足は遅くなり、寒い日であればさらに悪くなる。

一度合戦に入ると変更できないが、かなり細かく変化していく。

[総評]:Total War systemの確立

大雑把な割りにやたら厳しい戦略層+視認性/操作性が悪くイマイチ快楽に乏しい合戦と、一見、ネタとしての「ガイジン日本」以外に快楽性を見出しにくいが、ある程度やり込むとその実力が見えてくる。

game性だけを言えば、この後に多数のFollowerを生み出す標準型が確立されているのみならず、すっきりした戦略層、後のseriesで削られた索敵要素や地形の高低を生かした戦い、天候が機能しており、むしろ以後のTotal war seriesは劣化している。

現状日本を舞台にしたまともな3D戦国合戦gameはほとんど無いので、攻略play覚悟の上なら挑戦する価値あり。


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